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ウェブサイトも宿の外観もおよそ趣味性をうかがわせず、宿泊料もかなり安い。不安だ。だが、公表している法外な湧出量が気になる、「ハズレ」覚悟で飛び込んだ。しかしこれほどの掛け流しとは。湯口は奔流というべき豪快さ、内湯も外湯も湯舟から怒濤のように溢れている。敷地内に源泉が自噴(無加圧)。石和全体でも県営温泉の分湯でないのは、日の出温泉とここだけだろう。ほかの宿が気の毒なゼイタクさだが、石和の歓楽街的あり方を考えると、これでよいのかもしれない。柄杓がはじき飛ばされそうな湯口はすべてもちろん飲泉可能。硫黄臭とかなり濃いミネラルがわかる。湯冷めせずさっぱりした湯。アルカリ泉本来のぬめりを、循環浴槽の「塩素ヌメリ」とくらべてほしい。掲示物などがあか抜けないが湯の良さを満喫できる気合いの浴場。何ら特別なもののない客室との気合いの落差も笑って許せる。
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