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典型的な別府の共同湯。脱衣所一体型のお風呂場。アメニティは洗面器だけ。カランは水のみ。源泉湯壺は上がり湯以外使用禁止。外観は普通の一戸建て住宅なのだけど、3-4人サイズのこぢんまりとしたお風呂場はいきなりのレトロルックス。創業当時の骨組みをそのまま利用しているということで、鄙び好きな人は心を鷲づかみにされると思います。
この日はホテル湯めぐりを満喫していたのですが、少しだけ時間が余ったので高速バス停に近いこちらへ急遽立ち寄りました。
小さな半円形の湯船から「子宝の湯」と評判の金属臭漂う薄笹濁りのお湯が溢れ出ています。そして当然熱い。まずは掛かり湯。すると、まるで身体と皮膚が喜びの声を上げているかのような感覚が押し寄せてきます。つるつるとした別府のお湯独特の感触。1杯、2杯と掛かる毎に肌もつるつるしてきて、「あぁ、やっぱり別府の醍醐味は共同湯だなぁ」としみじみ感じるのです。
別府で共同湯に入るまでは、ぬる湯好きの私は43度以上のお湯なんて絶対無理!と思っていました。実際水道水を沸かしたものや度重なる循環と消毒で温泉の痕跡が残っていないようなお湯は、温度が高めになると肌が荒れてしまうので今でも嫌いです。けど、別府の共同湯は別。温度が高くても肌はツルツルするし、度を超さなければ汗はダラダラでも気持ちがいいのです。不思議。
この日はバタバタと利用したけれど、また時間を見つけて改めてこのお湯を味わいたいです。
別府八湯温泉道No.10。スタンプは子宝の湯にちなんでゆりかごに入った赤ちゃんです。1人が参考にしています