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奥熊野温泉・女神の湯から程近い場所にあり、泉質もよく似た優れものの温泉。女神の湯の看板は、国道311号線を走行中によく見かける一方、こちらは一切なし、そのため近くまで行っても所在がわからず、地元の人に教えを請い、ようやく到着した次第。
休憩所が受付となっており、料金650円を支払う。ここにも女神の湯と同様に入湯税が含まれているのだろう。浴場の建物は簡素なもので、凝った造りは一切無い。小さな脱衣場と小さな内湯があるのみで、浴槽もタイル張りの素朴なものが一つあるばかりだ。
しかし、入浴してみると、そのツルヌルの泉質に感激する。女神の湯に入浴した後にこちらに来たため、さすがにツルヌルの度合いではかなわないものの、完全にかけ流しされた湯は浴槽からオーバーフローしており、むしろ湯の新鮮味はこちらが上である。このような素朴ではあるが、良質の湯を提供する施設にはすこぶる好感を覚える。
サッシの窓を開け放てば、河原と山を望むことができる。おりしも雪が舞い、温泉で温めた身体が適度に冷えて心地よかった。寒い折、他に入浴客はおらず貸し切り状態で湯を堪能した。他に何も見るべきものもないが、田舎の家に帰ったような懐かしさを覚える素朴な温泉、私は十分に癒された。1人が参考にしています