ココロとカラダをととのえる“暮らしの主人公Stories”

JAL サ旅プロデューサー:岡本昴之
JAL サ旅プロデューサー:岡本昴之

仕事もプライベートも人生の構成要素として、同じところで考える

日本一有名(?)な航空マン、そしてサウナーとしても多数のメディアで話題の日本航空(以下JAL)事業開発部の岡本昂之さん。JALでは、2019年より「JAL サ旅(サウナ旅)」と題して、全国各地のサウナ施設と提携した商品開発や、サウナをテーマにした旅の企画・プロモーションを行っており、その仕掛け人が岡本さんです。

旅×サウナ、働き方×サウナ、企業×サウナと、今や日本の新たなサウナ文化のつくり手のおひとりとしても飛び回る岡本さんがご自身が「ととのう」のために、あるいは全国のサウナーの「ととのう」プロデュースのために持っているこだわりを、5つのキーワードで紹介いただきました。

INDEX

1. 「ととのう」とはキャッシュクリアすること

サウナとの出会いは2016年。サウナー界では「産湯とホームサウナを最初に聞く」というのが定番ですが(笑)、大学時代の友人に誘われてふらっと入った「月島温泉」が私の産湯(はじめてととのったサウナ施設)です。サウナブームが来る少し前くらいの時期で、「サウナって入り方があるらしいぞ」と誘われたんですよ。ただ汗をかく場所という固定概念があったんですが、サウナに入って、水風呂に入って休んでというのが本来の入り方なんだと教えられました。

水風呂って冷たいから嫌だなあと思っていたら、その後の休憩がすごく気持ちよくて。しかもサウナ後に月島もんじゃを食べに行ったら、これがとにかくおいしくて(笑)。それをきっかけにサウナにはまっていきました。

その後、私は働き方文脈で「サウナは効能抜群」と思ったんです。サウナに入ると、脳内がリセットされるので思考パフォーマンスがあがる。脳の回転が早くなって、いろいろな雑念も取り払われるので思考や創造性を深めるのにすごくいい。

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日常生活の中で、週2~3回はサウナに行きたい派。「サウナって何がそんなにいいの?」とよく聞かれるのですが決まって答えているのが「サウナはキャッシュクリアできる」ということ。いろいろな捉え方がありますが、私なりの「サウナ」は「脳内のキャッシュクリア」なんですよ。

パソコンとかでも常に動かしていろんなファイルやウェブを立ち上げて…と続けていると、どんどんキャッシュやcookieが溜まっていって、動きが遅くなったりしますよね? 同じことが人間の脳内で起きていると。作業し続けたり考え続けたりしていると、どんどん余分なものが溜まっていって、思考のパフォーマンスを悪化させていく。これがサウナに入ると、はっとクリアされる感覚があるんです。脳研究している医者に聞いたら、人間は夜に寝ると脳が整理されるらしいんですが、それがサウナでも起こっているのかな?と想像しています。

2. 「ワクワク」を起点にイノベーションを創造する

JAL社員でありサウナー。「もしサウナーがJAL社員だったらなにをやるか」「JALにしかできないサウナの取り組みはなんだろう」、そんな発想で考えたとき、いろいろな地方にある「サウナ聖地」への遠征が原体験としてよみがえってきました。初代聖地と言われている熊本の「湯らっくす」、北海道の「白銀荘」、静岡の「しきじ」…、当たり前のように飛行機に飛び乗って、サウナを目掛けて旅をしていたんですよね。「温泉旅行が当たり前にあるんだから、サウナ旅行があってもいいじゃないか」。そこで、2019年にサウナツーリズムを軸とした「JAL サ旅(サウナ旅)」事業を立ち上げました。

新しいものを生み出す時には熱量が必要で、それが個々人が必ず潜在的に持っている「ワクワク」だったりする。その熱量の源がどこにあるかというと原体験だったり、自分が欲しいという欲求だったり、なんかこれいいよねという共感だったり。イノベーションにおいてはそれが一番のポイントなんだと思っています。机上の空論やトレンドだけを組み合わせても、共感を生まない。「JAL サ旅」が今も事業として継続し、多くのお客さまに共感いただいているのも、「ワクワク」があったからこそだと思っています。

共感と熱量で社内に立ち上げたJAL Sauna Club(JALサウナ部)。総勢500人が集う(写真提供:日本航空株式会社)

「JAL サ旅」事業やJALサウナ部の推進母体として「W-PIT」という公認組織があります。2017年にスタートした組織横断型の社内ベンチャーチームです。「Wakuwaku-Platform Innovation Team」の略でふざけた名前なんですが(笑)、ポイントは「ワクワク」。新しいモノを生み出すにはワクワクって大事だよね、「ワクワク」を起点に新しいものを創造していこうと。最初は5人程度で発足しましたが、今では220人を超える仲間が集い、サ旅事業以外にも青空留学事業やガストロノミー事業、音楽隊やダンスユニットなどいろいろな価値創造を実現しています。

W-PIT Official Website

Wakuwaku(ワクワク)をキーコンセプトに異業種共創を推進するJAL社内ベンチャーチーム「W-PIT」の公式ウェブサイトです。

3. 現地現物現人で取り組む

「JAL サ旅」の企画設計は、必ず現地に行きます。観光情報やインターネット情報だけを見てもわからないその土地ならではの空気感、つまり現地現物を味わうことからはじまります。僕らが提案する企画や商品を見て、サウナーたちが現地に行ってくれるわけじゃないですか。彼らが現地入りしたときに「どういう空気感を感じるのかな」とか「どういう回り方がいいのかな」とかイメージしながら、どこでその地域らしいサ旅を感じてもらうかは、やはり現地に行ってみてその目線で見てみないとわからない。

空港から下りて、バスに乗るのか、レンタカー借りに行くのか…といった原体験を自分なりにしたうえで企画設計に落とし込んでいく。そういったところは必須事項でやっていて、チームメンバーにも「僕らは妄想だけで企画しないチームになろう」と伝えています(笑)。もちろん最初の方向性は仮説のシミュレーションを持ったうえで現地入りするのですが、現地で自分が体験しながらブラッシュアップしていく。

そして、何より現地の人(現人)との関係値が一番大事、商売は人と人との関係がすべて。現地のさまざまなキーマンとお会いして、ただのビジネスメイクだけではなくて、一緒に散歩したり食事しながらお話したりすると「実は昔はこうでね」とか聞くことができたりする。現地現物現人で得られる空気感やリアルを大事にしています。

JAL公式YouTubeサブチャンネル「JALふるさとプロジェクト」にも出演

4. 24時間の中で余白をデザインする

人生においてもビジネスにおいても、創造性がすごく大事だと思っています。いろんな環境変化やライフステージがある中で、創造性を持っていないと自分なりの仕事、自分なりの人生が歩めない、そう感じています。常に創造性を持つために心がけているのが、自分なりに一日(24時間)の中で余白を作ることです。

今って仕事をしているとどんどん打ち合わせが入ってきたりして、スケジュールがみっちり人づきあいもみっちり、情報のインプットもみっちりな時代じゃないですか。情報や人、時間に縛られてしまう中で意識的にぼーっとする時間というか、ちょっと違うことを考える時間や振り返る時間、先を考える時間といった、自分に時間投資をする余白が大事だと思っています。

私なりの余白のつくり方が、先ほどお話したサウナだったりします。基本的には服を脱ぐだけ、特別な道具や準備は要らない。(最近のスパ施設であれば)スマホだけ握っていけば決済もできちゃう。サウナでちょっとした余白のときに、新しい解決の糸口や発想がうまれたりします。

W-PITの中で2022年に結成した本格派ストリートダンスチーム「W-PIT DDD」(写真提供:日本航空株式会社)

「W-PIT」では、実は「JAL サ旅」以外にも本格的なストリートダンスチームを結成しています。これも余白時間に「JALの現役社員で本格派ダンスチームを組んだら面白いんじゃないか」と考えたことがきっかけ。余白の時間を意識的に作っていこう、という話はチームメンバーや後輩たちにもよく話しています。

5. 部屋着サウナを持つ

こういう仕事をしていると、どこのサウナに行けばいいのか?とよく聞かれますが、「家から一番近いところが正解です」と答えています(笑)。自宅から徒歩5分くらいの近所にあるサウナ。大げさな特徴や設備はなくてもいいんです。日ごろキャッシュクリアしに行くサウナは「普通」でいい、自由に気軽に「部屋着」感覚で通える行きつけサウナを見つけてほしいですね。

都内には機能性の優れた有名なサウナ施設がたくさんありますし、もちろん私自身どれも大好きなのですが、そういった特別な施設にはたまにしっかりとととのえに行けばいい。日ごろ通うサウナは近所の銭湯でいいんですよ。

サウナに入って、外気浴がてら散歩をして家に帰る。私は家から徒歩5分のところにある銭湯がホームサウナ。たまたまですが、なぜかめちゃくちゃ本格的なロッキーサウナとオートロウリュがあって(笑)。サウナと水風呂さえあればいいので、まずは近所を探してみることをおすすめしています。家で着る部屋着って、デザインやブランドとかを気にしないじゃないですか(笑)。その感覚で、自分のパートナーとなるような行きつけサウナを見つけてほしいですね。

いつもは行きつけ、時には旅で非日常を、…いろんな楽しみ方をしてもらうといいと思います!

岡本さんが考える「暮らしの主人公」とは

「ワークライフインテグレーション。仕事もプライベートも人生の構成要素として、同じところで考えること」

「ワーク(仕事)」と「ライフ(生活)」を別のものではなく、人生の構成要素として統合的に捉え、仕事と生活両方の充実を求める「ワークライフインテグレーション」という考え方があります。人生100年時代。限られた同じ時間をどう使うか、どう命(時間)を切り崩していくかを、仕事もプライベートも同じところで考える。仕事も、家に帰って娘とご飯を食べることも、同じ人生の構成要素です。

ワークライフバランスを意識して、仕事とプライベートを完全に切り離してしまうよりも、一緒に考えると楽になると思うんですよね。見直すきっかけになるというか、時間を選択できるのが社会人なので。私は今、サウナをビジネスに取り入れていますが、例えば休みの旅行で地方のサウナに行って「ここはサ旅としていいかも!」ってなったら、一見仕事かプライベートか分からないじゃないですか。でも私はそれでいいと思っている。仕事もプライベートも合わせた私の人生の中において、それを無理やり分けるのではなく、素直に感じることやワクワクすること、そういった時間の使い方をしています。

私の中でいま娘との時間のシェアが大きくて。今までの人生の中にはなかったとても素敵な時間を過ごさせてもらっているし、あとは時間の使い方がとても規則正しくなりました。朝は娘と7時前に起きて、着替えさせてからご飯を食べさせて準備して、8時くらいに保育園に一緒に行く。娘が生まれるまでは、とにかく仕事詰めだったり、深夜まで飲んだり、夜もショートスリープで。でもそんなことやっていると疲労が溜まっていくわけで。20代後半のときより、たぶん今の方が健康ですね(笑)。朝と夜が規則正しくて、夜は娘を寝かしつけてそのまま寝落ちしちゃったり。規則正しい生活やうまい余白の作り方によって心身の健康(ウェルビーイング)が取り戻されていると思う。齢37にしてカラダは絶好調(笑)。

そうやって、人生全体をインテグレーションして自分なりの「暮らし」をデザインしていければいいなと思っています。

Profile

岡本 昂之 おかもと たかゆき

日本航空株式会社

2009年新卒で日本航空に入社。Webマーケティングなどを経て、2022年から事業開発部で新規事業開発を担当。社内ベンチャー「W-PIT」に参画し、JAL Sauna Club(サウナ部、部員数:510名)や企業連合JAPAN SAUNA-BU ALLIANCE(加盟企業数:175社)を創設したほか、サウナツーリズムを軸とした「JAL サ旅(サウナ旅)」事業を立ち上げ、ツアー商品、グッズの物販、ウェブメディア、地域活性化プログラムなど多角的に展開。「JALの中でとにかく前例のないことをやり続けている」。2017年JALが協賛したニコニコ超会議における「踊ってみた動画」企画では、「JALの岡本さん」として関連動画再生回数300万回以上を記録。現在、37歳。「サウナイヤー。サウナ界ではようやく37歳で一人前(笑)」。

※この記事は個人の感想であり、効果・効能を示すものではありません

提供元:日本航空株式会社

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