作成日:2024年03月15日
東京「狛江湯」は若い人にも大人気!サ活とクラフトビールが楽しめる今どきのオシャレ銭湯 東京
日本で2番目に小さな市、東京都狛江市にある「狛江湯」。長年地元の人に愛されてきた銭湯が、今、若い人や海外からの観光客が注目する人気スポットとなっています。わざわざ電車に乗って訪れたくなる狛江湯の魅力を探ってきました。
「狛江湯」は小田急線狛江駅から徒歩3分
日本で2番目に小さな市として有名な狛江市。小田急線の狛江駅を降りると目の前には竹林があり、新宿から急行利用で20分の場所とは思えないほど緑豊かなまちです。また、多摩川と野川に挟まれ、国分寺崖線からの湧水に恵まれた、水のまちとしても知られています。
駅前の小さな商店街を抜け、住宅街を歩くこと3分。スタイリッシュな狛江湯の看板が見えてきます。1955年の創業以来、70年近く地元の人たちの憩いの場として親しまれてきた銭湯です。
以前は飲食店の裏にあって目立たなかった銭湯でしたが、2023年4月にリニューアルオープン。ブルーボトルコーヒーなどを手がけたスキーマ建築計画の長坂常氏が設計を担当し、スタイリッシュなデザイナーズ銭湯へと生まれ変わりました。
コンクリート打ちっぱなしの外観に発泡スチロールの鉢に植えられたグリーン。ちょっと銭湯には見えませんよね。
入口を入るとそこはカフェバー「SIDE STAND」。
え、やっぱり銭湯じゃない?!
いえいえ、大丈夫!れっきとした銭湯です。
よくよく見渡すと、レトロな下駄箱に壁にはタイルで描かれた富士山の絵。大きな冷蔵ショーケースの中には牛乳やオロナミンCなど銭湯の定番ドリンクと、銭湯でよく見かける設備が揃っています。
カフェバーのカウンターは番台も兼ねているんですよ。
「狛江湯」の利用方法
狛江湯のチケット購入方法は2パターン。現金の人は入って左手にある券売機でチケットを購入。クレジットカードや電子マネー、ICカードの人はカウンターで支払いをします。
サウナは人気で順番待ちとなってしまう事もあるそうです。特に週末などは開店して30分でいっぱいになってしまうときもあるとか。時間に余裕をもって行くようにしてくださいね。平日は夜、仕事が終わってからが混むそうです。空いているのは平日の昼間。特に木曜日はねらい目とのことでした。
靴を下駄箱に入れたら、下駄箱の木札と交換で脱衣所のロッカーキーをもらいます。レトロな下駄箱はとってもオシャレ!リニューアル用に探してきたのかと思ったら、以前から使ってきたものなのだそうです。
サウナ利用料には貸しタオルとバスタオル代が含まれています。
サウナを利用する人はリストバンドを巻いてもらい、バスタオルとフェイスタオルを受け取ります。リストバンドは、帰り受付で切ってもらえるので、忘れてそのまま電車に乗ってしまうなんてことはありません。
脱衣所ではロッカーキーの番号と同じロッカーを使用します。
コンパクトだけどいろいろ楽しめるお風呂
ミネラル豊富な地下水を使用した沸かし湯
浴室に入ると床や壁にテーマカラーの緑のタイルが敷き詰められています。緑といっても目に優しい若葉のような薄緑色なので、とっても落ち着きます。
タイルはタイル生産地として有名な岐阜県多治見市のメーカーに頼んで作ってもらった特注品。47mm、97mm、47x97mmの3種類のタイルを組み合わせています。
壁にはあつ湯、炭酸泉、水風呂など文字が、タイルを組み合わせて書かれています。文字に気づくと思わずフフッと笑顔になっちゃいますよ。
お風呂は42度あつ湯と38度の高濃度炭酸泉。
常連さん達は気持ち良さそうにあつ湯につかっていました。
あつ湯の一部はジェットバスになっています。ジェットの威力はそんなに強力ではないのですが、範囲が広いので、お尻を浮かすとそのままフワフワとただよってしまいそうになります。腰や背中を点ではなく面で刺激され、全体的にコリがほぐれました。
炭酸濃度1,000ppm以上で医療効果が期待できるといわれている高濃度炭酸泉は、体温に近い温度なのでずっと入っていられます。
オートロウリュウ+水風呂+内気浴でととのう
3段になってるので、好みの温度の場所が選べます。
サウナも本格的!座面はヒノキ、壁は熱を放射する麦飯石、サウナストーブはSAWOのヒーターで、毎時00分、20分、40分にオートロウリュウが行われます。室内の温度計は85℃となっていましたが、20分おきのオートロウリュウは滝汗をかきますよ。
壁のサウナハット掛けは3Dプリンターで自作したもの(男性用浴室のみ)
水風呂はチラーで14度に設定されています。14度はちょっときついかな~と思って入ったのですが、想像していたほど肌がピリピリせずマイルドな感覚。水風呂もお風呂も、地下から汲み上げている地下水を利用しているのだそうです。お湯やお水が肌に優しく感じられたのは、弱アルカリ性の天然水だったからなんですね。
天井のスポットクーラーからピンポイントであたる風が気持ちイイ!
水風呂の後は内気浴。スポットクーラーからの心地よい冷風でクールダウンできます。
洗い場もシンプル&スタイリッシュ、かつ使いやすくて機能的。
固定式のシャワーはヘッド部分の角度を変えることができ、隣や後の人にお湯がかかる心配もありません。
バスアメニティも揃っているので、手ぶらで気軽に利用できます。
脱衣所には無料で利用できるドライヤーも完備されています。写真は男性用脱衣所内の洗面台。女性用はもう少し広いです。
オリジナルグッズも人気!帰りに購入して行く人を多く見かけました。
冷たいクラフトビールとおいしいフードが待っている!
お風呂やサウナでしっかり汗を流した後は、カフェバー「SIDE STAND」でひと休み。冷たいクラフトビールで喉を潤しました。常時4種類のクラフトビールが揃っています。暖かくなると大きな窓も開放されて、縁側のような雰囲気になります。
サワービールFirst Inning(1,000円)とスパイスポテサラ(500円)。どちらも税込価格です。(2024年3月現在)
この日のオススメは、千歳船橋のサワービール専門店SOUR SWAMPさんと和泉ブルワリーさんがコラボしたサワービールFirst Inning。せっかくなので、そちらをオーダーしました。が、ひと口飲んで予想外の味に思わずむせてしまうことに!
酸っぱ!ビールなのに酸っぱ!
あとからほのかな苦味が来て、後味はふんわり甘い。乳酸菌で発酵後にパイナップルとマンゴーを加えたという、酸っぱさと甘さのバランスが絶妙な、今までにない味わいのビールでした。
フードメニューも自慢の逸品が揃っています。やはりオススメだというスパイスポテサラをオーダー。スパイスというからには激辛?とドキドキしながら口に運ぶと、辛さはそれほどでもなく、ほどよいスパイスの風味を楽しむポテトサラダで、ビールとの相性もバッチリでした。
ビールが飲めない人も安心してください。自家製クラフトコーラや自家製チャイ、レモンスカッシュにクリームソーダもありますよ。
ビールを飲んでいる人の横で、お風呂上がりの地元のおばあさんがオロナミンCを飲んでいたり、お散歩帰りの若いお母さんがベビーカーを押しながら入ってきてクリームソーダ―を飲んでいたり。さらには海外からのお客さんが魯肉飯を食べてたりと、銭湯のお客さん以外も自由に利用できるカフェバーは、地元の人の社交場となっているようでした。年齢も国籍も関係なく寛げる場所って素敵です。
立ち飲みもできるオープンエアスペース
外観撮影をしようと外に出たら、制服を着た高校生が数人「かっこいい~~!」と言いながら狛江湯を覗いていました。春には狛江に引っ越してくるのでしょうか?将来の上客となること間違いなし。
小さなまちの小さな銭湯「狛江湯」の持つ大きな役割
カウンターには有名人のサインがたくさん!
現在の狛江湯を運営しているのは三代目となる西川隆一さん。半径2kmほどで歩いて一周できてしまう小さな狛江市は、みんな顔見知りのような感じで落ち着いたまちとなっているそうです。でも、10年、20年と先のことを考えると今のままでいいのかな、もっとまちを活性化させていきたいと考え、今回リニューアルを決断。
その結果、地元の人だけじゃなく、電車に乗ってたくさんの人が訪れる銭湯になりました。特に銭湯文化のない海外からも注目されるようになって、狛江湯が紹介されたインスタグラムは3万以上の「いいね」をもらったそうです。
実は狛江市に降りたのは私も初めてでした。でも、商店街で気になるお店も見つけたし、竹林や川沿いの散策もしてみたい、もっと狛江について知りたい、と思いました。今後、私と同じように狛江湯目的で来て、狛江市に興味を持つ人も増えてくると思います。将来の四代目候補のお子さんたちも、狛江湯が大好きとのこと。10年後、20年後も楽しみです。
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