今回の記事では、「ニフティ温泉」編集部でコンテンツの企画・制作を担当する伊東佳穂さんのインタビューをお届けします。「暮らしの主人公」の編集会議で毎回、「ニフティ温泉編集部に、まさにウェルネスなヒトがいる!」と名前があがっていた伊東さん。
忙しい日々の中でも、キャンプや離島、旅、温泉と、自分の興味に従って行動を重ねる中で、自分流のととのい方を自然と身に付けている。そんな伊東さんの日々のこだわりを話してもらいました。
INDEX
1. 自然との出逢い
私の自然との出逢いは大学生のとき。社会人向けのキャンプイベントに参加したことがきっかけでした。当時、休日は所属していたオーケストラの練習がある日以外、外出はウィンドウショッピングでモールをフラフラする程度。基本はインドア派で、自然の中は虫がいるから嫌いとまで思ってました(笑)。
そんな私でしたが、アウトドアな体験やキャンプをしている人に興味を持つようになり。ネットで調べたキャンプ体験に思い切って申し込んで、一人で参加(笑)。はじめてのキャンプは、伊豆諸島のひとつ「神津島(こうづしま)」(東京)でした。
このはじめてのキャンプで得られた自然についての2つの“気づき”が、とても大きくて。その後の自然や人との向き合い方のベースになっています。
まずひとつめは“自然の雄大さ”。どこまでもキラキラと続く海の水は透き通り、360度広がる青空、夜は満天の星空に。自然の中ではごく当たり前のことなんですが…、実際に触れるまで私には見えていなかったんだなと。とても感動しました。
ふたつめは“自然の中で過ごす意義”。一緒にキャンプに参加する人たちと、海辺でお昼寝したり、行き先もなくお散歩したり。海に飛び込んでみたり、焚き火を囲みながらしっぽりと将来について語り合ったり…。自然の中にいるからこそ、素直に無邪気に人と向き合えるように思います。
2. リトリート×離島
ご縁があり、伊豆諸島の「三宅島」(東京)には何度も訪れています。東京竹芝桟橋から三宅島へ向かう船は早朝着。朝日を見ることから島旅がはじまります。
三宅島には離島での時間を大切にする仲間たちが、約束をしなくてもごく当たり前に集まります。一緒に空を眺めながら「あの雲、犬に見えない?」「私は〇〇に見える!」と考えてみたり。「今の鳥の鳴き声は?」と鳥の声に耳を傾けたり、「ウミガメが泳いでる!」と海を眺めたり。「食べられる葉っぱだよ」と教えられて道端の葉っぱを噛ってみたり。
「リトリート」という言葉には、“心身のリフレッシュ”や“自分自身と向き合う時間”といった意味が込められていますよね。朝日を見ることからはじまる海と山に囲まれて過ごす“離島の時間”は、私にとって、五感・感性が研ぎ澄まされ、心身をととのえるリトリートな時間です。
3. あえて「調べない旅」をする
誰もが簡単に写真加工ができてしまう時代。情報に惑わされ、無意識に期待値をあげてしまったり、比較をしてしまっていることも。その結果、本質的な良さが見えにくくなっているように思います。特に自然を目的とした旅は、天候や季節に左右されやすい。だからパッと見た印象が、写真で見た景色とちょっと違う、残念と思うことも少なくはないんですよね。もちろん、SNSをきっかけに“ここに行きたい”“これが見たい”と旅することもありますが(笑)。
旅の前には、旅先の写真を極力見ないのがおすすめです。以前は“せっかくの旅行だから”と完璧なスケジュールを立てて行動する派でしたが、「調べない旅」をしてみたらすべてが初見でとても楽しかった! なので、最近は意識して調べないようにしています。現地で観光マップをもらい現地で調べる。“思ってたより…(がっかり)”を作らないようにしています。
自然を目的とした旅は、現地ガイドさんにお願いするのもおすすめ。見ただけでは分からない歴史や意味といった背景を知ることで、よりその場所が好きになれます。過去には、現地のゲストハウスで知り合った人に鉱山跡地を案内してもらうなんてこともありました。ノープラン旅ならではの楽しみ方です。
4. 「複数軸」で生きる
学生時代、平日は「学校」、休日は「オーケストラの活動」と、私の生活には2つの軸がありました。すごく大げさに言うと、“2つの人生を同時に生きている”感覚で、日に応じて切り替えてきました。自分の意思を実現する軸を複数持っていることは、心の拠り所にもなり、モチベーション維持にも繋がる。相互に好影響を与える良い生き方だと思っています。
社会人となり、私はキャンプを通してさまざまな刺激をくれる、“おもしろい人”たち(笑)と出会いました。キャンプの魅力を体験できるイベントを主催する人や、島でゲストハウスを経営し地産地消の取り組みで地域を活性化している人、そんな挑戦を続ける人たちの活動を広めていきたい。これが、これからの「新たな1軸」になるのかなとワクワクしています。
5. 温泉は日常の句読点
私はスケジュールを埋めたい派で、先の予定も何かしら詰め込んでしまいがち。予定が続くことに幸福感がある反面、エンジンがかかったままのカラダは、気付かないうちに疲れてしまっていることも(笑)。そんな日々の中で、気軽に自然の恵みを感じられる温泉は、日常のリフレッシュの場です。
「日帰り温泉」は、日常生活に取り入れやすいうえに、気分転換ができる場所。水が流れ落ちる音や水面の揺れを見ながら、カラダの内側から温まる。露天風呂で風を感じながら、温かいお湯に浸かっていると、日常生活に“句読点が打てる”ような感覚があります。ボヤーっとしながら頭の中を整理して、汗を流して、おいしいものを食べる。すると、また明日から頑張ろうとちょっと意識が変わる。お風呂を楽しんだ後にさっぱりしたカラダで、お風呂に来たときと同じ靴を履くと、カラダの軽さを感じて「ととのった〜」と。
日本には、自然の恵みを感じられてリフレッシュできる“温泉”という、素敵な文化と場所が身近にある。その魅力を「ニフティ温泉」で伝えていきたいですね。
伊東さんが考える「暮らしの主人公」とは
「想いを持った人」
キャンプとの出会いから、自然と人とのつながりが広がり、自分が好きだと感じること・モノを選択している人たちとの交流が生まれました。熱い想いを持った素敵な人たちを、お手本にしながら、今の私が出来上がってきたように思います。
おいしいご飯をゆっくりと楽しんだり、休日に緑と青空の中で過ごしたり、陽にあたりながらうとうととお昼寝したり。自然と人との出会いの中で知った、そんな自分にとっての心地良い、小さなととのいタイムを重ねることを大切にしていきたいですね。起きる時間、電車の時間、仕事の時間…と、暮らしの中では日々時間に追われがちではありますが(笑)。
Profile
伊東 佳穂 いとう かほ
ニフティライフスタイル株式会社 「ニフティ温泉」編集部
幼少期より音楽家の母の影響を受け、ピアノ、フルートを習い、12歳から8年間オーケストラに在籍。大学ではライフデザイン学を専攻し、生活の「豊かさ」についての学びを深める。19歳で参加したキャンプイベントでの出逢いをきっかけに、NPOや一般社団法人にて野外教育やイベント運営にも携わる。 大学卒業後は福祉用具専門相談員として、在宅高齢者に福祉用具の提案を行う営業職に従事。同社にてマーケティング業務を経験後、2023年6月よりニフティ温泉に参加。現在はWEBディレクターとして、温浴施設の楽しさを届けるコンテンツ企画・制作を担当している。温泉ソムリエの資格保有。
※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
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