ごんごん さん
44.5点 / 367件
東日本大震災に被災された皆様にお見舞い申し上げます。
生活基盤が1日も早く安定することを心よりお祈りしています。
微々たる協力ですが、2年間毎月26日(風呂の日)に募金をさせていただきたきます。
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九州では日帰りのバスツアーがとても盛んです。
今回は「小浜ちゃんぽん1杯、日帰り入浴券1ヶ所付き」のバスツアー(4,980円)を利用して、九州温泉道対象施設の春陽館さんにお伺いしました。
自由行動が2時間強ということで、とにかく手近なお食事処でちゃんぽんをズズッと頂いて13時頃に駆けつけたのですが、既に先客が10人以上も。それでもその時が1番空いていて、その後は入れ替わり立ち代わり、浴室にも脱衣所にも常に15~20人ほどの利用者で賑わっている状態でした。
歴史のある施設ですので、浴室も脱衣所もそんなに広くありません。カランは一昔前のタイプのもので使いにくく、公衆浴場慣れしていない観光客ということもあって、どうしても回転が遅くなるので洗い場の待ちが常態化していました。
湯船は内湯、水風呂、露天風呂という構成。小浜温泉は源泉温度100度にも及ぶ高温泉ですので湧き水で加水されていますが、湯口からはほんのり硫化水素臭のする程よく塩辛いツルスベ感のある良いお湯が注がれていて、湯口には塩化物を含んだ析出物が付着し、湯船には細かくて黒い湯の花(と信じたい)が浮いていました。
利用客が多かった割には湯の個性が残っていて、元々は濃いお湯だと思われます。
露天風呂は国道57号線と橘湾に面していて、夕陽がとても綺麗に見えると思うのですが、観光客の往来もかなり多い場所なので、ブラックフィルムできちんとガードされているとはいえ、ちょっと落ち着かなかったです。
春陽館さんは長崎県を代表する老舗温泉旅館さんですし、観光バス駐車場至近という好立地ですので、当然の役割として率先してツアー客を受け入れていらっしゃるのだと思います。週末を含めた繁忙期の個人での立ち寄り入浴は特に厳しいと思われますので、事前確認をしてからお出掛けされてください。
個人的なことですが、これでやっと九州温泉道7県網羅を達成出来てホッとしました。まだ38湯しか行けてないけど・・・(T_T) -
観光客がそぞろ歩きする温泉街を通り過ぎ、旧小国街道を2kmほど奥に進むと現れるのが旅館山河です。大きな駐車場があるので、共同駐車場から歩かなくていいのが助かります。
三千坪という広大な敷地は雑木林に包まれ、その中に母屋、露天風呂棟、内風呂棟などが点在していて、まるで民話の世界に紛れ込んだような雰囲気。
造り込んでいるはずなのに、人為的なにおいを感じさせないところがすごいです。
立ち寄り入浴で利用出来るのは、露天風呂(混浴「もやいの湯」・女性専用「四季の湯」)と内湯(「薬師の湯」)。それぞれ違う場所にあるので服を着ての移動が必要になりますが、500円という手頃な料金(入湯手形も利用可)で泉質の異なる露天と内湯の両方が利用出来るのが嬉しいです。
残念ながら訪問時は割ける時間が限られていたので、四季の湯は写真を撮らせて頂くだけに留め(画像)、薬師の湯のみ利用させていただくことにしました。
薬師の湯は広々とした四季の湯とは対照的に、ごんごん好みのこぢんまりとした規模。女湯は中央に檜の湯船が1つ、洗い場が2ヶ所と共同湯のようなシンプル構成です。
仄暗い浴室でしたので湯の色は判然としませんでしたが、単純硫黄泉のお湯は透明でクリアな感じに見えました。においをほとんど感じなかったのは、もしかすると30分ほど前にしらはなシンフォニーさんで入浴していたせいかもしれません。
けれど熱めのお湯は肌が喜ぶような新鮮さが感じられ、スベスベと肌の上を滑りながらしっとりと馴染んでいくような気持ちの良い感触でした。
残念ながら今回はパスした露天風呂ですが、周囲には丹念に育てられ手入れされた雑木林が広がっているので、四季折々の表情が愉しめることと思います。度々訪問して、その時々の雰囲気を味わいたい気持ちになりました。
こちらを立ち寄り入浴で利用する際は、カラン・シャワーの数が限られているので、別の施設で洗いを済ませておいて、雰囲気やお湯をじっくりと味わうことに徹すると満足度が高いと思います。 -
投稿日:2011年6月5日
硫黄の湯の花舞うパンチのあるお湯(山川温泉 しらはなシンフォニー)
ごんごんさん [入浴日: 2011年6月4日 / 2時間以内]
55.0点
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55.0点
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44.0点
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55.0点
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0 - 点
山川地区共同浴場のすぐ近くに位置するお宿です。
玄関があまりにも個人宅そのものだったので、「まさかオーナーさんのプライベート・スペースじゃないよね?」とドキドキしながらドアを開けると、朗らかで気さくな女将さんが出迎えてくださいました。
色々なサイトで女将さんの評判を拝見していましたが、立ち寄り入浴客にも愛嬌たっぷりの応対で、私もすぐに大好きになりました。女将さん目当てにリピートする人がいらっしゃるというのも納得でした。
共同浴場の近くですから、当然お湯もとっても良かったです。
女湯は、無色無臭の内風呂と、露天スペースにある寝湯(ぬるめ)、広い庭園露天風呂(熱め)という構成。露天風呂のお湯にはいずれも硫黄の湯の花が大量に舞っています。
よく雑誌にも紹介される庭園露天風呂は20人ぐらい入れそうな広さ。湯船の底には硫黄の析出物が付着していてお湯が水色っぽく見えるので(画像)、お庭のよく手入れされた木々の緑とのコントラストが美しかったです。
かなりの広さにも関わらず、湯量が多いので湯温はちょっと熱めで肌触りも新鮮な感じ。飲泉用のコップが置いてあるところにもお湯への自信が伺えます。
一方、寝湯はお湯の投入量を絞って、ぬるめの設定。熱めの庭園露天風呂との交互入浴に丁度良い感じです。こちらも硫黄の湯の花が大量に舞っているので、ぬるいけれど結構身体にガツンときます。
ちょっと湯当たり気味だと感じたときに気持ちが良かったのが内湯の無味無臭のお湯でした。
湯温は心持ち熱めでしたが、パンチのある温泉に圧倒された身体が緩んでいくような心地良さがありました。
女湯はこのように1度にいろいろ楽しめるのですが、男湯は庭園露天風呂から離れたところにあるので、1度服を着て移動する必要があります。
旦那さんによると、男湯は女湯と違って、内湯も露天も湯の花の舞うお湯で、寝湯はなく通常の深さの湯船だったとのことです。かなりの量の湯の花が沈殿していて、油断していると足がすべりそうなぐらいだったらしいです。羨ましいぞ、男湯。
女将さんがこまめに浴室をチェックされているとのことで、日帰り利用客が多い割に整理整頓が行き届いていますし、アメニティもリーブルアロエの湯葉シリーズ(実物を見たの初めて)だったのもテンションが上がりました。宿泊料もお手頃ですので、こちらを拠点に黒川やはげの湯・岳の湯の湯巡りなんて出来たら最高だなぁと思います。
日帰り入浴については下記のサイトをご参考に。
九州温泉道~しらはなシンフォニー
http://www.88onsen.com/kumamoto_12/ -
別府駅徒歩10分圏内では、竹瓦温泉に次いでインパクトのある温泉だと思います。
別府定番の公民館併設の共同湯で、国道10号線に面する立地。玄関横には温泉タンクがデンと鎮座しています。中は脱衣所・浴室一体型で、シャワー・カランなしの、標準的な別府共同湯仕様です。
この日、ごんごんは昼一の訪問者だったらしく、洗い場に使用感はなく、終始貸切状態でした。
そのお陰もあったのでしょうか、窓からの光を反射する緑味を帯びた透明な黄褐色のお湯はなんとも美しかったです。湯船の縁や洗い場に付着した土類系の白っぽい析出物との調和も絶妙で(画像)、思わず何回もシャッターを切りました。
しばらく加水されていなかったので、湯温は激アツ(源泉温度49.5度)。急いで少し加水をさせて頂いてゆっくりと身を沈めました。土類を含んだ温泉らしい肌がコーティングされるような感触のお湯なので、いったん入ってしまえばあまり加水をしなくても平気だったです。
こんな素敵な温泉を一般開放してくださった組合員の皆さんに感謝しながらの入浴でした。
別府八湯温泉道No.177。スタンプは別府タワーです。
参考URL:別府八湯温泉道~第177番 的ヶ浜温泉
http://onsendo.beppu-navi.jp/889.html -
新燃岳噴火の影響で、一時立入禁止区域に指定されていた高原町に位置していますが、めっちゃくちゃ普通に営業していらっしゃいました。GWの合間とはいえ、平日の正午前というのに、食堂からは賑やかな声が響き、日帰り入浴客も途切れませんでした。一時は大変だったと思いますが、このように再び元気を取り戻している施設を見るとすごく嬉しくなります。
公式サイトの写真から鄙びた和風旅館を想像していたのですが、脱衣所も浴室も新しくて快適で、シャワー・カランの台数も多い万人受けする施設という感じでした。
内風呂は有名な高濃度炭酸泉(源泉)、赤茶色の低濃度炭酸泉(加温)、そしてサウナと水風呂まであります。女湯では、高濃度炭酸泉(源泉)の溢れ湯が露天にある中濃度炭酸泉に流れこむようになっていました。
滞在予定を1時間程度と決めていましたので、適温の低濃度炭酸泉と冷たい高濃度炭酸泉の往復に集中することにしました。
低濃度炭酸泉はほとんど透明度のない赤茶色(画像)。湯船の縁は赤茶色の析出物でボコボコしています。
船小屋温泉のすずめ湯と印象が似ていまいたが、すずめ湯ほど身体にガツンと来る感じがなくて気持ちの良い浴感でした。
一方の高濃度炭酸泉は、付着する泡のみっしり加減は七里田温泉下の湯に劣る感じがしましたが、泡の力がすごくパワフルな感じでした。
最初に足を入れたとき、肌がピリッとした刺激を感じたので、温度が冷たいせいかと思ったのですが、そろそろと体を入れていくと、そこまで泉温は低い感じではありません。「ピリピリ」の正体は源泉温度の低さではなく、泡のせいだったのです。
七里田の下の湯や、状態が良い時のラムネ温泉館では「泡がむずがゆい」という感覚だったのですが、湯之元温泉さんでは「ムズムズ」を通り越して「ピリピリ」するぐらい、泡が力強いのです。
旦那さんによると、「源泉浴槽は体の一部がヒリヒリして長くいられなかったけど、露天の中濃度炭酸泉は大丈夫だった」とのことでした(^^;。
ひとくちに「泡付き」といっても、泡の感触ってこんなに差があるものなんですね!
それを発見して、すっごくテンションが上がりました。
宿泊していた妙見温泉あたりで九州温泉道のスタンプの数を稼ぐという選択肢もありましたが、ここまで足を伸ばして本当によかったです。
湯上りは温泉の良さとぬる湯と適温湯の交互入浴のおかげで、肌がスベスベ・もっちりになりました。
ところで、宮崎市から週2回ご夫婦でこちらに通われているという同浴の女性から、海外で活躍する某有名プロスポーツ選手とこちらで鉢合わせになったというお話をお伺いして、めっちゃくちゃ羨ましかったです。
たった1時間しか利用できなかったから美肌効果ぐらいしか判らなかったのですが、超一流のスポーツ選手が遠路はるばる来られるぐらいだから、筋肉などにも効くのかもしれません。
いつか宿泊してそのパワーを実感したいと思いました。
参考URL:九州温泉道~湯之元温泉
http://www.88onsen.com/miyazaki_6/ -
投稿日:2011年5月23日
人気の観光スポットに変身(塩浸温泉龍馬公園(旧 塩浸温泉 ふくしの里))
ごんごんさん [入浴日: 2011年5月6日 / 2時間以内]
44.0点
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55.0点
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44.0点
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0 - 点
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0 - 点
以前はかなり老朽化した施設があった場所ですが、現在は新婚旅行にこの地を訪れた坂本龍馬にあやかって、日帰り入浴施設のほか、土産物店、資料館や龍馬・お龍像などが整備され、観光バスも立ち寄る新定番観光スポットとなりました。
前日の夕方に通りかかった時も、GW中ということもあり駐車場から乗用車が溢れている感じだったので、翌朝の10時過ぎに改めてお伺いしたところ、幸い余裕で利用できました。
当初は全身入浴するつもりだったのですが、この日の朝チェックアウトギリギリまでおりはし旅館さんのパワフルなお湯を満喫していたので、少々湯当たり気味(^^;)。この後、宮崎県の施設での入浴も絶対果たしたかったので、やむなく足湯だけの利用に留めることにしました。
「龍馬とお龍の縁結びの足湯」と名付けられた足湯は、新川渓谷温泉郷らしい緑がかったグレーのにごり湯。2010年5月1日のリニューアルオープンですので、まだ1年しか経過していませんでしたが、既に湯口や湯面付近は茶色と白の析出物が付着していました(画像)。
しばらく肌を浸しているとスベスベしてくる美肌の湯で、少しぬるいと感じるぐらいの温度でしたが、数分後には全身がぽかぽかと温まりました。
本来は完全オープンエアの足湯ですが、テントが設置され、直射日光を避けられたのが嬉しかったです。
最初は貸切状態でしたが、程なく団体さんが次々にいらっしゃいました。やはり早い時間に訪れるのがいいみたいです。
全身入浴施設は、まず資料館で料金を支払ってからの利用になります。
建物は改築されて綺麗になり、以前は別の場所にあった鶴の湯も同じ浴室に統合されて便利になっているようなので、次回訪問時には絶対全身入浴を果たしたいと思います。 -
3年ぶりの山水荘さんへの訪問です。
こちらは、4回目の利用になりますが、毎回何かしら「前回の訪問の時より親切になった」と思えるところがあるのに驚きます。
2005年の初訪問の時は、滞在中いつでも利用できると思っていたキズ湯が20時過ぎにはお湯が抜かれていてショックを受けましたが、翌年再訪時には脱衣所にキズ湯の利用時間が表示がされるようになり、今回はチェックイン時に口頭でのキズ湯の利用時間の案内があったのに加え、浴室内にもキズ湯の利用案内札が掛かるようになっていました。
また、女湯だけのようですが、浴室角にシャワー付きカランが1基新設され(画像右)、湯船からお湯を汲み出して髪や体を洗うのに抵抗感がある女性にも対応出来るようになっていました。
守るべきスタイルは大切にしつつも、柔軟に対応すべきところには出来る範囲で対応するという姿勢はとても好感が持てました。
2005年の初訪問の際のクチコミに、いきなり「泉質・料理・雰囲気の総合点ではベスト1」と言い切っているごんごんですが、今回の訪問でその気持ちが更に強くなりました。
6年間の間にもっと印象的なお湯に出会いましたし、驚くぐらいのクオリティのお食事が頂けるお宿にも出会いました。けれど、総合的に考えてどこが1番かと考えると、やはり山水荘さんが1番居心地がいいのです。
泉質抜群で湯量豊富な温泉、スタッフの絶妙な利用者との距離の取り方、手入れの行き届いた竹林や木々が織り成す清々しい景観、質素だけれど新しくて快適なお部屋、素朴だけれど作り置きではないお食事。それでいて、GW中にも関わらず1泊2食で1人1万円を切るお手頃さは秀逸と言えると思います。
お食事は以前利用した時とほとんど同一メニューでしたが、3年ぶりということもあって夫婦揃って美味しさに改めて感動しました。
旨みたっぷりの鯉のあらい、手作りのピーナツ豆腐、名産の黒ごまをミックスした酢味噌でいただく新鮮な山菜、臭みのない鯉こく、豚肉の旨味と新鮮なお野菜とごまドレッシングのバランスが良い豚しゃぶサラダなど、調理方法や盛り付けは家庭料理みたいな感じですが、その分素材の良さを感じられるところが、ごんごん夫妻のツボです。量が多すぎないのもGWのような連泊時にはむしろ助かります。
霧島周辺地域では、既に野鶴亭、旅館伊藤とお気に入りの宿があり、今回の湯巡りでかじか荘としび荘という頭ひとつ抜きん出たお湯を持つ宿を発見し、その他にも南洲館、湯之谷山荘と是非とも泊まりで湯巡りを愉しみたい宿もありますが、山水荘さんの「我家の定番宿」の地位はこれからも不動だと思います。 -
今回の旅で訪問がとても楽しみだった施設です。
見た目は民家のような建物。玄関で「こんにちは!」と大きな声でご挨拶しても、どなたも出てこられる気配がありません。カウンターに目をやると、「不在の際は玄関左手奥の厨房へ」という旨の案内があったので厨房へ伺うと、三世代で仲良くテレビを見ながらお昼ご飯中でした。フロントにはいろいろとお土産品を陳列しているというのに、なんとものんびりとしていて微笑ましかったです。
受付横の渡り廊下で繋がっている温泉棟は、受付のある建物より更に年季が入っていて、共同湯のような雰囲気です。
混浴の露天風呂も無人でしたが、幸いにも貸切状態だった内湯を利用させていただきました。
脱衣所はかなりスペースに余裕があって、少々混んでいても利用しやすそうです。古いけれどお掃除は行き届いていて快適でした。
そして浴室に入ると、美しいお湯が目に飛び込んできます(画像)。
左手にコバルトブルーの小判型の湯船(上ノ湯)。右手には鮮やかな黄緑色の湯船(下の湯)。
コバルトブルーは湯の色ではなくタイルの色でしたが、鮮やかな黄緑色はお湯自身の色で、どちらの湯船からもザンブザンブと贅沢にお湯が溢れ出し、タマゴ臭が浴室を満たしています。両方の湯口にさり気なく置かれたコップが、お湯の良さを静かに、けれど誇らしげに物語っているように見えました。
まずは小判型の「上ノ湯」の湯船へ。
そろりそろりと入りますが、ザッパーっと洗い場に湯が溢れ出します。もったいないぐらい贅沢な瞬間です。
ヌルヌルとした肌触りのお湯は弱いタマゴ臭で適温。いつまでも浸かっていたいぐらい気持ちのいいお湯です。
先に訪問していた知り合いから「ヌルヌルで硫黄泉の香りがするお湯」との評を聞いたときに、筑後川沿いの温泉(あおき温泉、湯の坂久留米、卑弥呼ロマンの湯、桑之屋、夜明薬湯温泉など)と似ているのかなと思い質問したところ、どことも似ていないと返答で、なんだか判ったような判らないようなもやもやした気持ちだったのですが、実際入浴してみてその意味が判りました。
文字で表現すると「タマゴ臭のするヌルヌルの温泉」と筑後川沿いの一連の温泉に近い形容になってしまうのですが、肌触りが異なります。
筑後川沿いの湯ほどトロトロな感じや一気にのぼせるような保温効果はなく、ずっとやさしい印象なのですが、存在感や鮮烈さはずっと上なのです。湯船が小さくて、湯の投入量が多いので、湯の新鮮さが違うからでしょうか?
しばらく小判型の湯船で過ごした後、鮮やかな黄緑色の「下の湯」のお湯の浴槽に移りました。
この湯船もガンガンお湯が注がれているので、ごんごんが入ると湯船から豪快にお湯が溢れ出します。
こちらのお湯は体温より少し温度が高いぐらいのぬる湯ですが、やはりヌルヌルとした気持ちの良い肌触りで、タマゴ臭はより強く感じられました。窓から差し込む光が黄緑色の湯面を照らす様は目も楽しませてくれます。
温度は低いものの、身体に響くようなパワーの感じられるお湯だったので、ちょこっと浸かっては上ノ湯に移動というローテーションを数回繰り返しました。
しばらくすると地元の方が来られ、ペットボトルに黄緑色の湯を汲み始めました。なんでも便秘に効くらしいです。
ごんごんも両方のお湯を口に含んでみましたが、上ノ湯はまあまあ飲みやすかったですが、下の湯は硫化水素臭が強すぎて、コンスタントには飲むのはちょっと難しいと思いました。
しかし、どちらも極上のお湯です。
温泉旅行に豪華なお食事や洒落たお部屋などの贅沢さや娯楽性を求める人には全くアピールしないと思いますが、民家のような建物や家庭料理のようなお食事が大丈夫で温泉好きでしたら、絶対泊まって、まったりと交互入浴を楽しみたくなる魅惑的なお湯だと思います。
今回の旅では「湯川内温泉かじか荘と旅籠しび荘での連泊」という大きな目標(野望?)ができました。 -
1番人気という丸い石風呂です。
1つの石から切り出されていて、贅沢感があります。
この画像では判りにくいですが、大人2人、子供2人ぐらいは余裕で入浴できそうな広さでした。 -
九州温泉道対象の施設ですが、福岡からだとかなり不便なイメージがあったので当初はパスするつもりでした。
けれど、人吉の華まき温泉で同浴になった女性が「かじか荘いいよ~」と力説。
いつも参考にさせていただいているブロガーさんも絶賛。
これは何としても伺わないと、という思いになりました。
訪問日当日の朝は、えびのの亀の湯温泉という共同湯に行ったのですが、そこで出会った女性からも「かじか荘よかった~」という話題が出て、放浪人さんの「人口に膾炙されている」(←国語辞典で調べました^^;)という形容が正に言い得て妙だ!と思いました。
宿泊していたえびのからは、イメージしていたより道が良くて車で1時間半ぐらい。11時前に到着したのですが駐車場には既に多くの車で賑わっていました。
いかにも不慣れな様子で受付に伺うと、ご主人が「すぐ目の前と少し登ったところの2ヶ所が温泉です。両方入ってもいいですよ。」と教えてくださいました。「どっちが足元湧出ですか?」とお伺いすると、「どちらもそうですよ。どちらも泉源の上が浴槽ですから。」とのこと。
泉源の上が浴槽・・・・・!
しかも2ヶ所!
温泉好きにとってなんと魅惑的な言葉でしょう。
大はしゃぎのごんごんに、旦那さんも「しゃーないな~。2つとも入るしかないな~。」と呆れ顔でした
まずは石段を少し登ったところにある上のお湯へ。
木造の簡素な湯小屋。右手には「温泉神社」の赤い鳥居もありますが、湯小屋のひさしに吊り下げられたコロンとした提灯(定食屋さんとか盆踊りで飾られている類)が、大衆的な雰囲気を醸し出しています。
玄関で靴を脱ぎ、右手が脱衣所一体型の浴室。脱衣所から数段降りたところが湯船と洗い場です。
6人ほど先客がいらっしゃいましたが、湯船からは大量のお湯が流れだしていて、脱衣所から見るお湯はまるで1番湯のように清らかで透明にキラキラと輝いています。入浴中の方がいらっしゃるので、本来は目を逸らすのがマナーだと思いつつも、脱衣所から洗い場に降りる間もお湯に目は釘付けでした。
ほんの数時間前に身体を洗ったところでしたが、神々しいまでに透明なお湯を前に、改めて石鹸で体を洗ってから湯船へ。
過去に入ったどこの温泉とも違う肌の上を滑るような独特な浴感です。やわらかな硫化水素臭が漂い、いつまでも入っていられそうな心地の良いぬる湯で、先客の方たちもおしゃべりしながら長湯を楽しんでいました。
湯面付近では無色透明に見えますが、膝辺りから下は薄いコバルトブルーに見えます。お湯自体のの色なのか光のなせる技なのか。なんとも美しい色です。
しばらく浸かっていると身体には気泡が。正に至福です。
ずっとずっと浸かっていたかったのですが、下の湯も体験せずにはおれません。
服を着て、いそいそと受付棟の前にあるプレハブの湯小屋に移動。こちらは脱衣所と浴室の間にパーティションがあります。
下の湯は湯温が少し高めで、そのためか泡付きは上の湯より少ないです。
けれど、やはりやわらかい硫化水素臭のする肌触りのよいお湯で、木製の湯船の縁は成分でつるつるしていました。お湯はやはり他では見たことのない透明度で、淡いエメラルドグリーンのように見えました。
鄙びた仮設のような湯小屋に小さな内湯が1つがあるだけ。サウナや露天風呂などありません。
周囲には商店や飲食店の1軒さえなく、温泉に贅沢さや娯楽的な要素を求める人にとっては、時代に取り残された不便な湯治宿に思えるでしょう。けれど、ごんごんにとってはあの心を揺さぶるお湯に好きなだけ浸かれるということが何よりも贅沢なことに思えます。絶対にここは泊まりに伺います。
湯上りに受付棟に伺い、ご主人に「九州温泉道に参加してくださって、本当にありがとうございました。」と心からお礼を申し上げ、オリジナル石鹸(500円・画像)を購入しました。
こんな素敵な温泉に出会えるなんて、温泉の神様にありがとうな気持ちです!
HP:http://nttbj.itp.ne.jp/0996621535/