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投稿日:2009年11月26日
野沢温泉共同浴場 麻釜の湯 (野沢温泉共同浴場 麻釜の湯)
paw_pawさん [入浴日: 2009年11月26日 / 2時間以内]
55.0点
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麻釜と言えば、野沢温泉で最もポピュラーな観光スポットですので、湯めぐりの際に見学された方も多いのではないでしょうか。もともとは墳湯した源泉で麻の茎を煮て繊維を採取するための施設だったとか。大釜、丸釜、竹伸釜(たけのしがま)など5つの湯溜まりで形成されています。現在では許可を得た地元の方たちが温泉タマゴや野菜を煮たりするのに利用しており、早朝私が訪れた際にも旅館業と思われる方々が次々と軽自動車で乗り付け、籠に入った大量のタマゴを湯釜に沈めては慌しく去っていきます。なんでも20分ほどでまた取りに来るとのこと。長い棒を器用に操りながら野菜を煮ているお母さんもいらっしゃり、とても興味深く見学させていただきました。
そんな麻釜の通りを200メートルほど下ると件の共同湯「麻釜湯」が現れます。周辺は賑やかな観光エリアですが、大湯や河原湯のような派手に凝った意匠ではなく、素朴な燻し銀の共同湯といった外観です。賽銭箱に寸志を入れ内部に入ると、こちらも脱衣所と浴室が一体化した造りになっています。この合理的なつくりは野沢温泉の定番なのでしょうか。スペースを無駄にしないばかりか、人の出入りがスムーズになる点や防犯の効果も期待できるので、共同湯の構造としてはベストなのかもしれません。
湯船は5-6人サイズの四角形で観光エリアの共同湯らしく浴槽や床には御影石をあしらい、腰壁にも石タイルを用いたちょっぴり豪華な仕上がりになっています。湯口からは激熱の源泉が投入され、言うまでもなく掛け流し。私が突撃した際にはやや青み掛かった貝汁濁りの湯で、細かい湯の花も確認できました。ムンムンというわけではありませんが、香ばしく乾いた硫黄臭も感知。湯温は体感44度の熱め、キリリとした湯力を体感できる湯でした。浴室の床面積が狭いのは少々気にはなりましたが、湯に浸かるだけなら全く問題ないと思います。因みにこちらの源泉は名前のとおり、麻釜噴湯群の一つ下釜源泉だそうです。
入浴後に湯小屋の裏手に回ってみると温泉を利用した洗濯場が併設されているのを発見しました。浴室が狭かったのには理由があったのです。これなら冬場でも天候に左右されず洗いものの作業ができ、何かと便も良さそうです。湯に触れてみると予想よりも温かったですが、地域で深く根付いた温泉文化にただただ感心するばかりです。
写真は上が麻釜噴湯、下が麻釜湯の湯小屋です。麻釜噴湯に沈められているピンクと緑の籠は調理中の温泉タマゴです。多い時はこうした籠が10個くらいありました。
◎古くから地元の方々が湯仲間の制度のもと大切に維持管理なさっている共同湯です。無料で入浴できるとは言えども、入り口の賽銭箱にお気持ちの寸志を入れ、湯仲間の方たちの心意気に感謝と敬意を表したいものです。
◎私が参考にさせていただいた野沢温泉の外湯マップです。これを片手に湯めぐりしました。実際に行かれると分かりますが、温泉街の中心部は細い路地が迷路のように入り組んでいますので車で湯めぐりするのは到底無理です。共同湯に併設された駐車場もありません。観光用の駐車場を利用し、徒歩で湯めぐりすることをおすすめします。
http://www.nozawaonsen.com/map/map_large.html
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