ココロとカラダをととのえる“暮らしの主人公Stories”

一般社団法人nosson 代表:小野 加央里
一般社団法人nosson 代表:小野 加央里

地域や人、周りを大切にするのと同じように、自分のことも大切にする

高知県の日高村を拠点として活動する「一般社団法人nosson」。代表理事をつとめる小野加央里さんは、地方自治体と大学、企業などをつなぎ、地方創生に取り組んでいます。日常のON/OFFはあまりないと話し、忙しい毎日を過ごす小野さんに、心地よく「ととのうために取り組んでいる5つのこと」をお聞きしました。

INDEX

1. 仁淀川に足を浸ける

一般社団法人nossonのメンバーと仁淀川で(ご本人提供)

「奇跡の清流」とも呼ばれ、国土交通省が発表する「水質が最も良好な河川」に2010年~2023年の間に9回も選ばれている仁淀川(※1)

高知県の仁淀川の澄んだ水「仁淀川ブルー」は見るために訪れる人もいます。私も、その美しさに魅了されたひとり。仁淀川はめちゃくちゃきれいで、川にはパワーがあり、仁淀川に足を浸けるとココロもカラダもととのいます。

川での過ごし方はいろいろです。ただ川を見ながら時間を過ごしたり、川でアウトドアサウナを楽しんだり。川から見える周りの景色は、山々に囲まれた緑あふれる自然です。緑豊かな山や冷たい澄んだ水と触れ合い、自然の広大さを体感するときが「ととのう」瞬間です。

2. 安岡さんと会話する

安岡さんと私(ご本人提供)

「NPO法人日高わのわ会」の事務局長をしている安岡さんとの出会いは、私にとって、「人生のターニングポイント」になった出来事でした。

私自身の生き方を模索する中で、地域や人の幸せにつながる活動を探して参加したボランティア活動で巡り会ったのが最初のきっかけ。安岡さんの印象は「おせっかいなお母ちゃん」でした。ただ、安岡さんや「日高わのわ会」に関わる方達のことを好きになるまでに、時間はかかりませんでしたね。日高村でのボランティアを通じて、安岡さんの人に対する思いやりや思い描く未来のあり方などに、感銘を受けたことをよく覚えています。

2011年から全国でボランティアを開始、2016年頃から東京で仕事をしつつ日高村に通い関わるようになり、今年2023年で約7年。最初は月に1回のペースでしたが、気が付いたら地域おこし協力隊に就任し、日高村初の宿泊施設を開業するまでに、地域の活動に深く関わっていきました。

ここまで日高村での活動に深く関わってきたのは「安岡さんと一緒に仕事ができる」というマインドが元になっています。

安岡さんは、みんなのやりたいこと・地域の課題・自分達にできることを、ちょうどいいおせっかいでバランスよく実現していく方で、ビジネス上での予算や売上、成長目標などのしがらみは二の次。地域が困っていることに手をつけていくという考え方に魅かれました。瀬戸内寂聴さんのような人です(笑)。

3. おいしい水を飲む

仁淀川での休息(ご本人提供)

日高村に移住する方の多くが驚くという「水のおいしさ」。「水ってこんなにおいしいんだ」と感動しました。蛇口から天然水が出ているようなものです。日高村の水を飲むようになってから、体調がいいという実感があるんです。

おいしい水のおかげで、生活にも変化が出てきたんです。コーヒーや味の付いた飲み物を飲む機会が減り、朝から水をたくさん飲むようになりました。その影響からか体内環境のよい変化もあって…、その結果、仕事の効率もアップ。生産性のよい活動ができるようになったように思います。

4. 神社で瞑想する

菜野河神社での寝ながら瞑想会(ご本人提供)

高知県仁淀川町の山の中にある、ひっそり佇む「菜野河神社」。車の音など全く聞こえない、人里奥にある神社です。定期的に実施されている「瞑想会」に参加して、自分のココロを整えています。

「菜野河神社」の拝殿で自律神経を整えるとされる惑星音叉の振動と心地の良い音。そして、鳥の鳴き声や風の音など自然の音を聴きながら、脳と心と身体のバランスを整えて、リラックスした状態で寝ながら瞑想をします。

慌ただしい日々の中にいると常に考え事をしてしまいがちですが、切り離された環境に身を置くことで、無心になる時間をつくるようにしています。

菜野河神社(高知県吾川郡仁淀川町)

仁淀川町を見下ろす自然に囲まれた秘境の地。山の中にひっそり鎮座する神社で癒される

5. 「おじい」「おばあ」と会話する

おじい、おばあとの笑顔の絶えない時間(ご本人提供)

地域のお年寄りのことを「おじい」「おばあ」と呼んでいます。おじい、おばあとお喋りをする時間は「非日常を感じるひととき」です。

「あんた、これ食べていきぃや」と声をかけられ、ウサギの新鮮なお肉をもらったり、猪の肉をその場で焼いて振る舞ってくれたりするおじい、おばあ。一緒にご飯を食べたり、農作業を手伝ったりすることもあります。

おじい、おばあとの時間が、ふと一息つく時間にもなっています。昔ながらのおせっかいな感じがありがたい。日々の中で愛情をもらっています。

小野さんが考える「暮らしの主人公」とは

「自分に還ることを大切にしている人」

忙しい毎日の中で、ついつい自分のことはおざなりにしがち。家族や友人、会社や仕事を優先し、自分に目を向けることを疎かにしていると、自分を消耗してしまいます。周りを大切にするのと同じように、自分のことも大切にしています。

「自分が自分に還っている状態」「自分に自分の目が向いている状態」が、私にとっての「ととのう」ことです。

Profile

小野 加央里 おの かおり

一般社団法人「nosson(ノッソン)」代表理事/NPO法人「日高わのわ会」理事

広告制作のプロダクションでキャリアをスタート。ディレクターを担当していた2011年に東日本大震災を経験したことにより、自分の生き方を見直すようになる。震災後に、物の消費が人々の幸せに繋がっているのか疑問を抱くようになったことから、誰かの役に立つ方法を模索し始めた。ボランティアで「誰かの役に立つ」を実感してさまざまな地域やイベントに参加。その中で「NPO法人日高わのわ会」の事務局長・安岡さんに出会ったことが、日高村で活動を続けるきっかけになった。日高村の自然や雰囲気、安岡さんとの活動に魅力を感じ、地域おこし協力隊に。観光客を呼ぶために日高村初の宿泊施設の設置を企画し「Eat&Stay とまとと」を開業した。現在は、日高村での活動を中心に週末は東京に戻ることもあるという。

※1「仁淀ブルー」とは?なぜ青く見えるの?(NIYODO BLUE!)最終更新:2023年7月(本文中より)|URL:https://niyodoblue.jp/feature/detail.php?id=16

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません

提供元:一般社団法人nosson

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