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島根・湯治の旅の三泊目にして最後の温泉がここでした。
ふつう国民宿舎といえば簡素なイメージがあるんですが、ここはエントランスからしてホテルのような華美な趣な上、様々なプランも企画されており、また、私に用意されたのは一人であるにも拘らずツインベッドの洋室。
そして浴場ですが、内湯は塩素臭がするのでスルーしたんですが、露天エリアには源泉に加温した壷湯と檜風呂があり、竹の仕切りのその向こうに、巨大な酒樽の湯があります。こういった造りって、都心のスーパー銭湯っぽいでしょう(笑)
でも湯は源泉そのもののぬる湯がドバドバと放流されており、塀越しに見えるのは山の連なり。決して頭上に電線が走っていたり高い塀で囲われて何も見えなかったり、車や単車の轟音が聞こえてきたり琴のBGMが流れていたりすることはありません。
私はこの酒樽がいたく気に入り、夜など入りながら最初は夜空を見上げていたんですが、余りに長い時間見上げていたので首が痛くなってき、そうすると、大の字に四肢を拡げてそれぞれの手足を酒樽の端に引っかけ、仰臥して顔だけ湯面から浮かして星々を眺めていました。湯はぬるいんですが、温泉の成分が体の中に沁みこんできているのでしょう寒さはさして感じず、と言うか、じんわりと体の奥が温もってき、いつまでも湯に浸かっていることができました。
翌朝は男女の浴場が入れ代わるんですが、朝も6時からというのにフライングで15分前には浴場に入り、やはりそこにも巨大な源泉放流の酒樽があって、じっくりとぬる湯に浸かっていました。
青空と流れる雲を見ながら改めて思ったことは、やはり露天は大自然のなかに限るってこと。
島根・湯治の旅はここが最後となりましたが、事前にピックアップしておきながら入れなかった所もあり、是非また島根を再訪したく思いました。
あぁ、三瓶山が恋しい、ぬる湯が恋しい。4人が参考にしています