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【薬膳レシピ】vol.6人参のラぺ&スムージー「啓蟄」

季節に合わせて生きることは、自分らしく生きること─。このコーナーでは、国際中医薬膳師・国際中医として活動しながら、さまざまな「食」に関するプロデュースもされている小池美枝さんに、各季節にあわせた、さまざまな薬膳レシピをご紹介いただきます。

INDEX

こんにちは。薬膳料理研究家の小池美枝です。いよいよ春到来。三寒四温で、まだ寒い日もありますが、日差しは春の光になってきましたね。お日様の下、動ける体をつくっていきましょう。

1. 二十四節気の暦では、3月初旬は「啓蟄(けいちつ)」

「啓」は開くとか開放する という意味が、「蟄」は、虫が冬の間、土にこもるという意味がそれぞれあって、いよいよ春の到来を感じて、虫たちが土からでてくる季節です。人も自然の一部なので、 私たちもむくむくと、動き出すのにいい季節ですね。

そんな季節に必要なのは、「血」です。血が身体をあたため、筋肉を潤して動ける身体にしてくれます。反対に、春に血が足りていないと、動いてみたものの足がつってしまった~なんてことにもなりかねないので、「血」をつくってくれる献立を2つご紹介します。

春に必要な血をつくってくれる頼もしい食材が、人参。そう、オレンジ色のキャロットです。

人参には、薬膳的にいろいろな働きがあって、毎日でも食べてほしい食材です。ここで、人参の働きをご紹介していきます。

◇補血・・・身体に必要な血を補う
◇滋陰・・・身体 の中の潤いを補う
◇健脾・・・お腹の調子を健やかにしてくれる
◇明目・・・目の不調を緩和する
◇消食・・・消化を助ける
◇化痰・・・身体にたまった痰(余分な水分など)をさらさらにして、排出しやすくする
◇解毒・・・身体の中のいらないものを排出しやすくする
◇下気・・・気をおろし、気持ちを健やかにするのを助ける

五行相関図における肝、肺、脾に対しては、それぞれ以下のような働きが期待されます。

◇肝・・・補血・滋陰・解毒・明目
◇肺・・・下気
◇脾・・・消食・化痰・健脾

人参だけでこんなに働きがありますが、薬膳はいくつかの食材とあわせてお料理にすることで、よりその働きが活きてくるので、今回のレシピは2品とも人参を主役にしたお料理です。最初は、人参と金柑、クランベリーのラペをご紹介します。

2. 気持ちを穏やかにすっきりさせたい方に

人参と金柑、クランベリーのラぺ

人参、クランベリーの甘味、金柑の甘酸っぱいさわやかさが春らしいラぺ(サラダ)です。とれたてのおいしい人参でつくると、格別ですよ。作りおきもできるので、おいしい人参が手に入ったら、ぜひ作ってみてください。

材料は、2人分です。

◇人参 1-2本(大きさにより調整してください)
◇金柑 7-8個
◇クランベリー(ドライ)ひとつかみ
◇オリーブオイル 大さじ2
◇ホワイトバルサミコ酢またはリンゴ酢 大さじ2
◇メイプルシロップ 大さじ1-2(人参や金柑の甘さによって調整してください)
お好みで、干しブドウやクコの実などをプラスしてもおいしいし、「血」を増やす薬膳的効能もアップします。

作り方:

  1. 人参を細い千切り、またはスライサーで千切りにする
  2. 金柑は、半分に切って種をとり、さらに千切りにする
  3. クランベリーは、細かく刻む
  4. ボウルに、オリーブオイル、ホワイトバルサミコ酢、メイプルシロップをいれ、1.2.3をいれて、よく和える。できれば少し手でもむとおいしくなります。
  5. 30分から1時間くらいおくと、味がしみてよりおいしくなります。また、メイプルシロップは、「ライト」や「ゴールデン」と書かれているものをつかうと香りにくせがなく、おいしいです。  

メイプルシロップがない人は、きび砂糖などでも大丈夫です。その場合は、砂糖をよく混ぜてください。

続いて、2品目は、人参、ブルーベリー、みかん、はちみつのスムージーです。

3. 目がしょぼしょぼしたり、かすんだりする方に

人参、ブルーベリー、みかん、はちみつのスムージー

これはもうとっても簡単です。材料を小さめに切って、あとはミキサーでがーーーーっと回すだけ。忙しい朝にぴったりですよ。

材料は、2人分。
◇人参 1本
◇ブルーベリー 30gくらい(今回は冷凍をつかいました)
◇みかん 3個
◇はちみつ 大さじ1

作り方:

  1. 人参は、洗って皮ごとざく切りにしておく
  2. ブルーベリーは、生でも、冷凍でも大丈夫です
  3. みかんは、皮をむいて、できれば白い薄皮(中果皮)もむいておいてください
  4. ミキサーに、人参、ブルーベリー、みかん、はちみつをいれて、3分くらい攪拌します。人参のかたまりが見えなくなるくらいになったら、できあがり。
  5. グラスに注いで召し上がってください。

甘さは好みで調整してください。また、お好みで豆乳やヨーグルトを入れてもおいしいです。

「血」をつくるものを食べたら、それを巡らせるものも一緒に食べると全身にうまく巡って、元気に動けるようになりますよ。目の疲れも「血」の消耗です。

特に春は目がしょぼしょぼしやすくなりますので、そういった意味でも、「血」をたくさん補ってあげてくださいね。元気に春を迎えましょう!

ココロが動くと、体が変わる「Yakuzen retreat®」主宰
ウェルネスライフ プロデューサー・薬膳料理研究家 小池 美枝

食医・薬膳料理研究家として、講師・料理教室・執筆活動・企業向けセミナーなどを手掛けている。さらに、レストランのメニュー開発コンサルティングやイベント企画運営といった活動も行っており、「食」に関して幅広く活躍。

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません

提供元:株式会社アール・ド・ヴィーヴル

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