ココロとカラダをととのえる“暮らしの主人公Stories”

自分で自分の人生を彩ることで誰かのために活動!東京諸島の物語を伝えたい

三宅島をはじめ「東京諸島」とそこに住む「ヒト」の課題に目を向け、地域づくりに取り組む伊藤 奨さんにインタビュー。ゲストハウス「島家」や島の食堂運営、島の子どもたちに学びの機会を提供する「一般社団法人アットアイランド」、東京諸島の特化メディア「東京離島区」を立ち上げた「株式会社TIAM」両社の代表を務めています。

子ども時代は東京諸島の3つの島、伊豆大島・父島・八丈島で過ごし、大学は神奈川県に移って教員になるつもりで大学生活を送る中、自分が本当にやりたいことを模索するようになったという、伊藤さん。今回のインタビューでは、伊藤さんご自身が日々の暮らしの中で心地よくととのうために取り組んでいる3つのことを伺いました。

INDEX

1. 自然の一部であることを体感する

元々、自分も自然の一部であることを感じるシチュエーションが好きなんです。例えば、海に入ってモリつきで魚を捕るとか。自分の力で魚と戦って勝って、肉を食べ骨は出汁にし、残った部分は畑の肥料にします。こういうサイクルを体感して、自分も自然の一部であると認識するときに「大丈夫」という感覚に戻れるんです。

(ご本人提供)

ここ7年くらいは仕事と休みをあまり切り分けていなくて、仕事=生きることになっています。TIAMの方では、コンサルティングのような人と人の間に立つような仕事が多くて、自分の中の野性的なことが失われていく感覚があるんですよね。

そんなときに本来の自分に立ち戻るパワーになるのが、モリつきで魚を捕ることだったりします。自分の行動や考えを修正するためにも、大切にしている時間です。

自然って飽きないんですよ。時間とか天候、季節で全然表情が違う。自然の変化を見たり感じたりすることが、すごく重要なんです。夕日なんて毎日違った表情を見せてくれるので、よく見に行きます。

温泉にも入ります。東京諸島の島にも温泉があるんですが、それぞれ全然違うんです。個人的に気に入っているのは新島と式根島。屋外にあって無料で入れるんですが、夕日が絶景です。

2. “ひとり”になる時間を意図的に作る

ひとりでぼーっとする時間を作るようにしています。島なら人がいないところまで歩いていって、東京なら公園に行きます。

シンプルに公園が好きで、よく行きますね。色んな人の物語が交差していて、前から興味がある場所でした。ぼーっとしながら遊具や木の配置とかを見て、「こういう意図があったんだろうな」とか「予算がなくて妥協しているのかな…」とか考えるのが好きです。

公園に限らず、どういう地域に行ってもそんな風に見ています。結果的に、その考え方が仕事をする上でのトレーニングになっているんですよね。

(ご本人提供)

3. 物は少なくする

今、島と東京合わせて4拠点生活なんですけど、バッグ1個だけで移動しています。

(ご本人提供)

バッグは、お笑い芸人オリエンタルラジオの中田敦彦さんがおすすめしていたものです。「中田敦彦のYouTube大学」で勉強しているんですが、刺激されることが多くてかなり影響を受けています。

自分の視野や経験値を広げていくうえで、自分の中の位置情報をどれだけストックできるか、がポイントだと思っています。仕事で言えば、新しい仕事って今の自分のスキルでこなせるかわかんなくて、やってみないとわからない部分もあると思うんですよ。でもそんなときこそ、自分を広げるチャンスになるはずと思っています。

仕事でも荷物でも人間関係でも同じなんですけど、重くなってしまうと次のところに行けなくなってしまうんですね。たくさんの仕事をもらって嬉しい反面、余裕がなくなると本当に助けたい人を助ける余裕がなくなるといった具合に。

なので普段の移動も、荷物は片手で持てる分しか持って行きません。服もほぼ黒のTシャツしか着ていません。

伊藤さんが考える「暮らしの主人公」とは|自分の人生の主権を持っていること

僕はマンガも読むんですが、『鬼滅の刃』に出てくる「自分の刃を他人に渡すな」という意味のセリフがまさにその通りで。意思が自分のもとにあるのか、なぜ自分がそれをやっているのかを分かっていることが重要だと思います。

僕のスタンスとして、自分ひとりがカリスマになるのではなく、全員が一歩を踏み出せる環境を作りたいんです。仕事で色んな島に行って、熱を持って活動に取り組んでいる方に話しを聞かせてもらう機会があります。そういう瞬間に出会うと、一緒に「東京離島区(株式会社TIAM)が手掛ける東京諸島特化メディア)」を作って行けるかな、と自分がいる意味に近い感覚になりますね。

「東京離島区」サイト

島の歴史や文化を形にして次世代に

高校生の時まで東京諸島で暮らしていましたが、この島の歴史やユニークな文化を文字に残したものを見たことがないんですよ。例えば、沖縄って昔は琉球諸島っていう別の国で、外国の文化の影響で物語とか歌とかが受け継がれてきたと思うんですよね。でも、東京諸島はそういう受け継ぐための「何か」がなくて……。

今後やりたいことのひとつは「東京諸島の物語とか背景の見える化」です。これからの島の観光事業を考えても、島を訪れた方向けに形になったものを作りたい。実際に島で育って、自分の目で見てきたことを語れるのは僕の強みでもあるので。島の物語をしっかり伝える何かとして、旅行商品だったり宿だったりをしっかり整えていきたいですね。

そしてもうひとつ、島の子ども達との関わりも重要です。島の高校生のチャレンジをサポートする形で、子ども達の行動する力や挑戦する気持ちを応援しています。僕としては、島のお兄ちゃんのような感覚ですね。子ども達がいずれ島に関わる仕事で自立するところまで、サポートできたらいいなと思っています。

(ご本人提供)

Profile

伊藤 奨 いとう しょう

一般社団法人アットアイランド 代表理事/株式会社TIAM 代表取締役社長

子ども時代を東京諸島の3つの島、伊豆大島・父島・八丈島で過ごし、大学進学時に神奈川県に移住。教員になるつもりで大学生活を送る中で、自分が本当にやりたいことを模索するように。卒業から少し経った2011年、南三陸町にボランティアに行き、現地の方から感謝されるとともに、「ボランティアの経験を糧にするなら、自分の大切な場所をもっと大切に」と言われたのをきっかけに、自分が育った東京諸島エリアに人生を費やすことを決心。同じ東京諸島出身の友人を集め、一般社団法人アットアイランドを立ち上げ。試行錯誤しながら、三宅島初のゲストハウスの運営を開始。その後の経験から、東京諸島の仲間とともに「株式会社TIAM」を立ち上げ。

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません

提供元:一般社団法人アットアイランド、株式会社TIAM【PR】

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