サウナ発祥の地フィンランドのサウナブランド「サウニア」。日本総代理店であるブローニュの代表取締役社長・中山 健一郎さんが今回の主人公。
これまで世界43ヵ国もの国を訪れたという中山さん。フィンランドの商品だけでなく、その文化をも日本に伝えたいと語る中山さんの暮らしのこだわりを5つのキーワードでお話しいただきました。
INDEX
1. ガンガン行動する
叔母がコロンビアの人と結婚。コロンビアと日本のハーフであるいとこに初めて会った際に英語が話せなくて悔しい思いをしました。「英語を勉強したい、話せるようになりたい」と自然と海外に興味を持ちました。アパレルの貿易会社を経営していた父からの応援もあり3年間カナダに留学。カナダ人、メキシコ人、ドイツ人…いろいろな国の友人ができ、さまざまな考え方や習慣を知ることが楽しかったですね。
帰国後は英語を使う仕事がしたくて。父の会社に入社。当時は、香港などアジア圏とのビジネスが中心でした。25、26歳のころ、たまたま東京に出張した際のこと。ある交差点でとても変わった派手で素敵な洋服をお召しになっている女性を見かけたんですよ。思わず「どちらで買われたんですか?」とお声がけして(笑)。すると「フィンランドで買ったのよ」と。ブランド名を教えていただきました。
当時はまだ、ネットが今ほど普及していない時代。父に話したところ、すぐにフィンランド大使館に連絡するようにと言われて。「これはタンペレにあるポッパナ織」と現地フィンランドの電話番号を教えてもらいました。国際電話をかけて商談を持ち掛け、その2週間後にはフィンランドへ渡航。とんとん拍子に話は進んで、フィンランドに古くから継承される伝統的なポッパナ織を日本で展開する権利を獲得し、今も弊社の主要ビジネスとして継続しています。興味を持ったらガンガン行く、行動力はある方です(笑)。
2. 文化の違いや多様性を楽しむ
ブローニュ・フィンランド(ヘルシンキ)支社を設立し、約2年間フィンランドに住んでいました。フィンランドにいたころは、スウェーデン、デンマーク、ドイツやフランスなどヨーロッパ各国にもビジネスを拡大。各国の展示会に参加したり。それに伴い人脈も広がり。フィンランド語の夜間語学学校にも通って、フィンランドに滞在するアメリカ人、ドイツ人など、どんどん輪が広がっていきました。
今は日本も働き方が変わってきていますが、当時は深夜・休日でも働くことが多い時代。フィンランドの夕方には仕事を終え帰宅してサウナに入る、土日には働かないで家族との時間を楽しむ、そんな1日の時間の使い方や働き方に驚かされました。
フィンランドは社会人も夏休みが1ヵ月間。冬が寒くて長いので一番いい季節に休むという風習です。北欧の夏は短くて9月には結構寒くなります。冬は暗く寒く日照時間は1日6時間程度。マイナス20度にもなるので、家にいる時間が長くなります。フィンランドの友人と付き合うと、ゆったりのんびりしているし、余暇や休みなどを大切にしていると感じます。
コロナ禍以降、日本でもライフスタイルの変化もあり、そんな時間の持ち方も増えていくのではないでしょうか。
3. フィンランドのサウナ文化を広げる
サウナとの出会いは20年ほど前にフィンランドで。まさかこんなに日本でサウナが流行るとは(笑)。当時滞在していたホテルのサウナでただ座っていたら、特に汗もかかず、「あったかいな」という感じで。ホテルの人に「サウナが全然熱くないんですけど」と言ったら、「水をかけましたか?」と。バケツとひしゃくが置いていましたが使い方がわからずで。水をかけるとどんどん蒸気がでて、温度の強弱をつけながら楽しむ。つまりフィンランド式のロウリュウ。
フィンランドでは大抵のホテルにサウナがありますし、自宅にも当たり前にあります。共同サウナのあるマンションも。夏の湖のサウナに冬の凍った湖のサウナ、街の公衆サウナなど、ありとあらゆるフィンランドのサウナを体感してきました。
凍った湖に穴をあけて入る「アバント」も経験。凍った湖にのこぎりで50㎝四方の穴をあけて、サウナ後にダイブしてクールダウン。フィンランド人ならではの楽しみ方ですが、もちろん全員が好きなわけではなく、冷たいのが苦手な人ももちろんいますよ(笑)。
フィンランドのサウナって、岩盤浴のような温度で、友人や家族と楽しくおしゃべりする場所なんですよね。フィンランド人にとってサウナは社交場だしで、家族や彼女の話、相談ごとをする場所。コテージのサウナ後には、バーベキューをしてお酒を楽しんだり。サウナ後に眠ってしまうのはもったいない(笑)。
周囲には静かな田園が広がる本社の敷地内には、樽型サウナ「バレルサウナ」を設置しています。お取引先の方をお呼びすることもあれば、社員や友人たちとサウナを楽しんだ後にバーベキューも。週2回くらいは入ります。
フィンランド人曰く、「高級車や時計を身に付けていても、洋服を脱いでサウナに入ったら平等」。大統領や首相がいてもため口で話すそうです(笑)。いい文化だなあと。気の向くままに入って、気の向くままに出て。フィンランドのサウナって温度計や時計もあまり置いてなくて自分の体感で入るんですよね。日本のサウナは熱すぎるというフィンランド人もいますよ。
4. 週2回全速力でランニングする
家の近所の公園を週2回は必ず全速力でランニングをします。途中で歩かないことがモットー。1週約1kmを2~3周。マラソンをする人に笑われる距離ではありますが、全力で走るので(笑)。
走って疲れてぐっすり眠ると翌朝起きたときに心地よいですし、走った後の爽快感がサウナ後の解放感と近い。サウナで水風呂に入り、外気浴でゆっくりするときの感覚と同じです。
5. 日曜の夜は海外を感じる料理を作る
スペイン料理かイタリア料理、タイ料理といった日本にあまりないような、海外のメニューを作り家族で楽しみます。
イタリアで食べるミラノカツレツや、鶏肉で炊いたスープをとってご飯を炊いてカオマンガイ。フィッシュアンドチップス。日本に居ても海外気分を味わうことが好きですね。
中山さんが考える「暮らしの主人公」とは
「まず、やってみる。日本、世界中どこであっても、自分らしくととのうを体現する人」
コロナ禍でアパレルビジネスが苦境に立たされているとき、フィンランドの友人から「日本のサウナブームをテレビで見た」と連絡が入ったことがきっかけとなりサウナビジネスに参入。いまではフィンランド発のサウナブランド「サウニア」の日本総代理店となりました。
主力のバレルサウナは建築物でもありますし、「アパレルの会社が、フィンランドのバケツをどうやって売るの?買うの?」と言われることもあります。「made in finland」を語れるブランドに誇りを持って、起こる問題はひとつひとつ熱意をもって調整していく。その過程が好きなんですね。
まず、やってみる。その根底には、いろんな国の景色を見たり、人と習慣や文化について話して刺激を受けたり、いろんな国や人のいい面、そうでない面を見て学んで分かち合ってきた経験があると思います。好奇心から新しいものに触れることが、自分らしく日々ととのい、リフレッシュすることにつながっていると思います。
Profile
中山 健一郎 なかやま けんいちろう
株式会社ブローニュ 代表取締役社長
1990年代にカナダ、トロント、アメリカ、ニュージャージー州へ語学留学。1995年にはフィンランドにアパレル関連の輸入業務で初渡航。1998~2000年にはフィンランドに駐在。以降フィンランドとのビジネスに従事。あらゆるフィンランドのサウナを体感したうえでサウナ文化、ライフスタイルを広める。2020年からはフィンランド発のバレルサウナやサウナ雑貨のブランド「サウニア(SAUNIA)」の日本総代理店を務める。1970年生まれ愛知県出身。「海外はアパレルの仕事でフィンランド、デンマーク、スウェーデン、イタリア、ドイツ、英国にコロナ前は年2回は必ず訪問。もちろん社員とも行きます」
※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません
提供元:株式会社ブローニュ
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