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伊豆は知り尽くしているつもりでしたが、奥が深いのですね。修善寺から車で十分。中伊豆の山あいに平成十年に生まれた新湯があります。
まず温泉ですが、別棟に、日帰り客も入ることができる①内湯と露天風呂、②北投石のミストサウナがあります。本館のほうには③貸切ラジウム湯があり、宿泊客はこの三つを利用できます。そのうち一番感激したのは、③のラジウム貸切風呂です。シルクで包まれるような感触があり、肌が目に見えるほどツルツル、ツヤヤカになります。奥伊豆の観音温泉をおもいだしました。しかし高アルカリの観音とは異なり、こちらのほうは北投石のラジウム効果。
北投石とは、火山岩に一万年以上のあいだ温泉が浸滲し硫酸バリウムと硫酸鉛が結合してできた天然ラジウムをもつ奇石で、産出地は台北温泉(台湾)と玉川温泉(秋田)だそうです。「石から放射するラドンガスが人体内部に浸透し、細胞を活性化させ、血行を促進し、しだいに内臓に作用して各器官が改善される」。そもそも玉川温泉の効能も北投石だそうで。同じ石のラジウムを源泉に放射させたものをミストにして噴射したのが、②のミストサウナということになります。本当に効きそうな感じがして何度も入ってしまいました。
お食事はどちらかというと地味メで、中高年向き。私はとても気に入りました。本当はヒミツにしておきたい温泉ですが、そうしょっちゅうは行けないし、流行ってくれないと困るのでクチコミしました(ひとつ気になったのは、北投石保存会の歴代会長や関連協会の名簿には、戦前・戦後の右翼の大立物や政治家の名がズラリ。天然記念物、特別文化財という奇石は、いずこから来たのでしょうか)6人が参考にしています