故 東野英心さんも愛した旅館。名胡桃城と対峙する城跡に建ち、歴史ファンにもおすすめ。眼下に見える田園風景や山並みの景色が最高。
[群馬県] みねの湯 つきよの館
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
温泉ソムリエ(分析書マスター)、温泉ソムリエ検定合格。温泉観光実践士。
群馬県みなかみ町の温泉(みなかみ18湯)を中心に温泉めぐりしています。
みなかみ町の温泉地を舞台にした漫画「泉極志」のファン。
泉極志:http://sen-goku-shi.com/
Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCxBb__sYJnGsSGH59Vm-qWg
群馬県みなかみ町の月夜野地区は、月が綺麗なことで有名です。
源順(みなもとのしたごう)という三十六歌仙の一人が、この地を訪れたときに深い感銘を受けたことが地名の由来になっているそうです。
現在は温泉名や施設名に名前が残るのみですが、"つきよの"という響きに思いを馳せた人が今も訪れるそうです。
都心からも2時間ちょっとの、アクセスも良い地域です。
月が綺麗に見えるということは、昼間の景色も綺麗なんだろうなぁと思い、今回は「みねの湯 つきよの館」を訪ねて日帰り入浴をしてきました。
また、俳優 故 東野英心さんも常連客でよく訪れたそう。
自身の書いた舞台脚本「本陣の定休日」では、つきよの館と女将がモデルになっているということで、
東野英心さんのファンでもあり、偲びながらゆっくり温泉に浸かろうと思いました。
静かで落ち着いた、木と白が基調の館内
ロビーは静かで落ち着いた雰囲気でした。
物腰の柔らかい女将さんと、応対のいい従業員の方が迎えてくれました。
以前宿泊した人がある方からは、心遣いが行き届いていて感動したと聞いていたので、さすがの対応でした。
今回の利用は、日帰り入浴。大人480円。
食堂を抜けたところにお風呂があるとのことで、さっそく向かいます。
食堂からの眺めが良い
途中に食堂の脇を通りますが、眼下には田園と町並み、遠くには大峰山と谷川岳が見えました
旅館が高台に建っているので、パノラマ的に景色が広がります。
食堂からの眺めが好きな方もいるそうで、宿泊して食事をしながら景色を眺めたくなりました。
いよいよ温泉へ
いよいよ目的の温泉です。大浴場の浴槽は広く、20人くらいは入れそうでした
pH9.2のアルカリ性単純温泉。4大美人泉質の1つ(クレンジング効果)として女性にも最適です。
pH8.5以上のアルカリ性単純温泉は、古い角質を落として肌がツルツル・すべすべになる効果が高いといわれています。
クセもなく、子供からお年寄りまで安心して入れるお湯でした。
この日は天気も良く、眼下の景色を見ながらの入浴は最高の癒やしでした。
左側が大峰山、中央の奥が谷川岳になります。雪が降る時期は、雪景色を見るのもいいですね。
建物が西に向いているので、建物の正面に月が来ることがあります。
時期と時間帯を狙う必要がありますが、月夜野という名前の通り綺麗な月を見ながら、源順の見た月に思いを馳せるのもいいなぁと感じました。
旅館の裏手にある明徳寺城址を散歩してみた
城址内に旅館が建っているということだったので、入浴後に駐車場から行ける明徳寺城址を散歩してみました。
敵の侵入を防ぐように竹が生い茂った堀があったり、高い土塁が当時の原型をしっかりと残していました。
規模は小さいものの、たくさんの兵が入れるような、拠点としての役目をする城だったようです。
このまま史跡として綺麗に整備し、残して欲しいですね。
真田氏が利根川西岸の名胡桃城や小川城を攻め落とした時に、北条氏側が対峙するために構築した城でした。
歴史に興味がある人であれば、温泉に入りながら歴史に思いを馳せることもできます。
(名胡桃城は、秀吉が小田原城攻めを決めるきっかけになった城でもあり、歴史的にも天下が統一される時期に関わった場所として有名)