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投稿日:2011年5月18日
簡素な湯小屋に感動のお湯が (湯川内温泉かじか荘)
ごんごんさん [入浴日: 2011年5月5日 / 2時間以内]
55.0点
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九州温泉道対象の施設ですが、福岡からだとかなり不便なイメージがあったので当初はパスするつもりでした。
けれど、人吉の華まき温泉で同浴になった女性が「かじか荘いいよ~」と力説。
いつも参考にさせていただいているブロガーさんも絶賛。
これは何としても伺わないと、という思いになりました。
訪問日当日の朝は、えびのの亀の湯温泉という共同湯に行ったのですが、そこで出会った女性からも「かじか荘よかった~」という話題が出て、放浪人さんの「人口に膾炙されている」(←国語辞典で調べました^^;)という形容が正に言い得て妙だ!と思いました。
宿泊していたえびのからは、イメージしていたより道が良くて車で1時間半ぐらい。11時前に到着したのですが駐車場には既に多くの車で賑わっていました。
いかにも不慣れな様子で受付に伺うと、ご主人が「すぐ目の前と少し登ったところの2ヶ所が温泉です。両方入ってもいいですよ。」と教えてくださいました。「どっちが足元湧出ですか?」とお伺いすると、「どちらもそうですよ。どちらも泉源の上が浴槽ですから。」とのこと。
泉源の上が浴槽・・・・・!
しかも2ヶ所!
温泉好きにとってなんと魅惑的な言葉でしょう。
大はしゃぎのごんごんに、旦那さんも「しゃーないな~。2つとも入るしかないな~。」と呆れ顔でした
まずは石段を少し登ったところにある上のお湯へ。
木造の簡素な湯小屋。右手には「温泉神社」の赤い鳥居もありますが、湯小屋のひさしに吊り下げられたコロンとした提灯(定食屋さんとか盆踊りで飾られている類)が、大衆的な雰囲気を醸し出しています。
玄関で靴を脱ぎ、右手が脱衣所一体型の浴室。脱衣所から数段降りたところが湯船と洗い場です。
6人ほど先客がいらっしゃいましたが、湯船からは大量のお湯が流れだしていて、脱衣所から見るお湯はまるで1番湯のように清らかで透明にキラキラと輝いています。入浴中の方がいらっしゃるので、本来は目を逸らすのがマナーだと思いつつも、脱衣所から洗い場に降りる間もお湯に目は釘付けでした。
ほんの数時間前に身体を洗ったところでしたが、神々しいまでに透明なお湯を前に、改めて石鹸で体を洗ってから湯船へ。
過去に入ったどこの温泉とも違う肌の上を滑るような独特な浴感です。やわらかな硫化水素臭が漂い、いつまでも入っていられそうな心地の良いぬる湯で、先客の方たちもおしゃべりしながら長湯を楽しんでいました。
湯面付近では無色透明に見えますが、膝辺りから下は薄いコバルトブルーに見えます。お湯自体のの色なのか光のなせる技なのか。なんとも美しい色です。
しばらく浸かっていると身体には気泡が。正に至福です。
ずっとずっと浸かっていたかったのですが、下の湯も体験せずにはおれません。
服を着て、いそいそと受付棟の前にあるプレハブの湯小屋に移動。こちらは脱衣所と浴室の間にパーティションがあります。
下の湯は湯温が少し高めで、そのためか泡付きは上の湯より少ないです。
けれど、やはりやわらかい硫化水素臭のする肌触りのよいお湯で、木製の湯船の縁は成分でつるつるしていました。お湯はやはり他では見たことのない透明度で、淡いエメラルドグリーンのように見えました。
鄙びた仮設のような湯小屋に小さな内湯が1つがあるだけ。サウナや露天風呂などありません。
周囲には商店や飲食店の1軒さえなく、温泉に贅沢さや娯楽的な要素を求める人にとっては、時代に取り残された不便な湯治宿に思えるでしょう。けれど、ごんごんにとってはあの心を揺さぶるお湯に好きなだけ浸かれるということが何よりも贅沢なことに思えます。絶対にここは泊まりに伺います。
湯上りに受付棟に伺い、ご主人に「九州温泉道に参加してくださって、本当にありがとうございました。」と心からお礼を申し上げ、オリジナル石鹸(500円・画像)を購入しました。
こんな素敵な温泉に出会えるなんて、温泉の神様にありがとうな気持ちです!
HP:http://nttbj.itp.ne.jp/0996621535/19人が参考にしています
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