ココロとカラダをととのえる“暮らしの主人公Stories”

愛媛の人たちに最先端の温浴サービスを

JR松山駅前という便利な立地にあり、温泉やサウナ、岩盤浴など、さまざまな温浴が楽しめる人気施設「伊予の湯治場 喜助の湯」。今回はこちらのマネージャーであるキスケ株式会社 臼意 卓さんにインタビュー。

温浴施設を運営するうえで大切にしているポイントやスタッフ、家族、地域への想いなどのほか、心身をリセットするスイッチとして毎日にように利用しているサウナへのこだわりについてもたっぷりと伺いました。

Profile

臼意 卓 うすい すぐる

伊予の湯治場 喜助の湯 マネージャー

学生時代からキスケBOXの食堂でアルバイトとして従事。大学卒業後も同施設内にある「キスケのゆ松山駅前店(現在の『伊予の湯治場 喜助の湯』)」にPA(パート・アルバイト)として入社し、1年半後に正社員として登用。約4年間経験を積んだ後、前マネージャーの定年退職に伴いマネージャーに就任。4児(12歳、10歳、7歳、5歳)の父。

INDEX

お客さんに直接関われる面白さ

愛媛大学への入学を機に松山に来たのですが、ちょうどそのタイミングでJR松山駅前に「キスケのゆ松山駅前店(現在の『伊予の湯治場 喜助の湯』)」が入る複合施設「キスケBOX」がオープン。そのなかの食堂で調理のアルバイトを始めました。

大学は夜間主コースだったので、週に5回、5~6時間勤務するというアルバイト中心の生活。大学生というよりも社会人予備部軍のような暮らしをしながら6年半かけて大学を卒業しました。時期的なものもあり、就職をせずにそのままアルバイトを続けていたところ、当時の「キスケのゆ」のマネージャーに声を掛けていただき、温浴施設へ異動。その後正社員に登用され、現在に至ります。

現在はマネージャーとして取材対応なども担当
マネージャーとして取材対応なども担当(ご本人提供)

出身は宮崎県なのですが、小学生の頃まではスーパー銭湯発祥の地といわれる愛知県で過ごしていました。当時はスーパー銭湯ブームで盛り上がっていたこともあり、父に連れられてよく通っていて、温浴施設はとても身近な存在でしたね。

それまでの調理場の仕事と違って、温浴施設では直接お客様とコミュニケーションできるのが新鮮。常連さんは週7回、家にお風呂があっても毎日来店してくださるので、顔や名前をお互いに覚えて会話するような関係になる人も出てきました。

また、そういった経験を積み重ねていくうちにお客様の行動を観察するようになり、「言われてから動くのではなく、プロならば何を求めているのかを先読みしてサービスを提供するのが当然」という意識を持つようになっていきましたね。

サウナブームにどっぷりハマる

ここ最近のサウナブームですが、私もどっぷりハマっていまして(笑)、数少ない趣味の1つになっています。温浴施設で働いている特権で無料で利用できるので、休日以外は毎日利用していますよ。末永くサウナを楽しんでいくために意識しているのは、サウナも水風呂も体調に合わせて使うこと。何分入るかは特に決めず、そのときの気持ちのいい範囲に留めるようにしています。

また、視察半分、楽しみ半分でサウナ好きな社内のメンバーと「サウナ旅」に行くこともありますね。つい先週も同僚4人で高知まで行ってきました。私にとってサウナは自分をリセットするスイッチ。スタッフからは「ちょっとおかしい」と言われますが、仕事終わりにサウナに入ると、すぐにまた1日分働けるくらいの気持ちになれますよ。

同僚と一緒にサウナ旅行
同僚と一緒にサウナ旅行(ご本人提供)

このサウナの魅力をより多くの人に伝えたくて「伊予の湯治場 喜助の湯」では、お子様のサウナ利用も大歓迎。サウナ愛好家の裾野を広げるために「親子で楽しめるサウナ教室」や「チビッコ熱波師体験」などを実施し、親子どちらにも喜んでいただいています。

私の好きな熱波師の1人が井上勝正さんです。以前、インタビューした際に「井上さんにとっていいサウナとは何ですか」と聞くと、「いいサウナとは、近所のサウナ」と返ってきました。すぐに行けて習慣化できる施設がベストだという意味で、とても心に響きました。地域のお客様に「そんな施設が喜助の湯で良かった」と思ってもらえるようにするのが個人的な指針にもなっています。

地域との協業はWin-Winが絶対条件

愛媛という地域に根ざして発展してきた「喜助の湯」では、何か新しいものを取り入れる際にはできる限り地元のものを選ぶようにしています。たとえばサウナストーンは今治市にある老舗の窯元「菊貞」が手掛ける伝統工芸品の菊間瓦を、セルフロウリュのアロマ水には内子町産のじゃばらという柑橘類のエキスを採用する企画を実施しました。

菊間瓦のサウナストーンを手に
菊間瓦のサウナストーンを手に(ご本人提供)

また、地元の名産品である柑橘のフードロス削減という観点で、愛媛大学法文学部の和田ゼミナールとコラボした「SDGsなみかん風呂」という取り組みも行っています。

このような地域の企業や団体との協業を行う際に注意しているのは、自分たちだけが得をするのではなく、必ずお互いに利があるようにすること。金銭面に限らず、先方の露出が増えたり、話題が提供できたりする機会を増やして地元を盛り上げていきたいというのが想いです。

スタッフにも家族と同じ愛情を

家に帰ると4人の子どもたちが待っています。現在は上から12歳、10歳、7歳、5歳。自転車に乗り始めた子どもとサイクリングをしたり、飼っている犬を連れてドッグランに行ったりと、休日はできるだけ一緒に過ごすようにしています。店舗で実施しているイベントに子どもたちが来ることもしばしば。特にビンゴ大会は毎週のように参加していますよ。父親が働いている姿を気軽にみせられるのはとてもいいことですね。子どもたちには数も量も、さまざまな遊びを本気で体験して、自分なりの楽しさを見つけ、自分に合った道を進んでいけるようにサポートしていきたいと思っています。

また、施設ではマネージャーという立場なので、施設のスタッフにも家族と同じように愛情を持って接するのがポリシー。優しすぎることもあるかもしれませんが、ときには厳しく、本人のためを思って言うべきことはハッキリと伝えています。

スタッフにも家族と変わらぬ愛情を
スタッフにも家族と変わらぬ愛情を(ご本人提供)

そういった態度が受け入れてもらえているのか「頑張ることが楽しめるような雰囲気の良い職場になっている」と言ってくれるスタッフもいますね。

地域の人たちの喜ぶ姿が生まれる場所を広げていきたい

「地方では受けにくい、流行の先端を行くサービスを愛媛で提供する」というのが私達の使命。大都市など、ほかの地域で成功しているモデルをいち早く導入すべく、常に情報のアンテナを張り、各地の気になる施設に足を運んでチェックするようにしています。

たとえば、アウフグースは2016年に取り入れたのですが、当時の四国にはまだ根付いていない状態。関心の高い一部のお客様にだけ大変喜んでいただいた記憶があります。もともとは「熱波甲子園」を見に行って、そのレベルの高さを痛感したのが発端。「アウフグースを提供する前提でスタッフを雇っていない」「スキルを身につけるにも時間が掛かる」「そもそもお客様も慣れていない」といった条件下でしたが、設備的には可能なので、自ら率先してスタッフとともに定期イベントにしました。また、わざわざ東京や大阪に出向かなくても愛媛のお客様に体験していただけるようプロ熱波師を招いて熱波イベントも開催しています。時間はかかりましたが、現在は定着。定期的にプロ熱波師のアウフグースを開催する愛媛県唯一の施設として愛好家の方には認識いただいています。

いまのところ温浴事業は「伊予の湯治場 喜助の湯」「しまなみ温泉 喜助の湯」の2施設で展開していますが、このエリアで温泉やサウナを盛り上げるには、まだ数が足りていなませんね。今後、3号店、4号店と増やして「喜助の湯」のアイデンティティが増えることによってクオリティも高められるはず。それが愛媛ではなく四国のどこかかも、瀬戸内海を渡るかもしれませんが、地域の人たちの喜ぶ姿が生まれる場所をさらに広げていくのが目標です。

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※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません

提供元:伊予の湯治場 喜助の湯

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