作成日:2024年04月08日
源泉数ランキングベスト10!贅沢な源泉かけ流しが楽しめる温泉施設もご紹介 全国
世界屈指の温泉大国と言われる日本。温泉が湧出する3つの条件である「熱源」「地下水」「断層(温泉が地表に湧き出す経路)」全てにおいて、日本は地学的に大変恵まれています。
今回は、都道府県別に温泉の源泉数をランキング形式でご紹介。また、各県別の温泉地の傾向や特色、贅沢な源泉かけ流しが楽しめるおすすめ温泉施設も併せてご紹介します!
今回は、都道府県別に温泉の源泉数をランキング形式でご紹介。また、各県別の温泉地の傾向や特色、贅沢な源泉かけ流しが楽しめるおすすめ温泉施設も併せてご紹介します!
源泉とは?
源泉とは、簡単に言うと「地中から水(温泉)が湧き出てくる場所」のことです。冒頭でも申した通り、日本は地学的に温泉湧出の点において大変恵まれており、日本の源泉総数は27,932本※。これは世界一を誇ります。
※令和5年3月末現在の情報です。
源泉と天然温泉の意味の違いは?
源泉と天然温泉の意味の違いとは、まずは浴槽での温泉の使い方からお話しなくてはなりません。温泉の使用方法は大きく分けて、源泉かけ流しと循環ろ過式に分かれます。
簡単に言えば、源泉かけ流しとは、新しい源泉を常時浴槽に注ぎ続けている状態のこと。循環ろ過式とは、一度湯船で使用した温泉を循環・ろ過・加温して再使用することです。一方で天然温泉とは、温泉法の基準を満たす地中から湧出した温水や鉱水などを指します。
つまり、循環ろ過式の天然温泉も世の中には数多く存在します。源泉かけ流し・循環ろ過式にはそれぞれメリット・デメリットがあり、どちらが良いとは一概に断定できません。しかし、温泉そのものを楽しみたい方や泉質による薬理効果を期待して療養したい方には、源泉かけ流しの方がおすすめです。
源泉数ランキングベスト10&おすすめ温泉施設を一挙ご紹介!
では、都道府県別の源泉数ランキングべスト10を発表します!
※データは、環境省「令和4年度温泉利用状況」(令和5年3月末現在の情報)によります。
第1位:大分県(源泉総数5,090本)
日本で一番源泉本数が多い都道府県は「大分県」です。5,000本強の源泉数があるため、結果として日本全体の2割弱の源泉が大分県に集中していることになります。
飛行機上空から一望する別府温泉郷全景
温泉地別で日本第1位の源泉総数を誇る「別府温泉郷」と同第2位の「湯布院温泉」の二大温泉地を有し、これがランキングに大きく影響。しかし、県庁所在地である「大分市」や国立公園を有する「九重町」なども日本屈指の源泉数を誇ります。また泉質は全10種類のうち、8種類を大分県内で確認。名実ともに日本屈指の“おんせん県”と言えるでしょう。
大分県が初めての方で温泉を巡るなら、まずは別府温泉郷がおすすめ。市内のほぼ全域に温泉が点在し、大きく分けて「別府八湯」と呼ばれる8か所の温泉地に分類されます。
・鉄輪温泉 ひょうたん温泉 / 大分県別府市
別府八湯の一つの「鉄輪(かんなわ)温泉」にある「ひょうたん温泉」は、この地を代表する日帰り入浴施設です。
ひょうたん温泉名物の19条の打たせ湯
“湯雨竹(ゆめたけ)”という冷却装置で100度近い源泉を冷まし、加水なしの源泉100%かけ流しを実現。また、名物である19条の打たせ湯をはじめ、蒸し湯・砂湯・飲泉・温泉吸入(温泉蒸気を吸う設備)まで揃い、まさに別府温泉の底力を感じさせる温泉施設です。
■日帰り入浴時間:9時~深夜1時
・七里田温泉 下湯 / 大分県竹田市
七里田温泉「下湯」は、2023年7月にリニュアルオープン
また、大分県で特に注目すべき施設が、七里田温泉「木の葉の湯」の別館的存在である「下湯」。2023年7月に全面リニューアルオープンし、温泉通から“日本一の炭酸泉”と呼ばれる名湯です。浸かった途端、全身に炭酸による銀の泡に包まれ、貴重な体験ができます。
■日帰り入浴時間:9時~21時(最終受付20時30分)
第2位:鹿児島県(源泉総数2,738本)
続いて、日本で二番目に源泉本数が多い都道府県は「鹿児島県」です。
鹿児島県には霧島温泉や指宿温泉といった有名温泉地もありますが、県内各所には無名ながらも温泉地が点在。また離島にまで温泉があり、遠隔地ながらも全国各地から熱心な温泉ファンが集まる地です。
・硫黄谷温泉 霧島ホテル / 鹿児島県霧島市
混浴の「硫黄谷庭園大浴場」
鹿児島県で湯量豊富さを特に実感するのが、霧島温泉郷にある「霧島ホテル」。混浴の「硫黄谷庭園大浴場」では、奥行き25mある大空間に複数の源泉をドバドバと投入。湯量は毎分約10t! まるで草津温泉の湯畑にそのまま浸かるかのような豪快な湯浴みを楽しめます。
■日帰り入浴時間: 11時~18時(受付終了17時。状況により早めに終了する場合が有り)
・江ノ島温泉 / 鹿児島県垂水町
江ノ島温泉
また、温泉通の間で特に評判が高い施設が「江ノ島温泉」。遠隔地ながらも日本全国から熱心な温泉ファンが集まる共同浴場です。肌触り滑らかなアルカリ性単純硫黄泉が惜しげもなくドバドバとかけ流され、爽快な湯浴みを楽しめます。
■日帰り入浴時間:8時30分~21時
第3位:北海道(源泉総数2,229本)
三番目に源泉本数が多いのは「北海道」。
北海道は日本の総面積の2割以上を占め、源泉総数ランキングとしては順当の結果と言えるでしょう。温泉地数では日本第1位で、登別温泉や定山渓温泉などの有名処から大自然溢れる秘境まで選択肢豊富。他では決して味わえない独自の風情を楽しめます。
・オーロラファームヴィレッジ / 北海道標茶町
北海道東部、釧路湿原国立公園内にある「標茶(しべちゃ)温泉」は一般的には有名ではありませんが、実は温泉地別自噴湧出量で日本屈指の豊富な湯量を誇ります。
オーロラファームヴィレッジの混浴露天風呂
「オーロラファームヴィレッジ」は、標茶町の山間にひっそりと佇む秘境。泉質は琥珀色のモール泉で、遠隔地ながらも北海道ならではの雄大な自然と良質の温泉を求めて、全国から温泉ファンが訪れます。
■日帰り入浴時間:10時~18時(毎週火・水曜定休。水曜日は16時~立ち寄り湯受付)
※毎年12月1日~4月19日は冬季休業
・十勝岳温泉 湯元凌雲閣 / 北海道上富良野町
十勝岳温泉「湯元凌雲閣」は、北海道では最高所(標高約1,280m)にある温泉宿。冬季も休まず営業しています。
十勝岳温泉「湯元凌雲閣」の男女交代制露天風呂
周囲は亜寒帯地方特有の針葉樹林に囲まれており、本州とは全く異なる大自然を体感。2本の泉質が異なる源泉を所有し、メインの源泉は赤褐色のにごり湯ながらも保湿系の美肌湯。泉質の良さも見逃せないポイントです。
■日帰り入浴時間:8時~19時(最終受付18時30分。不定休)
第4位:静岡県(源泉総数2,209本)
四番目に源泉本数が多いのは「静岡県」。
温泉地別で日本第3位の源泉総数「伊東温泉」と同第4位の「熱海温泉」の二大温泉地を有しているのが、ランキングに大きく影響しています。静岡県では伊東・熱海を含む伊豆半島に多くの温泉地が集中していますが、富士山周辺や県中西部にも温泉地が点在しています。
・伊東温泉 東海館 / 静岡県伊東市
伊東温泉は東京の奥座敷ともいえる大温泉地ですが、市街地には10か所程度の共同浴場が点在。気軽に外湯めぐりを楽しめる温泉地です。街と温泉文化が融合しているという点において大分県の別府温泉と共通する部分があり、共同浴場がお好きな方におすすめです。
東海館(写真左の建物)
「東海館」は伊東市指定有形文化財の名建築ですが、日帰り入浴も可能。泉質はアルカリ性単純温泉で、程好いスベスベ感が汗をサッパリと流してくれます。建物内の見学のみも可能で、伝統的な日本建築美と源泉かけ流し温泉双方を楽しみたい方におすすめです。
■日帰り入浴時間:11~19時 ※土日祝日のみ入浴可能
・湯ヶ島温泉 河鹿の湯 / 静岡県伊豆市
湯ヶ島温泉は伊豆半島のほぼ中央部にあり、山間の閑静な温泉地。川端康成など多くの文学者がこの地を訪れ、文学ゆかりの湯として知られています。
河鹿の湯 男性用内湯
「河鹿の湯」は、この地で古くから愛される共同浴場。男女別の小ぶりな内湯があるだけですが、最大の魅力が泉質の良さ。典型的な硫酸塩泉(石膏泉)の美肌湯で、浴後はしっとり&スベスベお肌へと導いてくれます。
■日帰り入浴時間:13時~22時(最終受付21時30分)
第5位:熊本県(源泉総数1,334本)
五番目に源泉本数が多いのは「熊本県」。
源泉総数日本第1位の大分県と同2位の鹿児島県に挟まれてやや目立ちませんが、実は県内の広い範囲に温泉地が点在。黒川温泉や平山温泉など近年人気の温泉地を有し、阿蘇や天草をはじめとした山と海の観光地が充実している点が特徴です。
・黒川温泉 旅館山河 / 熊本県南小国町
黒川温泉は、阿蘇外輪山の北端近くに位置する山間の温泉地。“黒川調”と呼ばれる和モダンな佇まいが特徴で、全国の温泉地のモデルケースになったと言われています。
旅館山河の混浴露天風呂
「旅館山河」は、黒川温泉の西端にある一軒宿風の秘湯の宿。2本の自家源泉を所有し、内湯と露天風呂で別々の源泉をかけ流しで使用。露天風呂では四季折々の風情の移ろいを感じながら入浴を楽しめます。
■日帰り入浴時間:8時30分~21時
・山鹿温泉 新青山荘 / 熊本県山鹿市
熊本県で湯量の豊富さを実感するのが「山鹿温泉」。山鹿市街地には、日帰り温泉施設やホテルが点在。“山鹿千軒たらいなし…”と唄われるほどの湯量を持ち、加水することなく源泉を贅沢にかけ流し可能な点が特徴です。
新青山荘の男性用内湯
「新青山荘」(しんせいざんそう)は。九州を縦断する国道3号線沿いにあるビジネスホテル。男女別の内湯が各一か所有るだけですが、これでもか!と惜しげもなく源泉を投入。泉質は、アルカリ性単純温泉。ややぬるめのフレッシュな美肌湯を存分に満喫できます。
■日帰り入浴時間:13時~17時
※入浴時間は変更になる場合が有るので、事前に電話確認が望ましいです。
第6位:青森県(源泉総数1,087本)
六番目に源泉本数が多いのは「青森県」。
本州最北端にあって三方海に囲まれた青森県は、県内各所に温泉地が点在。酸ヶ湯温泉などの山の湯治場から下風呂温泉などの海辺の名湯までバリエーション豊か。濃厚で個性的な泉質を持つ温泉施設も多く、全国の温泉ファンに熱く支持されている温泉県です。
・蔦温泉 / 青森県十和田市
蔦温泉(つたおんせん)は、十和田八幡平国立公園内に位置する自然豊かな一軒宿。周辺は手付かずの広葉樹林に囲まれ、四季折々の大自然を感じさせる地です。
蔦温泉 男女交代制内湯「久安の湯」
蔦温泉では男女別の内湯(泉響の湯)・男女入替制の内湯(久安の湯)・貸切風呂がありますが、特筆すべきは全ての浴室が源泉の底から温泉が自噴する「足元湧出温泉」である点。地中から生まれたての生源泉が湯船の縁から滔々と溢れ出し、湯量豊富さを実感。まるで身も心も浄化してくれるかのごとく、至福の気分へと導いてくれます。
■日帰り入浴時間:10時~15時(最終受付14時30分)
第7位:長野県(源泉総数959本)
七番目に源泉本数が多いのは「長野県」。温泉地数では北海道に次いで日本第2位です。野沢温泉や湯田中渋温泉郷などの歴史ある温泉街を持つ温泉地から中房温泉や高峰温泉といった一軒宿の秘湯まで、バリエーションが大変豊富。中日本屈指の温泉県と言えるでしょう。
・白骨温泉 泡の湯旅館 / 長野県松本市
白骨温泉は長野県のほぼ中央、標高約1,400mの高地にあり、この地を代表する人気温泉地。名前の如く白い骨の様に、綺麗に白濁した硫黄泉は温泉情緒たっぷりです。
※源泉の状態により、白濁しない場合もあります。
泡の湯旅館の男女別内湯
「泡の湯旅館」は白骨温泉を代表する名旅館。特に有名なのが混浴露天風呂。年間を通じて多くの入浴客が訪れます。また泉質重視の方なら、男女別内湯にも注目。白骨温泉の中でも泡の湯の源泉は比較的炭酸含有量が多く、硫黄の香りに包まれながら炭酸の泡付きを楽しめます。
■日帰り入浴時間: 10時30分~14時(最終受付13時30分)
第8位:福島県(源泉総数801本)
八番目に源泉本数が多いのは「福島県」。
東北地方最南端、関東地方にも隣接する福島県も日本屈指の温泉県です。飯坂温泉やいわき湯本などの大温泉地から秘湯発祥の地とも言われる二岐(ふたまた)温泉など、温泉地のバリエーションが豊富。また泉質も多彩で、お好みによって数多くの選択肢が可能です。
・高湯温泉 旅館 玉子湯 / 福島県福島市
高湯温泉は、日本で9番目に「源泉かけ流し宣言」を行った泉質自慢の温泉地。山深き地ですが通年営業しており、福島市中心部からバスで行ける点も大変便利です。
旅館 玉子湯の男女交代制露天風呂
「旅館 玉子湯」は高湯温泉を代表する旅館の一つ。チェックイン前の短い時間のみ日帰り入浴可です。日本屈指の硫黄含有量を誇り、硫黄成分で青白濁したお湯が印象的。酸性泉にしては比較的まろやかな肌触りで、硫黄好きの方には特におすすめの温泉です。
■日帰り入浴時間:11時~14時(最終受付13時30分)
第9位:宮城県(源泉総数742本)
九番目に源泉本数が多いのは「宮城県」。このうちの約半数は県北部に位置する「鳴子温泉郷」が占め、ランキングに大きく影響しています。この他にも“仙台の奥座敷”と称される秋保(あきう)温泉や作並温泉をはじめ、小規模な温泉地も県内各所に点在しています。
・東鳴子温泉 高友旅館 / 宮城県大崎市
宮城県の温泉が初めての方なら、やはり鳴子温泉郷は外せない存在でしょう。温泉郷のうちの1つである東鳴子温泉は、湯治色たっぷりの閑静な温泉地。個性的な泉質を持つ宿が多く、単に湯治客だけでなく、コアな温泉ファンにも愛される存在です。
高友旅館 黒湯(混浴内湯)
中でもその代表格といえるのが「高友旅館」。4つの異なる源泉と7つの湯壷があり、館内だけで湯めぐり可能。特に混浴の「黒湯」は泉質の濃厚さで知られ、まるで道路工事のアスファルト舗装の様なアブラ臭(石油臭)が強烈。ガツンと温まる泉質でもあるので、やや短めの入浴を心掛けた方が良いでしょう。
■日帰り入浴時間:10時~16時
第10位:栃木県(源泉総数631本)
10番目に源泉本数が多いのは「栃木県」です。
栃木県は鬼怒川温泉・那須温泉郷・塩原温泉郷など有名温泉地が多く、首都圏からのアクセスが比較的良いこともあり、大変人気が高い温泉県です。また泉質の種類も豊富で、関東近郊で本格派の温泉をお探しの方におすすめでしょう。
・塩原元湯温泉 ゑびすや / 栃木県那須塩原市
塩原温泉郷は約1200年の歴史を誇り、現在も約60軒の宿が点在する関東屈指の温泉地。多彩な泉質が楽しめる上に濁り湯も多く、本格的な温泉を楽しめる東京から最も近い温泉地の一つと言えるでしょう。
ゑびすやの混浴風呂。左が「梶原の湯」、右が「弘法の湯」
温泉地のひとつである塩原元湯温泉には、3軒の個性的な湯宿があります。そのうちの「ゑびすや」は最も質素な宿ですが、泉質面では決して見逃せない存在。中でも混浴風呂では温度差のある2つの源泉(梶原の湯・弘法の湯)を別々の湯船で使用。いずれも濃厚な硫黄泉であり、泉質の良さを求める方におすすめです。
■日帰り入浴時間:10時30分~14時(最終受付13時30分)
自らの好みに合った温泉を楽しもう!
以上、「都道府県別源泉数ランキングべスト10」をご紹介させて頂きました。
肝心なのは、このランキングはあくまで数字上の話であり、温泉の優劣を競ったものではありません。
肝心なのは、このランキングはあくまで数字上の話であり、温泉の優劣を競ったものではありません。
今までご紹介した10道県は全て日本屈指の温泉地帯であり、どの地域を選んでも源泉本来の良さを感じ取れる温泉施設があります。自らのアクセスのし易さや好みと照らし合わせて、思い思いの温泉入浴を楽しんで下さいね!
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