昭和にタイムスリップ!気分まどろむ癒しのぬる湯!
[新潟県] 長岡温泉 湯元館
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
新潟県第二の都市である長岡市。田中角栄や、毎年8月初旬に開催される長岡大花火大会が有名ですよね。そんな長岡市の郊外、田園風景の広がるのどかなところに「長岡温泉」はあります。「長岡」「温泉」と聞くと、先に静岡の伊豆長岡温泉が思い浮かびそうですが、こちらは良い感じに鄙びた湯治場的な雰囲気の温泉です。
風情ある立派な外観
長岡市街を東南に外れた田園風景の中にある長岡温泉。少し前までは、3軒の温泉施設・旅館が営業していたそうですが、現在は「湯元館」のみ。ここは、昭和初期から続く老舗旅館で、40年以上前に建て替えられた外観は、良い具合に年季が入っています。想像していたよりも広い敷地は緑豊かで、鄙びた外観とマッチし、独特の風情を醸し出しています。
館内も昭和そのもの
訪れたのは平日の夕方。電気のついていない館内は薄暗く、人気もなく、一瞬入館を躊躇してしまうほどでした。しかし、入ってみると、人当たりの良いやさしいおじいちゃんが対応してくれ一安心。田舎の親戚の家を訪れたかのような暖かさで迎えてくれます。
そして、館内も外観同様昭和そのもの。現役で使用されている卓球台もあります。温泉+卓球…ザ・昭和の温泉が、そのまま残っています。
浴室も超レトロ
男女別の浴室は内湯のみで、それぞれ浴槽もひとつずつ。5、6人が一度に入れそうな大きさの、楕円形の湯船が良い味出しています。全面タイルの浴室は、程よく色褪せ、館内よりも数倍、昭和感に溢れています。珍しい形のタイル絵は、柏崎の海岸からみた米山?という、新潟県ならではの素敵なものです。密閉された浴室の空間は、空気自体が40年前。一気にタイムスリップできちゃいます。
透きとおるような美しいお湯
楕円形の浴槽のそこからは、絶えずお湯が供給され、その湯量も豊富。無人でも常にオーバーフローしており、湯船のお湯は新鮮そのものです。
泉質は、単純温泉。湯温36.5度とぬるめの源泉を、加温のみのかけ流しで利用。それでもぬるめの設定で、ゆっくり長湯向きです。かすかに硫黄の香りが漂う、透きとおるようなお湯は、薄ーく黄色。単純温泉らしい、トゲトゲ感のないやさしい湯あたりで、ほのかにツルツルする肌触りに癒され、だんだんとお湯にまぐわり、気分まどろむ癒しの湯浴みを堪能できます。