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随分と奥地にある温泉。私は奈良県北部から国道169号線を利用したところ、路程はかなり走り応えのあるもので、入乃波温泉山鳩湯などまだ序の口、そこからが本番であり、運転に自信のない人は嫌になりそう。紀伊半島奥地へのアクセスは狭隘な道の通行が避けられないと覚悟した方がいい。
温泉施設は三角屋根のコテージなどが並ぶ、広大なおくとろ公園内にある。
浴室は内湯部分が主浴槽とサウナ、それに源泉かけ流しの水風呂代わりの小さな浴槽がある小規模なものである。ガラス面が大きく、採光性抜群の室内だ。主浴槽の湯は残念ながら循環利用されており、単純硫黄泉の冷鉱泉を加温したもの。ただ、塩素消毒の臭気が鼻をつくなどということはなく、硫化水素臭も若干残る良いものである。塩素消毒してあったとしても、硫黄の臭気が塩素の臭気を上回っていると申すべきか。
残念ながらサウナの利用は夕刻からであり、平日の昼間に利用した私は利用が不可能であった。そして、サウナの前にある木製の小さな浴槽こそがこの施設の白眉で、これが唯一源泉かけ流しの浴槽なのである。冷鉱泉をそのままかけ流しているため入浴のは適さないが、芳しい硫黄臭を堪能できる。この浴槽は淵が高く、浸かるのではなくかぶることを想定して設計されているのかもしれない。
残念ながら露天風呂は工事中で浴槽に湯がなく、利用できなかったが、飲泉場は利用でき、硫黄泉の飲泉は可能だった。ここからの景色は優れており、エメラルドグリーンに輝く川面、山間の集落や山々の連なりを目にすることができる。ロケは良好だ。1人が参考にしています