自動車整備工場に温泉!?
[青森県] 光風温泉
今回の温泉探訪記ガイドはこの人
東京生まれ。温泉ソムリエ(マスター)。
交通事故の後遺症のリハビリで湯治を体験し、温泉に目覚める(知床にて、車でヒグマに衝突し頚椎骨折)。現在、総入湯数は1,500以上。
青森県つがる市。近隣の五所川原市や板柳町を含め、温泉銭湯のひしめき合う地域です。東京でコンビニを探すぐらい、簡単に温泉銭湯が見つかります。その中でもトップレベルの人気を誇るのが、今回ご紹介する「光風温泉」。琥珀色でツルヌル感のある温泉がかけ流し!そんなお湯自慢の名湯は、自動車整備工場の中にあります。
つがる市の住宅街
「光風温泉」は、つがる市の住宅街の中。最寄駅のJR五能線・木造駅から800メートルほどと、意外と駅近の立地です。
この日は、車で湯めぐり中。スマホのマップをカーナビ代わりに、光風温泉へと向かいます。しかし、ナビが目的地に到着しても温泉らしい施設はなく、そこのあるのは自動車整備工場。なので素通りし、もう一回り。やはり目的地と示される、自動車整備工場へ恐る恐る入ってみます。すると大きな整備工場の左隅に、小さく「光風温泉」の文字を発見。やっとの思いで館内へ。知らないと素通り必至な温泉です。苦労して見つける温泉は、また格別なものでもあります。
床暖完備の館内
工場チックな玄関から、中に入ると雰囲気は一転。フローリングの明るい休憩所が広がる、アットホームな雰囲気です。お伺いしたのはちょうど夕食前の時間。老若男女、地元の方々で賑わっていました。
浴室は休憩所の奥。昔ながらの番台スタイルの脱衣所ですが、内装・設備は新しく、床暖も完備する充実ぶり。これで湯冷めの心配もありません。
素朴なタイル張りにオレンジの壁と恵比寿様
浴室は縦に長く、浴槽も縦長。手前の湯口付近はかなり熱めで、奥は少し熱め(それでも常連さんはぬるめと言う)になっています。銭湯らしい素朴なタイル張りの床に、オレンジの壁が独特の雰囲気で、ペンキ絵は恵比寿様。東京では富士山が一般的ですが、青森では、地域独自のスタイルが発展しているようです。
琥珀色のヌルツル食塩泉
地域の温泉銭湯ですが、日本全国からファンが訪れる光風温泉。その人気の秘密はやはり「お湯」にあります。
泉質は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。琥珀色をしたお湯は、ツルツルヌルヌルの肌触りでトロトロフワフワ!成分総計9.928グラムと、浴感としては程よく濃い目です。この濃さは、みそ汁と同じぐらいのため、飲んでみると程よい塩ダシ味でガブガブいけ、素直に美味しいと感じました。もちろんかけ流しの源泉は、フワーっとモールの芳香が漂い、新鮮さも抜群!シャワーもカランも温泉で、再訪必至な、つがるの名湯です。