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【薬膳レシピ】vol.5 小豆ごはん&炒り豆腐「立春」    

季節に合わせて生きることは、自分らしく生きること─。このコーナーでは、国際中医薬膳師・国際中医として活動しながら、さまざまな「食」に関するプロデュースもされている小池美枝さんに、各季節にあわせた、さまざまな薬膳レシピをご紹介いただきます。

INDEX

こんにちは。薬膳料理研究家の小池美枝です。

立春。春がやってきました。まだまだ寒い日が続きますが、暦の上でも、自然界でも春になりました。雪の隙間からちょんと蕗の薹が顔をだすように、私たちの身体もそこここに春のサインがでていますよ。

春の準備をしていきましょう!

二十四節気で、最初の立春は、暦の上では新年であり、春を迎えるおめでたい季節です。節分同様に「豆」が邪気をはらうといわれているので、小豆や、大豆などを食べるとよいといわれています。そこで今回は小豆と大豆をつかったお料理を2品つくります。
    

おめでたい日なので、色も紅白。赤いお料理と白いお料理です。

■献立
1. 小豆ごはん
小豆をいれたごはんを炊いていただきましょう。お赤飯は、「ささげ」という豆で炊くので、ここでは小豆ごはんとしました。
2. 炒り豆腐
大豆でできたお豆腐は、立春豆腐といわれ、立春に食べると清められた体に幸せがくるといわれている縁起物。お豆腐を甘辛にさっと炒った炒り豆腐は、簡単で、ごはんにのせていただくととってもおいしいです。

1. 「立春」について

二十四節気の話を何回かしてきましたが、ここで改めて二十四節気の中の立春はどんな位置づけであるのかをご説明するために、以下の図を見てみてください。

夜が一番長い「冬至」が、陰陽バランスでいうと一番「陰」(=夜)が極まっています。そこから、だんだん昼が長くなって春分を迎えるときに、陰と陽の長さが同じになります。立春は、ちょうどその中間。春は、立春からはじまって、春分をとおり、立夏の前日までの3ケ月。

同様に、夏のはじまりが立夏、秋のはじまりが立秋、冬のはじまりが立冬。こんな風に1年が循環していて、私たちの身体も季節とともに変化しています。

さて、それではお料理のお話をしていきましょう。

2. むくみがち、冬の毒素を出してすっきり春を迎えたい人に

小豆ごはん

まずは赤いお料理。小豆ごはん。

昔から赤い食べ物は邪気を祓うと言い伝えられているそうです。さらに小豆は縁起の良い食べ物とされ、“豆(まめ)”は魔(ま)を滅(め)す意味も持ち合わせ悪霊払いや無病息災を願う食べ物とされてきました。その歴史はとっても古くて、『古事記』にも小豆のことが書かれています。

薬膳的には、小豆は「赤小豆(せきしょうず)」といって、生薬でもあります。効能は、水腫(むくみ)や脚気、身体の中の解毒や排膿といった働き期待できます。あんことして、甘くしなくても今回の小豆ごはんのように、ごはんやお粥に入れて炊いてもよいし、最近は小豆茶なんて言うお茶も売っていますね。ぜひ、小豆を豆から煮て、小豆と、小豆茶も楽しんでみてください。

材料:
◇米 2合
◇小豆(ゆでたもの)大さじ2(1合に対して大さじ1くらい)
 好みで調整してください。
◇黒ゴマ適量

作り方:

1. お米をとぐ
2. 茹でた小豆を一緒に入れて、炊飯器またはお鍋で炊く
3. 器にもりつけて、黒ゴマをふる

小豆は、水からコトコト茹でたら、だいたい2時間くらいです。もし時間がない場合は、甘くない茹でた小豆を買ってきてつかってください。

3. 消化があまりよくない、お腹の調子を整えたい方に

炒り豆腐

続いて、白いお料理。炒り豆腐。こちらもとっても簡単です。大豆を食べることも厄除けなのですが、特に、白い豆腐は「立春大吉豆腐」と呼ばれ、健康を呼び込み、幸福が舞い込むのだとか。

薬膳的には、大豆は健脾、寛中、益気、利水など、お腹の調子をととのえながら体にたまった余分な水分流してくれます。

また、豆腐になると生津、潤燥、清熱、解毒など、体の中に潤い与えてくれ、余分な熱を冷まして解毒してくれます。大豆が豆腐になると効能も少し変わるところもおもしろいですよね。

さて、そのお豆腐。そのままのお豆腐=冷ややっこもよいのですが、今回は、甘辛に炒った、炒り豆腐。

これは、子供のころ、食欲がないときに私の母がよく作ってくれた料理です。甘辛のほっこりする味が、食欲がなくても、するっと食べられて、ごはんの上にのせてもとってもおいしいですよ。

材料:
◇木綿豆腐1丁
◇卵1個-2個
◇酒、みりん、醤油各大さじ2
◇白ゴマ(仕上げに適量)
◇ゴマ油適量

作り方:

1. 鍋にゴマ油をいれ、豆腐を崩して炒る

2. 水分が飛んできたら、酒、みりんを入れ、アルコールが飛ぶくらいまで炒る

3. 2に醤油を入れ、全体に味がなじんだところに、卵を割り入れて、かきまぜる

4. 卵に火が入ったら、火を止めて、盛り付け、白ゴマを散らしていただく

立春のお料理、いかがでしたか?どちらもとても簡単で、つくりおきもできますので、ぜひつくってみてくださいね。立春大吉🌸皆様、よい春を迎えてください。

ココロが動くと、体が変わる「Yakuzen retreat®」主宰
ウェルネスライフ プロデューサー・薬膳料理研究家 小池 美枝

食医・薬膳料理研究家として、講師・料理教室・執筆活動・企業向けセミナーなどを手掛けている。さらに、レストランのメニュー開発コンサルティングやイベント企画運営といった活動も行っており、「食」に関して幅広く活躍。

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません

提供元:株式会社アール・ド・ヴィーヴル

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