Tsukinoshizuku(月のしずく)

評論

• 2006/07/25

  彩夢

  隣の円山川などで立ち寄り湯をし宿泊はやはり湯街である。温泉街より奥に一歩入った地に佇むシンプルな造りの外観を擁する小規模旅館である。名のごとく「月をモチーフ」とし館内至る所に巧みに張り巡らされていてモダンなロビーや畳敷きの廊下、客室などにも工夫され見事に調和し和的空間を創り出している。8畳の客室も凝った造りの新和風といった感で窓からの景色とマッチして何とも落ち着ける。小ぶりな内湯に貸切り風呂なども至ってシンプルかつ清潔感あり静寂な環境の中での入浴は旅情をかきたててくれる。どんな料理が出るかと、朝夕客室で戴く食事も海の幸を中心に地の素材を生かした会席料理は味つけ、質、量とも良いではないか。美味しくいただけた。城崎では何度と宿泊しているが、初めてのこの宿は正直良かった。規模に対し湯量が伴わなくて循環式など多い城崎ではあるが、大谷川に柳が映え、しっとりとし風情のある温泉街は魅力である。