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日景温泉に泊まった翌日、嶽温泉へ硫黄泉のハシゴをした。昼は
山のホテルに立ち寄り、そのはす向かいある西澤旅館に泊まった。
旅館といっても実際は民宿のような飾り気のない宿だ。愛想のいい女将さんに迎えられた。その日の泊り客は自分だけだったので、風呂は他人に気兼ねすることなく楽しめた。
風呂場は宿の最奥。明るいタイル張りの最大4人サイズといったところか。塩ビパイプからは結構な量の湯が注ぎこまれている。溢れでた湯がトドスペースをつくっており、浴槽に浸かっているよりタイルの上で寝湯に興じていた時間のほうが長かった。
嶽温泉の温泉宿は全て同じ源泉と聞いた。しかし、山のホテルが濁り湯だったのに対して、西澤旅館の湯は細かい湯の花が舞うものの透明な湯だった。山のホテルの湯もよかったが、西澤旅館のほうが湯に力強さを感じたのは気のせいだろうか。素っ気ない浴場にもかかわらず、地元の人達が入りに来ていたのは湯使いのよさがあるせいかもしれない。
食事は自分の好き嫌いを考慮してくれて、家庭料理のようだったがおいしいものだった。宿の人の生活が近くに感じられるので、夜が深まってくると風呂に入りに行くのも音をあまり立てないように気を使った。なんか宿に泊まるというよりも、親戚か知り合いの部屋を借りたような感じだ。しかし、それを苦痛に感じたわけではない。8,000円足らずの宿泊代で食事があって硫黄泉に入れれば文句も言えまい。8人が参考にしています