南房総のにごり湯!1日4組限定、こだわりの宿!
[千葉県] 旅館 弁天鉱泉
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
こんにちは。意外と温泉が多い千葉県。都道府県別温泉地数では、トップ10に入るほどです。温泉街を形成しているような大温泉地は少ないですが、静かで落ち着いた、秘湯的な一軒宿が点在している印象があります。今回は、そんな千葉の一軒宿「弁天鉱泉」をご紹介します。
南房総の一軒宿
「弁天鉱泉」は、千葉の内房・南房総市の高台にポツンと佇み、美しい海を一望する一軒宿です。都会の喧騒から離れ、温暖な気候と大自然に囲まれた、なんとも贅沢な空間。そこは、まるで離島にでも来たかのような開放感です。都心からでも、アクアラインを経由して、1時間半ほどで行けるアクセスの良さも、嬉しいところです。
また、1日の宿泊客を4組までに限定し、温泉・食事から、隣の部屋は必ず空き部屋にして、静かに過ごせるよう配慮するなど、こだわりの詰まった「おもてなし」が満載です!
夕食には新鮮な海の幸
房総半島といえば、海の幸も魅力です。夕食には食べきれないほどの、新鮮なお刺身盛りも登場。中でも、伊勢エビをまるまる1匹使った活き造りは感動もの!味はもちろん最高ですが、活き造りだけにまだ生きていて、器から逃げようと、何度も動く姿にはビビリました(笑)。
食事の終盤には、先ほどの活き造りの伊勢エビを使い、美味しい出汁の効いた「味噌汁」が出ます。まさに、海の幸を味わい尽くす料理に、感動しました。
千葉では珍しい「にごり湯」
男女別の内湯は、岩をくりぬいて作ったような浴室に、4人ほどが入れる小さな浴槽がひとつの、落ち着いた雰囲気です。
泉質は、含硫黄-カルシウム・マグネシウム・ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉(低張性 中性 冷鉱泉)。源泉温度が21.4度のため、加温・循環していますが、かけ流し併用で、浴槽のお湯は新鮮です。加水や消毒はなく、源泉の個性を活かすこだわりを感じました。そしてここは、千葉県では珍しいにごり湯。僕が入った時は、薄い乳白色でしたが、エメラルドグリーンやブルーなど、日に何度も色が変わるため「神秘のにごり湯」なんていわれています。しっかりとした硫黄の香りも強く、香りだけなら草津や万座と変わらないくらいの印象でした。肌触りはつるつるすべすべで、肌に吸い付くような、一体化するような感覚が気持ち良いやさしい湯質です。
また、ご主人にお願いすれば、飲泉もできます。薄く甘味、苦味、玉子味のする飲みやすい味でした。
柵のない絶景露天風呂
離れにある露天風呂は、高台から海を望む、柵のない絶景露天風呂です。浴槽が全体でひとつ。男女別ではないため混浴ですが、そもそも4組しか泊まっていないので、ほぼ貸切状態で入れます。お湯は残念ながら温泉ではなく、びわエキス入りの真水ですが、柵のない開放的な景色をの眺めながらの湯浴みは、最高の癒し空間です。