鮮度抜群! 羞恥心MAX! 満願寺温泉・河原の共同湯
[熊本県] 満願寺温泉共同浴場
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
温泉ソムリエのイカ燻です。
泉質に関わらず個性的な温泉に興味があり、噂を頼りにあちこち出没しています。
温泉ソムリエ認定セミナーの東京会場でお手伝いさせていただいています。
ソムリエタオルで鉢巻している私を見かけたら、お気軽にお声掛け下さい。
温泉チャンピオンの郡司先生が最重要視される「温泉の鮮度」は、浴槽の底から直接温泉が湧き出ている足元湧出タイプがベストなわけですが、直接入れるちょうど良い温度で湧いてなきゃいけないわけで、まさに奇跡的な温泉なわけです。 実際に、全国に数千ヶ所ある温泉の中でも、源泉が直接浴槽に湧き出すというのは100ヶ所に1つくらいしかありません。
ですから「足元湧出の温泉がある」と聞けば、多少はハードルが高くても入ってみたくなるのが温泉ファンの性。 熊本県は阿蘇山麓、南小国町にて入浴中の二人の男(個人情報保護の観点から顔にモザイクあり)、幸せそうでありますが、ここにたどり着くにはちょっとした壁がありました。
えっ!? 脱衣所は目隠し無しの路上ですか!?
熊本県の南小国町。 満願寺川沿いにある共同湯です。 川にかかった橋から見ると、雨除けの庇もあり、綺麗に整備された温泉に見えます。 浴槽とほぼ同じ高さの満願寺川は、澄んだ流れの中に川魚が見える美しさ。 螢も有名だそうで、無数の螢が舞う景色を見ながら足元湧出の露天なんて最高ですよね。
ただね、よく見ると奥のお父さん、洗剤つけてお皿洗ってるんですよね。 共同浴場って、浴場と炊事場が共同なんですね(^_^; で、この写真の角度からだと分かり難いですが、右側の旅館静泉荘の前には川沿いの道があり、普通に歩行者やバイクが通行しています。 で、立派な庇はあるんですが、壁はありません。 脱衣所はその道端に籠を置く棚があるだけで、何の囲いも無いのです。
ですから通行人が行き交う中、路上で素っ裸になってから、河原の浴槽へと石段を下りて行くわけです。 これが人通りの無い野湯なら慣れたもんですが、流石に普通の路上で、人前で素っ裸になるのは抵抗があります。 普通なら公然猥褻罪で捕まりそうなもんですよね・・・。
それでも足元湧出の露天の魅力には抗えません。 温泉ソムリエ仲間がいたことも力になって、脱衣籠の棚にくくりつけられた料金箱に300円ほど入れ、路上で素っ裸に。 橋の上から釣りをしていた子供が笑って見ています。 そして落ち着いたそぶりを装いながら、内心は1秒でも早く湯に入ろうと石段を下りて行きます。
入ってしまえば極楽ですわ。 でもその後が・・・
お湯はサラッとした肌触りの弱アルカリの単純泉。 分析書では湧出温度が44℃となっていましたが、もう少し下がっているかもしれません。 足元からプクプク湧き出す源泉も、それほど熱くなかったです。 湯は適温。 ちょっとのぼせたら、冷たい川の水を浸した手拭で鉢巻すれば気分も爽快。 いや~、気持ちいい。
長湯していると、いつの間にかもう一つの浴槽では、お母さんが洗濯を始めていました。「お兄ちゃん達どっから来たの~? こんなとこじゃなくて、あっちの共同湯入ればいいのに。 お金無いの?」なんて言われながら、この解放感を楽しんでました。 ずっと楽しんでました。 のぼせるまで。 できるだけ長く。 だって、ここから上がったら、また素っ裸で路上に出て、服着なきゃいけないんですよぉ・・・。