公共福祉施設に付属する入浴施設、施設内には地元の老人がわんさか、カラオケ等に興じている。入浴客も老人ばかり、私なんぞ、異様に若い利用者で妙に目立つ状態、地方の老人福祉施設というとこんなものなのだろう。
さて、入浴設備であるが、狭い古いときて、無個性。企業の研修施設の風呂みたいなもので、町の銭湯以下。設備が古くとも、狭くとも、泉質が良ければ、温泉としては合格だが、ここはいただけない。吉野川地下２５０メートルから湧出した鉱泉らしいのだが、記載されている強食塩泉の片鱗もない。強食塩泉なら塩味がしてしかるべきだろうが、ただ塩素臭のみ、単純泉ならわからないではないが、完璧に無色無臭の白湯としか認識できない。湯の華のかけらもなし。
浴室は、狭い浴室の奥側にＬ字条に浴槽が配置され、一部ジェットバスとなっている。浴槽に沿ってガラス張りがなされ、景色を見ながら入浴ということになるが、期待しない方が良い。護岸工事済みの吉野川が見えるだけ。
狭く古くとも、天然温泉なら惜しくないと思って入浴したが、この内容で５００円は高い。まあ、福祉施設であるし、以前は強食塩泉であったが、現在は泉源が枯渇したため平凡な湯になったと善意に解釈しておこう。