Fukushimaya Ryokan(福島屋旅館)

評論

• 2015/05/19

  TAKE

  こちらは角間温泉にあるお宿の一つ。大湯の正面に立地します。新規施設登録が出来たので紹介します。 お向かいにある越後屋さんや、ようだやさんは古き趣を残していますが、その様な古い建築を残すのは大変ですね。ようだやさんは現在、外観をお色直ししている最中でした。大正期以前の建築物を残す湯宿は少なく、現在では昭和初期のものでも国指定文化財となっている処を各地で見掛けます。こちらのお宿もそれなりの歴史はあるのでしょうが、対照的にリニュアルをされた感じです。 さてこちらのお湯はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉、泉温66.4℃、源泉名は上原第１原湯・上原第２原湯・小つちの湯混合泉。主な成分はNa:266.8mg、Ca:51.1mg、Mg:0.2mg、Li:0.8mg、Sr:0.2mg/Cl:352.1mg、硫酸:167.8mg、炭酸水素:42.7mg、CO3:9.0mg、Br:1.7mg、F:1.2mg、HPO4:0.5mg、HS:0.2mg/メタケイ:118.4mg、メタホウ:50.3mg。溶存物質（ガス性除く）:1087.1mg/kg、総硫黄:0.2mg、pH:8.2。 使用状況はありませんが。飲泉升の供えられた湯口から掛け流されるのみとなっており、「源泉掛流し」となっている様です。やや熱めのお湯なので、加水はご勝手流となります。 内湯のみ、木の縁取りの浴槽は2.5畳サイズ。湯色はほぼ無色透明。湯の香りは仄かな塩化物系。浴感的にはつる感あり。湯温はややあつ42強～43℃の具合。加水はされておらず、基本的には投入量にて調整されている様です。味見をしてみると塩気はそこそこ感じます。 宿泊部屋からは大湯がすぐ目前にあり、その隣には越後屋さん。見る側には、この風景でも悪くない感じですね。 夕食は信州の「山の幸プラン」でした。 やはり山菜の天麩羅は信州定番。揚げたてのサクサク感が命です。ニワトコ・ウド・コゴミなど。珍しいところではミヤマユラクサという、高地にあるアザミ類。白山の秘湯の宿でも、食した様な覚えがあります。他には「鳥とフキノトウ」、「山ウドの胡桃味噌和え」…等々、山菜をアレンジ感じです。台物は鹿肉でした。印象に残ったのは、しのぎに出て来たプチ丼。黄色いニジマスの卵とイクラの２色です。ニジマスの卵は普通には出回らない珍味なのだとか。 ２食付ですが、宿泊料は酒代を別として1万円未満でお安かったです。お料理も内容充分でした。なお、お土産に地産のお米を２合ほど頂いた。 こういった、信州の素朴な湯宿は良いですね。