@nifty温泉 - 「ここだけ」のおもてなしで心地よさを楽しむ温泉特集

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夢古道（ゆめこどう）おわせ/夢古道の湯三重県／熊野・尾鷲エリア

熊野古道　夢古道の湯

温浴施設を楽しむとき、施設から受ける印象は重要なポイント。旅全体の印象が左右されることもしばしばです。世界遺産　熊野古道という格好の観光資源を後背地にもつ温浴施設をたずねてみると、実は観光だけではない、「ここだけ」のおもてなしが人気をよんでいました。

熊野古道に沿う立地

夢古道の湯　外観

名古屋から特急で2時間程、八鬼山（やきやま）の山裾にある「夢古道（ゆめこどう）おわせ」が今回伺った温浴施設。
この「夢古道おわせ」は、2004年に世界遺産に認定された「熊野古道」の伊勢路にあたるこの地に県が設立した「熊野古道センター」の一角に設けられています。

熊野古道センターには、温浴施設の他にもレストランや土産物販売を行う古民家を移築した「物産館」があり、熊野古道の魅力を存分に楽しむことができます。

海洋深層水と世界遺産に癒される

この温浴施設の最大の特徴は、地元ならではの素材を活用したお風呂。
なんと、こちらのお風呂は、地元に取水施設のある海洋深層水や、世界遺産の熊野古道のひのきが利用されているのです。

海洋深層水はミネラルが豊富といった特長がある上、ここではさらにその海洋深層水を脱塩したものを東北大学との研究で、最も冷めにくい率で希釈しています。美肌効果、保温保湿効果が期待でき、人によっては肌疾患に合うともいわれるそうです。

また、風情ある信楽焼の壷湯で作られた露天風呂では、脱塩、希釈した海洋深層水を、電気分解して、それぞれ酸性、アルカリ性に調整してあります。
酸性の湯は除菌効果があり、少しチクチク感のある湯が、ちょうどよい肌への刺激になります。
アルカリ性の湯は、まろやかでやわらかく、肌に優しい感触が楽しめます。

信楽焼の壷湯
尾鷲ひのきをふんだんに使った脱衣所

熊野古道

そして、さらに驚きなのが、世界遺産のお風呂！こちらでは、贅沢にも世界遺産「熊野古道」のひのきを浮かべたお風呂が楽しめるのです。

尾鷲ひのきは、世界遺産である熊野古道が縫うように伝う山々に植栽して育てられます。
なぜ、この贅沢なひのきがお風呂に使えるのか。
その秘密は、今の日本の林業が抱える問題と、それに対する、ここ「夢古道おわせ」の取り組みにあるとか。
どんな取り組みなのか、「夢古道おわせ」の店長、伊東さんに聞いてみました。

@nifty温泉編集部が、施設の方に突撃インタビュー

「夢古道おわせ」店長伊東将志さん

お答えいただいたのは、
「夢古道おわせ」店長伊東将志さん（写真）

編集部 （以下略）: 手入れされない放置林のため、山が荒れていくという問題があると聞きました。

伊東さん: 温浴施設がオープンして間もなく、間伐材の活用の相談を受けました。
そこで、丸太ごと風呂に浮かべたらおもしろいんじゃないかと思い、父の日にやってみたところ、評判がよかったんです。温浴施設とは無縁だったからこそ考えついたのかもしれません。

: 問い合わせが殺到したとか？

伊東さん: マスコミに取材されたこともあって、世界遺産風呂として評判を呼び、他の温浴施設からも問い合わせが相次ぎました。その結果、今は、全国30都道府県、60の温浴施設にひのきを出荷しています。

: 昨年も新たな取り組みを始められたそうですね。

伊東さん: 敬老の日に向け、子供たちからありがとうメッセージを募集して、それを99枚のコースター状のひのきに書いて、当日、浮かべたんです。
『世界遺産の森で育った入浴木につづる100のありがとう風呂』と名づけました。
99枚なのは、最後の“ありがとう”は、直接伝えて欲しいという思いです。これは全国12の施設で同様に実施してもらうことができました。