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これだけ地方が痛めつけられ、都心と地方の格差が広がっている時代、お金になるものは利用しなければ地方として生き残っていけないのも事実。「背に腹は代えられぬ」とも申します。湯けむり天使さんの昔を懐かしむ気持ちもわからないではないですが、ボランティアで湯が守れたのは、農業だけで何とか食っていけたおおらかな時代の話でしょう。むろん、無料の温泉を売りにして、他の観光施設で収入をという道もあるかもしれませんが、それは至難の道です。受付、売店、食堂とわずかでも雇用が確保される必要もあります。そのあたりは目をつぶらねばならないのではないでしょうか。個人的な経営が行き詰まって、せっかく貴重な温泉があるにもかかわらず、廃業に至った例は天王温泉をはじめ阪神間だけでも少なくありません。まして自治体がらみとなると失敗する例の方が多いのではないかと思われる中、この施設はよく健闘しているほうではないかと思われます。露天風呂だけに絞っていること、浴場の広さを浴槽よりもかなり広く取ることで少しでも開放的な雰囲気を残そうとしていることなど、成功している面も多いと思います。隣接する特産品コーナーでは地元の陶芸作家の作品を並べたり、地物の野菜を売ったり、地域の掘り起こし、活性化を図ろうという努力もみえます。その営みがこれからもうまく続いていくことを願ってやみません。
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