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昨年12月末に宿泊しました。
玄関を入ると、まずお香がたかれていて、落ち着いた気分になります。館内は全て畳敷きでスリッパがありません。エレベータの床まで畳敷きです。スリッパをはかなくてもいいのは本当に気持ちがいいものです。そんなところにもこの宿の客をもてなす姿勢が表れているのでしょう。
部屋はゆったりとした造りです。琵琶湖や比良の山々を望み、景観もすぐれています。部屋に入って寛いでいると、女将さんが自ら挨拶に来られたのには驚きました。
夕食は部屋出しでした。質、量ともにたいへん満足しました。先付けの小鉢やしゃぶしゃぶが印象的でしたが、中でもこの地の郷土料理だという鯖素麺は逸品でした。朝はホールでいただきます。ご飯とお粥が選べるようになっていて、私たちはお粥をお願いしました。その場で焼いてくださるあつあつの「だしまき」がとても美味でした。
肝心のお風呂は「そこそこ」という評価です。さほど大きくはない内湯と、信楽焼きの一人用の湯舟が四つならぶ露天風呂があり、どちらにも褐色に濁った湯が満たされています。循環させていますが、新湯も投入されているようで、湯舟の縁から洗い場のほうにお湯が溢れていました。お湯の感じは露天風呂の方がいいように思われました。やはり湯舟が小さい分、湯の劣化もましなのでしょう。どちらもやや熱めの温度設定で、ぬる湯が好きな方の好みには合わないでしょう。褐色に濁るわりには成分の濃さを体感できず、やや残念です。
総合的に見て、宿泊した満足度の高い良質の宿だと言えます。難を言えば、湖岸を走る4車線ある道路が宿と琵琶湖の間を通っており、景観を損ねているうえに、深夜でも車の通る音が聞こえて耳障りである点です。たしか以前にはこのような道路はなかったように記憶しています。便利にはなったのでしょうが、この宿としては失ったものも大きかったようです。とはいえ、他の点ではいい宿なので、また泊まりたいと思います。0人が参考にしています