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有名温泉地から日帰り温泉、露天風呂、秘湯まで温泉口コミ&クーポンが充実

夏ランキング2019

湯けむり天使

湯けむり天使 さん

平均43.5点 / 396件

天然温泉のみならず都会の銭湯をも愛し、温泉により癒しを得る、根っからの温泉好き。少年時代より温泉好きは骨がらみ。多忙な日常の合間に湯けむり行脚、これまた格別。

性別男性 年齢 指定なし 住まい奈良
HP指定なし
ブログ指定なし

396件中 1件~10件を表示

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口コミ点数の高い順

  • 幽谷の小宇宙

    投稿日:2013年9月23日

    幽谷の小宇宙紅葉館感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2013年9月5日 / 1泊]

    総合評価 55.0点

    お湯

    55.0点

    施設

    55.0点

    サービス

    55.0点

    飲食

    55.0点

    七味温泉は紅葉で有名な松川渓谷の一番奥に位置する山間の秘湯で、谷間に数軒の宿がひっそりと建つまことにささやかな温泉地である。まさに秘湯というにふさわしく大型ホテルや歓楽施設等の俗臭が一切無い聖地だ。このような温泉地にこそわたくしは魅かれる。七味という名称だからと言って、赤い激辛の塩湯であるわけでもなく、七味唐辛子とは何の関係もない。エメラルドグリーンの神秘的色合いの硫黄泉がこの温泉地の魅力だ。

    平成23年にリニュアルされた外観はまさに和風モダン、中にお邪魔すると女将さん手作りの愛らしいキャラクターが随所に置かれ、心和む。大きな窓際にはセンスの良い苔玉などが置かれる。それら小道具は和風モダンのロビーに違和感なく調和し、小宇宙を形成している。所謂田舎の応接間とは対極にあって、すこぶる上品で居心地が良い。ロビーから真っ直ぐ進むと、その突き当りが浴室である。

    紅葉館内の温泉施設は左右に別れ、露天に一人用炭風呂浴槽がある方が昼間男湯になり、洞窟風呂のある方が女湯となる。だから立ち寄り湯では男性は洞窟風呂に入浴できず、女性は炭風呂を堪能できない。双方堪能したければ宿泊を要する。幸いわたくしは宿泊場所としたためいづれの湯にも入ることができた。

    ここの内湯は小振りである。露天風呂は見事な岩風呂で、山の木々を眺めながらの快適な湯浴みとなる。極寒の季節を除いてここでは露天風呂を利用する人が大半だろう。夏場の眺望は緑一色、やはり眺望を優先すれば紅葉の季節が一番に相違ない。エメラルドグリーンの美しい硫黄泉に浸かり、紅葉を眺めるという日本ならではの快楽に浸ることができるだろう。
    内湯も露天風呂にも同じく緑白色の含硫黄ーカルシウムー硫化塩泉の湯が張られており、双方ともにかけ流しで利用されている。この宿は湯量豊富で十分かけ流しで対応できるのである。同じ硫黄臭の白濁する湯でも、ここの湯は万座の強烈な湯とは異なり、臭気もやや薄く身体には優しい。浴槽に源泉を注いだ当初はエメラルドグリーンに近く、時間経過とともに白濁が進むもので、わたくしの入浴時には緑がかった白濁色といった色合いであった。

    洞窟風呂は、内湯から露天へ向かう途中の山をくりぬいて造られているものだが、規模は大きなものではない。雨天の際はともかく、解放感を求めるならその先の露天風呂が良い。
    わたくしが一番気に入ったのは、露天エリアにあるお一人様用炭風呂である。二つの湯口から注がれる湯が混じると黒く変色し、黒い湯の花が乱舞することになる。湯舟の淵など黒く染まっている。当然のことながら身体も黒く染まり、足の爪などは見事に黒くなる。内湯と露天の岩風呂に注がれている硫黄泉は夏場ともなればやや厚く感じられ長湯は苦しい。そんな折にこの炭湯が重宝する。

    食事も優れものである。豪華絢爛の食材を望むならば海の宿へ行く方が良い。この山間の宿ではご主人が山に入って採ってくる山菜に代表されるような当地の食材を上手く利用した芸術品とも申すべき料理なのである。信州牛ステーキを加えて少々贅沢してみたが、すこぶるリーズナブル、ご当地の食材を存分に味わい充分に満足した。

    わたくしの利用時は他に宿泊客がおらず貸切状態、風呂は24時間好きな湯に入ることができ、安価な普通室を予約したにもかかわらず女将さんのご配慮でリニュアルされた新しい部屋、それも眺望の良い川側の部屋に案内され料金は普通室を利用した際のままであった。リニュアル部屋は綺麗で、トイレも最新のシャワートイレ完備だ。まことに恐縮至極、奇跡的な一晩の悦楽を味わった。早朝窓を開けると雲が山裾を随分早く抜けてゆく幻想的光景を目にした。山間の温泉宿に似つかわしい川のせせらぎも心地良い。川のせせらぎの音以外、こんなところでは何の音も不要だ。

    玄関先に猫が幸せそうに寝ていた。時折人に慣れた野生の狸が出没するらしい。動物が安心して寄って来るというのは、宿の住人が心優しいということ。わたくしは様々な宿を訪れてみたいので、定宿というものはないが、この宿は来年もまた来てみたいと切実に思うようになった。次回の訪問時にはきっと、大好きな故郷に帰ってきたような心境になることだろう。温泉にも食事にも満足したが、それ以上の魅力がこの宿にはあるからだ。宿を魅力あるものにできるのは宿の人以外にない。心優しいおもてなしと、女将さんが創り上げた山間の小宇宙にわたくしはすっかり心奪われた。

  • 雲上の悦楽

    投稿日:2013年9月23日

    雲上の悦楽豊国館(ほうこくかん)感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2013年9月6日 / 2時間以内]

    総合評価 55.0点

    お湯

    55.0点

    施設

    44.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    白根火山帯西嶺と万座山の谷間にある万座温泉、標高1800メートルの高地に位置するため、鄙びたとか、長閑なとか、情緒豊かななどと形容できる温泉地ではない。周囲には岩肌むき出しのある意味野性味あふれた光景が広がる。
    その中でも、泉質が優れると評判の、かつ湯治場全とした雰囲気を最も残す近代的ホテルとは対極にある豊国館を立ち寄り湯の場として選んだ。万座のごとき強烈な温泉を僅かな時間の立ち寄り湯で済ませることに忸怩たる思いがあったが、入浴を請うてみて改めてその実力を思い知った。

    数ある万座温泉のなかで、年季が入った木造の建造物の、所謂玄人受けする湯治場の雰囲気を色濃く残す豊国館。館内を歩けば床がぎしぎし鳴り、自炊の湯治客らが行き交う正に湯治場、近代的アメニティなど一切保有することのない伝統的温泉宿だ。この雰囲気が好きな人にはたまらない魅力だろう。

    温泉設備としては男女別内湯と女性用露天風呂、そして混浴露天風呂を有する。内湯は3メートル四方ほどの比較的小振りなものが一つ、その木造の湯舟に白濁泉がかけ流されている。湯口は丸太をくり抜いたもので、温泉成分のため白く染まる。この宿の利用源泉は苦湯と称せられるもので、酸性ー含硫黄ーナトリウムー硫酸塩泉なる泉質、湯温は75.8度の高温泉、PHは2.3という強酸の湯である。苦湯とは申せ、飲んでみると意外なほど苦味はなく酸味を感じる湯だ。ただ、さすがに夏場、この湯は熱い。

    男湯からは混浴露天風呂用脱衣場を経由して混浴露天風呂にアクセスできる。女湯から直接混浴露天へは出入りできず、混浴露天風呂用の脱衣場で脱衣せねばならない。女性にはやや面倒なことだろう。
    しかし、ここに来た以上、混浴露天風呂の解放感をぜひ味わうべきだ。広々とした長方形の湯舟に浸かりながら、眼前に広がる荒涼たる岩肌から湯けむりが上がる光景を見れば、万座へ来た甲斐があるというもの。この湯舟は意外なほど深く、大人の胸あたりまである。かなり熱い湯であるが、湯舟の中にホースが二本ほど入れられており、そこから冷たい地下水が流れている。時折冷水を浴びたり飲んだりしながら過ごすのが良い。
    何より魅力なのはその泉質で、硫黄臭の強烈さに圧倒される。入浴後に着用した衣服は洗濯後も硫黄臭が消えず、家人に疎まれるほど。関西には無い、火山系のこれぞ温泉!という強烈さに圧倒される。地球が沸かしたスープを雲の上で味わう悦楽だ。

    万座温泉を味わうには日帰りではいかにも勿体無い。今回は温泉の一端を味わったに過ぎない。湯治で数日間この温泉を堪能したら、さらに絶賛するレポを書くことになるだろう。

  • 泡付き微温湯の快楽

    投稿日:2013年9月21日

    泡付き微温湯の快楽田沢温泉 有乳湯(たざわおんせんうちゆ)感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2013年9月6日 / 2時間以内]

    総合評価 55.0点

    お湯

    55.0点

    施設

    44.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    情緒ある田沢温泉の一角にある立ち寄り湯。泉質面で評価が高く、信州温泉行脚では外せない場所だ。
    施設は近年建て替えられた新しい木造建築で、外観は立派な湯殿造りである。玄関先の券売機で入浴券を購入して受付のスタッフに支払う近代的システム。規模は都会の銭湯より小振りだが、温泉地のジモ専共同湯の類をイメージすると裏切られる。近代的入浴施設として観光客にも対応している万人向け施設だ。
    脱衣場には鍵付きロッカーはないので、貴重品ロッカーを利用すればよい。こんなところにも観光客への配慮が見られる。シャンプー等の備品は一切ないので念のため。


    浴室には扇を半分に割ったような形状の浴槽が男女の仕切り壁に沿ってひとつあるのみ。カランは独立式でちゃんとシャワーまである。浴室はすべてタイル地で、究極のレトロである鹿沢温泉紅葉館入浴後にこちらにお邪魔したため若干の違和感を覚えた。確かに総木材のレトロな雰囲気には旅情を覚える。しかし旅情など旅行者のエゴに過ぎない。清潔で湯使いが優れものであれば何も問題などありはしない。
    ここでは小振りの浴槽に加水なし・加温なし・塩素消毒なし・完全かけ流しで源泉が注がれているという素晴らしい温泉利用法である。田沢温泉2号・3号の混合泉である単純硫黄泉は、39.5度という絶妙の清明なぬる湯で、微かな硫化水素臭と泡付きがまた結構なもの、夏場でも長湯が可能だ。慌ただしい立ち寄り湯が実に勿体無い思いがした。こんな湯でこそ命の洗濯ができそうだ。浴槽に身を沈め、目を閉じて心静かに瞑想する快楽を味わえる。微温湯ならではの贅沢だ。

    浴槽の湯と浴槽の手前にある掛り湯の色合いが若干異なるが、掛り湯とカラン・シャワーの湯は1号泉が利用されているため違っていて当然、カラン・掛かり湯も混じり気なしの源泉というのは実に有難いものだ。まことに贅沢な湯使いで、このような施設が近くにあれば私は毎日通うことだろう。この贅沢さで200円は相当なバーゲン価格に思える。

    利用者は平日であったためか地元民が多いと見受けられた。彼等や受付スタッフの話を聞くと、この湯に誇りを抱いている印象である。身体にすこぶる優しい印象の湯なのだが、長湯すれば結構効くらしい。こんな湯であれば存分に自慢してもらってかまわない。今回は温泉行脚の〆に利用したが、大正解であった。

  • 一軒宿の極上湯

    投稿日:2013年9月16日

    一軒宿の極上湯鹿沢温泉紅葉館感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2013年9月6日 / 2時間以内]

    総合評価 55.0点

    お湯

    55.0点

    施設

    0 - 点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    55.0点

    明治2年創業の歴史ある宿。鹿沢温泉は大正7年の大火で大半が焼失、旅館のほとんどは他の場所に移ったが、紅葉館のみ当時の鹿沢温泉の場所に存続し、現在は一軒宿である。一軒宿の秘湯という佇まいにまず魅かれる。尤も、国道沿いの立地は秘湯という雰囲気には若干遠いのではあるけれど。

    そば屋とおぼしき入口から立ち寄り湯を請い、食事場所となっている座敷を抜けて浴室に向かう。浴室の造作はすべて木造の年季が入ったもので、四角い湯舟も木の淵で囲まれまことに良い雰囲気を醸し出している。湯舟の源泉湯口の周辺は珊瑚のごとき析出物がこびりつき、まがうことなき濃厚な温泉成分を示す。男女の仕切り部分には火を囲んで踊る女人の神話的レリーフが彫られ、湯治場の雰囲気を深めている。決して広くない浴室にはカランやシャワーなど近代的入浴設備など一切無く、4、5人入れば一杯になる湯舟がひとつあるのみだ。昼間の入浴でも浴室が薄暗く、こげ茶色の木材の壁と床に囲まれ、侘び寂びの湯治場の雰囲気に浸ることができる。こんなところでシャンプーを使いたいなどという気分にはとてもならない。ただただ静かに湯に入って湯を堪能したいという謙虚な気分になる。

    湯舟に注がれている源泉は「雲井の湯」と銘打たれたマグネシウム・ナトリウムー炭酸水素塩泉。湧出温度は44度ほどでよく温まる湯だ。打たせ湯もあり、これは「龍宮の湯」という別源泉のぬる湯だ。また常時冷水も出ており、のぼせた身体をクールダウンすることもできる。かのようにここでの温泉の使い方はすこぶる原始的、そこがまたよろしいのである。
    湯舟の湯の色合いは微白濁の薄い緑灰色で、赤褐色の湯の花が舞う。草津や万座の白濁した強烈な硫黄泉に入浴した後にこちらに寄ったため、すこぶる優しい湯に感じられ、出汁昆布のごとき味覚と金気臭にすこぶる満足した。湯温も激熱ではなく私にはふさわしいもの。短期間の立ち寄り湯では勿体無く、湯治に来たいと思わせる極上湯と落ち着いた雰囲気だ。加水・加温・塩素消毒・循環という温泉を殺す所業とは正反対の完全放流式を採用しているのが何よりも素晴らしい。

    入浴のみなら500円。今回は1100円の盛りそばとのセットを選択したが、これはお奨めである。大阪の堂島で蕎麦の修行をされたご主人が、大阪堂島「喜庵」の暖簾分けを受けて当地で営業しているもので、すこぶるコシの強い極上の蕎麦を堪能できる。蕎麦湯がまた格別だ。
    レトロな湯治場全とした浴室と極上の湯、それに旨い蕎麦を併せて私はすっかり魅了された。

  • 至福の共同湯

    投稿日:2013年9月9日

    至福の共同湯白旗の湯感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2013年9月5日 / 2時間以内]

    総合評価 55.0点

    お湯

    55.0点

    施設

    55.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    シーズンオフ平日の昼間に草津を訪れたのだが、さすがに草津、人が多い。湯畑周辺は人だかり。草津温泉の施設について、珍しく前知識なく訪問したため、観光協会とおぼしきユニフォームを着た人に草津の立ち寄り湯のお奨めを訪ねてみると、湯畑近隣の「御座之湯」と「大滝之湯」を奨められた。「御座之湯」の目前にこの「白旗之湯」なる共同湯の湯舎が建っており、源泉原理主義者であるわたくしは、迷わず「白旗之湯」を選択した。選択に誤りはなかった。地元にお金を落とさずに申し訳ないが、観光用入浴施設より温泉情緒・泉質ともに優れ、かつ無料の地元の共同湯を選んでしまうのは温泉好事家の性である。

    ここは湯畑にすこぶる近いのだが、湯畑源泉ではなく独自の白旗源泉を引く。ゆえに草津では貴重な共同湯である。激熱なのは他の共同湯と同じだが、白濁するのは草津では珍しい。酸性ー含硫黄ーアルミニウムー硫酸性・塩化物温泉の強烈な酸性泉は湧出温53.2度、当然のことながら循環など為されるはずもなく、強烈な酸性泉のため塩素消毒も必要ない。また草津ではタブーの加水も当然ない。そのままの源泉が湯舟に注がれる原始的温泉利用法である。小さな共同湯の魅力はそこにある。

    浴舎は木造で魅力ある造作、内部の浴槽も床も壁もすべて木造。男湯・女湯左右対称ではなく、男湯は大小独立した浴槽が離れて設置されている。大き目の浴槽がぬる湯、小さな浴槽は激熱の湯がたたえられる。ぬる湯とは申せ、激熱湯と比較すればぬるいと云えるもので、かなり熱い湯であることに間違いはない。常連とおぼしき老人は、大きな浴槽が44度、小さなものが47度あたりの湯温と申されていた。熱い湯が苦手なわたくしは大きな浴槽の淵に坐り、何度もかけ湯をして身体を湯に慣らしたうえで気合とともに身体を沈めるのがせいぜいであった。硫黄の香りが鼻を衝き、身体が若干ヒリヒリとする。草津の湯は身体に効きやすいので早々と上がった。

    男湯の大き目の浴槽の上には高い湯気抜きスペースがあり、窓から陽の光が差し込むのを眺めながら湯に浸かるのが愉しい。共同湯ならではの愉しみだ。情緒満点の浴舎と効能抜群の酸性泉、わたくしには文句のつけようがない。いつも混雑すると云われるこの共同湯だが、わたくしを含めて三人しかいなかったのは勿怪の幸いであった。



























































  • 極楽湯治場

    投稿日:2013年9月7日

    極楽湯治場加賀井温泉一陽館感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2013年9月5日 / 2時間以内]

    総合評価 55.0点

    お湯

    55.0点

    施設

    33.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    松代温泉の中に独自の源泉を持つ加賀井温泉という一軒宿の温泉があり、江戸中期に松代藩に正式に温泉として認められたのがこの一陽館である。尤も現存する建物は昭和初期のもであるらしい。現在は諸事情から日帰り客のみの対応となっている。
    温泉好きには知る人ぞ知る温泉で、その個性ある泉質・浴舎・入浴方法が、名物管理人と相俟って信州を訪れる温泉好事家には決して外せない場所である。しかしここは飽くまで地元民のための温泉療養施設であり、余所者の家族連れによる子供のプールと化させてしまうような振る舞いは以ての外だ。

    初めての訪問だと告げると管理人による講釈の洗礼を受けることになる。講釈など要らないから早く風呂に入りたいという向きもここは洗礼をきっちりと受けた方が良い。温泉井戸に案内されて湯桶を覗かせてもらい、炭酸ガスにむせ返ったり、内湯から露天への移動法、車上荒らしを避けるべく貴重品を必ず携行すべきことなど、ここを利用するに不可欠な情報を伝授してくれる。勿論これは初回のみで、私は昨年受講済みである。

    入浴料は一浴300円、750円で休憩室を利用して何度も入浴できる。休憩室に隣接した男女別の浴舎に入るとすぐ横に靴箱がある。目の前が縦長の浴室であり、その佇まいは風情を誘う。鰻の寝床のごとき浴槽が手前から奥に真っ直ぐに延び、窓側に脱衣籠が並ぶ。浴室と脱衣場所が一体の九州の共同湯然とした佇まいである。男女の仕切りはすりガラス。温泉好事家はまずこの構図にやられる。
    浴槽の手前から透明の源泉が静かに注がれ奥に流れゆく。色合いは私の入浴時は灰緑色とおぼしき色彩で、湧出温度は41度と絶妙、ぬる湯ですこぶる療養向けだ。含鉄ーナトリウムーカルシウムー塩化物温泉は存在感抜群の濃厚湯で、味覚は塩味とえぐみが混じる。本来は木質の浴槽に析出物のコーティングが施され、浴槽から続く床は褐色の千枚田状態という濃厚泉にはおなじみの嬉しい光景を目にすることができる。ケロヨン桶などこげ茶に変色し原色をとどめない。そんな中での湯浴みは最高だ。

    ここの露天風呂は内湯から若干離れた場所にあるため、裸体のまま一旦外に出て移動する必要がある。女性はバスタオル巻での移動がよいだろう。
    露天は四角い浴槽が二か所、手前が湯温の低い茶色の浴槽、奥がやや湯温の高い薄い褐色の湯。好みに合わせて入る場所を選べばよい。源泉は無色透明で時が経てば酸化して茶色に変色するおなじみの光景だ。夏場は手前の浴槽が人気で皆さんすこぶる長湯、夏場であったためか、内湯より露天に沢山の老若男女ならぬ「老男女」がくつろいでおられた。70年ほど通い詰めている猛者もいる。露天風呂からの景色は風光明媚とは言い難いが、優れた湯を堪能するに何の支障もない。

    雑然として無粋な露天風呂周辺をもう少し小奇麗に整理して頂きたい等、気になる部分も若干あるのだが、300円でこれだけの良泉を堪能できれば私には何の文句もない。個人的には内湯の佇まいに心射抜かれた。近くに住んでいれば心静かにこの良泉で命の洗濯をするだろう。

  • 美しき碧き硫黄泉

    投稿日:2011年10月16日

    美しき碧き硫黄泉金太郎 カルナの館感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2011年9月15日 / 2時間以内]

    総合評価 44.0点

    お湯

    55.0点

    施設

    44.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    金太郎温泉がある富山県魚津市は新潟県境に近く、関西人からは相当遠方のイメージがあるが、高速道路を利用するので意外なほど便利な場所にある。「金太郎温泉」にせよ「カルナの館」にせよ、このあまりにもベタなネーミングのせいでやたらインパクトが大きく、また施設もコテコテの大規模豪華絢爛系統。このような立派系施設は見かけ倒れに終わる場合が大半なのだが、ここは予想に反して肝心の温泉が優れもの、健康増進を希求する創業者のこだわりか、源泉の良さを損なうことなく温泉を提供する良心的温泉施設であり、泉質重視派の身にも大変満足のゆく温泉であった。
    宿泊ではなく日帰り利用であれば、「カルナの館」という名称の宿泊施設と隣接する日帰り大規模施設での入浴となる。

    かなりの立派系施設であるため内湯も露店風呂もすこぶる広く、全国から集められた巨石を立山連邦をイメージして組み上げた巨石群が目を引く雄大な内湯には、長方形の大型浴槽のみならず、ジャグジー、エステバス、寝湯等の機能バスに加え、歩行湯まである。それらすべての浴槽に白濁した硫黄泉が潤沢にかけ流されているのである。
    「健康道場」とネーミングされた、源泉の新鮮さを最も残している小さめの浴槽で飲泉も可能である。私が最も湯が新鮮であろうと感じたこの浴槽の壁には、効果的な入浴方法などが記載された掲示があり、純粋湯治用浴槽であるというのも好ましい。豪華な巨石群等のイメージ創出にはまったく興味がない私も、源泉を純粋にかけ流す湯治目的の浴槽をきっちり作ってあるところには好感した。温泉は源泉の良さと利用法がすべてであるから。ただ、この浴槽は夏場には少々熱く感じられるので、露天風呂の小さな浴槽などに浸かるのが寧ろ快適ではある。
    飲泉してみると、意外なほど塩辛い。それもそのはずで、源泉の表記は「含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物温泉」とある。名前だけの塩化物温泉ではなしにここでは文字通りの塩化物温泉で、香しい硫化水素臭と塩辛い温泉のコラボは全国でも珍しく、山の湯である硫黄泉に富山湾近くの塩化物泉が加わった個性的温泉となっている。

    露天エリアの大小二つの浴槽も微妙に湯の色合いが異なる。大浴槽は源泉を下から注入しており色合いは白色濁り半透明、一方小浴槽の方は大浴槽から流入した湯が多いためか若干の酸化が進行し白濁色が濃い。白濁に加えて碧さも加わり、まさに美しき碧き硫黄泉の様相を呈する。透明の源泉が注入されている岩の近辺に陣取り温い湯にゆっくりと浸かると快適極まりなく、私の訪問時が九月中頃の未だ暑さが残る時分であったので、露天での小浴槽は殊に気持ちの良いものであった。

    良泉であるという事前情報は得ていたが、予想以上の個性的泉質と湯遣いに感激した。泉質だけでも温泉好きを満足させ得る実力派だ。個人的にはこのような優れた湯を純粋に小さな湯舟にかけ流した共同湯全とした安価なジモ専施設などが最も好ましいのであるが、綺麗な設備が不可欠と認識する方々にもお奨めできる、万人受けする温泉施設であると思う。
    野暮なことをあえて言うならば、浴室に立山連邦のイメージなど要らないから、そのあたりの無駄と思しきコストを低価格化に繋げて欲しいというのが本音だ。これだけの内容ある温泉に入浴料700円は高いとは思わないが、1時間までという限定が残念。私ははしご湯目的の旅先での利用だったので1時間で充分だったが、ここだけの入浴であるならば1時間というのはいかにも勿体ない。寧ろ3時間1000円という選択の方がコストパフォーマンスが高いように思われる。
    このような悩ましき価格体系がやや残念であるが、素晴らしい温泉であることに疑問の余地はない。

  • 街中の実力派

    投稿日:2011年9月25日

    街中の実力派城南天然温泉感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2011年9月15日 / 2時間以内]

    総合評価 44.0点

    お湯

    44.0点

    施設

    33.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    富山駅から程近い国道41号線に面したビルの一角にある温泉施設。同じビル内にはデイサービスや接骨院などがあり、医療関係ビルの一角に温泉施設があるというわけである。隣接する城南温泉病院が掘り当てた温泉で、医療サービスの一環である天然温泉提供という色彩が濃い。
    温泉施設はビルの1階が男湯、2階が女湯という少々珍しい構造になる。駐車場も完備しているので車での訪問に支障はない。
    近隣の金沢も同様だが、県庁所在地にこのような温泉が湧き、気軽に入浴できる幸せは地元民にとっては格別だろう。また、1キロ程近くの市街地に今泉天然温泉という良質な温泉施設もあり、富山市畏るべしである。

    脱衣場も浴室も結構広いもので解放感がある。浴室は横長で、向かって左側に長方形の大きな主浴槽があり、ジャスミン系の美しい色合いの湯がたたえられており、静かにオーバーフローしている。
    何といってもこの温泉施設の特色は美しい色合いの温泉にあり、僅かにモール臭の香るほど良いツルヌル感が快適で、浴槽内でうっかりすると滑るほどである。主浴槽の左側に湯口があり、豊かな源泉がかけ流され、湯口の上にちょこんと乗っている亀のオブジュがまた可愛らしくユニーク、心和むことうけあいである。
    浴槽の向かって左側には小振りではあるがジャグジーの浴槽もある。こちらは若干色合いが濃い目であるように思われた。主浴槽と比較して湯はややぬるめで、夏場はこちらが快適であるが、湯そのものは主浴槽の方が新鮮ではある。よく温まる湯で、どちらかというと涼しい季節向けの温泉だ。

    それにつけても、ここの温泉の美しい色合いは格別で、特に主浴槽のオレンジ色に近い新鮮な湯には好感した。半循環でヘアーキャッチャー内に塩素系錠剤を投入して消毒してはいるのだが、不快な塩素臭は感知しなかった。湯量豊富(620L/分)で源泉投入が十分であるためだろう。単純泉とは思えない存在感がある。

    医療関係の付属施設であるため、温泉情緒などありはしない。しかし繁華街でこれだけの存在感あるモール泉に入ることのできるのであれば、通常の銭湯料金より若干高めの500円という価格設定も不合理ではない。泉質重視で温泉銭湯が好きな御仁ならば十分満足するものと思われる。
    まさに、街中にある実力派の温泉銭湯である。

  • 観景のみ

    投稿日:2011年9月25日

    観景のみぬく森の郷感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2011年9月16日 / 2時間以内]

    総合評価 22.0点

    お湯

    11.0点

    施設

    33.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    山間にある随分と大きな入浴施設である。入浴施設にみならず地元の野菜を販売していたり、レストラン等の食事コーナーや整体など複合的施設で、村おこしのための箱物の一種と言えるだろう。小さな子供のいる家族が観光がてら食事をしたり、お風呂に入ったりするには便利であろうが、それ以上のものではない。この類の新しい箱物に付随する温泉施設は、大概が碌でもない湯使いとなるのが相場で、ここもその期待を裏切らない。温泉好事家には無縁の施設である。

    内湯にもかなり大きな長方形の浴槽があり、加温・循環・塩素消毒の三点セットでアルカリ性単純泉が注がれている。しかし、ここでの売りは何と言っても広大な露天スペースである。大きな露天風呂から見える景色は広大で、ロケとしては秀逸である。良い景色を見ながら良い温泉に浸かる至福の瞬間!と言いたいところだが、残念ながら塩素臭にむせびながら循環湯に浸かる悲しさばかり。ご近所の人なら我慢もできようが、遠方から足を延ばし湯巡りしながらこんな温泉に浸かる悲しさは格別である。
    こんな湯使いだから、大きな露天風呂が仇になっておりまことに空しい。運営者は何か勘違いをしているのだが、全国どこも同じようなものだからあながち非難するのも気の毒だろうとは思う。
    幸い浴室の入り口に源泉を浴びる湯溜めがあり、それが唯一の救い、源泉をかぶり塩素を流して上がった。

    本来は、湯谷温泉栄楽荘に立ち寄り湯を乞う予定が、生憎の休業日でやむを得ず洗髪も兼ねて近隣のこの施設に入浴した次第で、地雷を踏む覚悟での入浴であった。このあと庄川湯谷温泉で感涙にむせぶ入浴を体験したので、ここの印象はすこぶる薄い。〆を庄川湯谷温泉にしてつくづく良かったと思う。

  • 看板猫にも癒されて

    投稿日:2011年9月23日

    看板猫にも癒されて温泉お宿 おかじま感想

    湯けむり天使さん [入浴日: 2011年6月10日 / 2時間以内]

    総合評価 44.0点

    お湯

    44.0点

    施設

    44.0点

    サービス

    0 - 点

    飲食

    0 - 点

    若干寂寥感あふれる吉岡温泉であったが、近年近代化の様相を呈している感がある。旅館組合のホームページなどを見るにつけ、各旅館が小奇麗にリニュアルされている様子が見てとれる。こんな山間のいで湯に大型宿泊施設をしつらえて観光客招致に走っても確実に失敗する。湯治という原点回帰の方向で、若い力を集めれば温泉地として生き残れるのではないかと思う。

    さて、「温泉の宿おかじま」さんは、他の吉岡温泉の宿の例に洩れず小ぶりな旅館である。それがまたこの温泉地にふさわしい。以前訪問時刻が遅く残念ながら立ち寄り湯がかなわなかったため、今回は午前中にお邪魔して入浴を乞うた。
    看板猫がいる宿として知る人ぞ知る宿であるため、館内の各所に猫雑貨が置かれているのが目を惹く。小さな猫雑貨はセンスが良く、見ているだけで猫好きの客を飽きさせない。中庭から屋根を見ると、看板猫「びき」がのんびり寝ていた。

    小さな宿であるから浴室も小ぶり。ここではお風呂は貸切り制であるため無用に大きいのは無駄で、これくらいがちょうど良い。露天はないが、陽光が差し込む浴室内は明るい。朝の陽が差し込む折の入浴がここでは最も快適なのではないかと思う。
    浴槽内には玉砂利が敷かれ、中央に大きな黒石が鎮座する。結構熱い湯であるためその石を椅子代わりにすると便利だ。その浴槽に熱めの清明な湯が静かにかけ流されている。一人1000円という料金設定は、この温泉地で200円ほどで入れる共同湯と比較すれば高いと思われるかもしれないが、宿湯はまたその雰囲気と併せ、格別なのである。
    吉岡温泉の湯は無色透明で無臭、癖のない熱めの単純泉である。飲んでみると若干の甘みがある。温泉は集中管理システムが採られ、三つある泉源のミックスを余儀なくされているため、何処の宿でも同じ湯である。温泉好きには若干複雑な心境だ。

    湯から上がってロビーに行くと、女将さんが看板猫「びき」を抱いて連れてきてくれたので、私も猫を抱く僥倖に恵まれた。私がこの宿の立ち寄り湯を乞うたのはこの「びき」を見たいためでもあった。猫好きの身には、猫がのんびりとくつろぐ姿を見せてくれるのが何より心癒される。恐らく洋猫の長毛種とのミックスであろうちょっぴり太めの看板猫「びき」は、この旅館で心穏やかに暮らしている。
    静かな温泉宿には、猫が似合う。

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