季節に合わせて生きることは、自分らしく生きること─。このコーナーでは、国際中医薬膳師・国際中医として活動しながら、さまざまな「食」に関するプロデュースもされている小池美枝さんに、各季節にあわせた、さまざまな薬膳レシピをご紹介いただきます。
INDEX
1. 「大寒」の薬膳料理
こんにちは。薬膳料理研究家の小池美枝です。寒くなってきましたね。この時期、どんな朝ごはん食べていますか?朝起きて、あまり食欲のない方でも、ぜひあたたかいものを食べてくださいね。
二十四節気の暦では、「大寒(だいかん)」。一年中で最も寒い時期であり、二十四節気の最後となります。この次はまた季節は巡って「立春」。春がやってきます。
その春を元気に迎えられるように、とにかく身体をあたためて寒さの養生をしてくださいね。
身体をあたためるといっても、実はあたため方とか、あたためる場所によって食べた方がよいものが違ってきます。
あたためたい体の部位別のおすすめ食材
◇お腹をあたためるもの・・・かぶ、生姜、高菜、にんにく、茗荷、鶏肉、鮭など
◇経絡=血の巡りをよくするもの・・よもぎ、レモングラス、シナモン、青ネギ、甘酒など
◇体全体をあたためていくもの・・にら、海老、まぐろ、鹿肉、羊肉、クローブなど
寒い日の朝は、まずはお腹をあたためるもの。簡単につくれるもので良いので、血の巡りをよくするものをなにかちょっとでも食べるようにしてみてくださいね。食欲のない朝でも、食べやすいもの。
今日は、「かぶ」などのお野菜たっぷりの具だくさんのお味噌汁と、血の巡りをよくする女性の味方「よもぎ」を入れた薬膳茶をご紹介します。
2. いろいろな野菜をたっぷり食べて、1日を元気に過ごしたい人に
「具だくさんのお味噌汁」
まずは具だくさんのお味噌汁からご紹介していきましょう。
材料は、2人分です。
◇かぶ 1個、または2個(大きさによる)
◇小松菜 3-4株
◇かぼちゃ 10㎝角分くらい
◇ごぼう 10㎝くらい
◇かつおぶし 15g(かつお出汁 500ccくらい)
◇味噌 一人分につき、小さじ1くらい(お好みで調整してください)
◇生姜 1片
写真では、がんもどきを少しプラスしました。
作り方:
- 鍋に水をいれ、沸騰したらかつおぶしをいれる。一煮立ちさせたら、火を止めてそのまま10分くらいおく。
- 10分くらいたったら、かつおぶしをざるでこして、出汁だけ鍋に戻す。
ここまでは、夜のうちや週末につくっておいて、冷蔵庫にいれておいても良いですね。または出汁パックなどを使うと便利です。
- かぼちゃ、かぶ、ごぼう、小松菜は食べやすい大きさに切ってください。
生姜は皮をむいてすりおろしてください。チューブの生姜を使ってもよいですが、体のあたたまり方は、やっぱりすりおろしです。
- 出汁が入った鍋に野菜を全部入れ、火が通るまで煮ます。
- お椀によそってから、お味噌を小さじ1、生姜のすりおろしを溶き入れます。 熱々をお召し上がりください。
お味噌を鍋に入れないのは、私流なのですが、お味噌の香りが引き立ち 、ご家族お一人ひとりで味の好みが違っても、その日の気分や体調で加減できるのでおすすめです。お味噌も何種類か用意しておくと、具材によって風味を変えられてよいですよ。
写真のお味噌汁には、がんもどきも入れました。お腹が空いているなと思ったら、がんもどきや、油揚げ、時にはお餅などもいれて、楽しんでみてください。
3. 寒い朝、体を芯からあたためたい、寒がりさんに
薬膳茶「よもぎ番茶」
続いて、薬膳茶「よもぎ番茶」です。
いつもの焙じ番茶(焙じ茶でもよいです)に、よもぎ茶をいれるだけで血の巡りがよくなる薬膳茶になります。
材料は、
◇焙じ番茶または焙じ茶 ティースプーン2杯
◇よもぎ茶 ティースプーン1杯
◇生姜の皮(お味噌汁で使ったもの)
もしよもぎ茶が、ティーバッグのものしかなかったら、それを1/2袋使ってください。
作り方:
- ティーポットに焙じ番茶と、よもぎ茶をいれて、95-100℃くらいの湯を注ぐ。
写真は、お味噌汁で 使った生姜の皮も入れました。生姜の皮は体をあたためてくれるので、捨てずにこんな風に活用してください。
- 蓋をして、3分くらい蒸らします。
- カップに注いで、飲んでください。
ティーポットで淹れると、香りもよく味もふっくらします。朝、全部飲みきれなかったら、残りをタンブラーに入れておきましょう。半日くらいはあたたかく飲むことができますよ。
いつもの料理に、ちょっとプラスするだけでも薬膳になります。
寒い朝にキッチンに立つのが大変という人は、夜のうちにお味噌汁を作っておくのもよいですね。朝はあたためて、お椀の中でお味噌を加えるだけ。薬膳茶はお湯を沸かすだけ。これなら気軽に楽しめるのではないでしょうか?
薬膳で養生するほかにも、腹巻をするとか、足首をあたためるなども体をあたためるのにはいいですよ。お試しください!
ココロが動くと、体が変わる「Yakuzen retreat®」主宰
ウェルネスライフ プロデューサー・薬膳料理研究家 小池 美枝
食医・薬膳料理研究家として、講師・料理教室・執筆活動・企業向けセミナーなどを手掛けている。さらに、レストランのメニュー開発コンサルティングやイベント企画運営といった活動も行っており、「食」に関して幅広く活躍。
※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
提供元:株式会社アール・ド・ヴィーヴル
関連記事