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四万川沿いに細長く延びる四万温泉の入り口近く、数軒の旅館が並ぶ閑静な一角にあります。
大型旅館も多い有名な温泉地にあって、ご夫婦(と思う)だけで切り盛りされているこの小さなお宿は受入れ客を1日5組程度に絞ってさまざまな工夫をされています。
まず、宿の外観は結構古いですが、玄関を入ると明るくセンスのよい洒落たロビー・ラウンジが広がっています。廊下も暖房があって心地よいですし、四万川に面した客室も新しくきれいです。
浴室は男性用(内風呂+露天)、女性用(内風呂)、貸切露天があり、露天は四万川に面しており渓流を眺めながら入浴できます。内湯、露天とも広さはやや狭く、設備も古めですが、客数も少ないことを考えればまあ問題ないと思われます。
泉質は中性の塩化物硫酸塩泉で無色無臭(わずかに特有の温泉臭)、非常にやさしい良質なサラツル系のお湯で、旅館の自家源泉から掛け流されています(温度調節の加水のみ)。湯温は、内湯と貸切露天はやや熱め、男性露天はややぬるめです。
食事はジャズの流れる食事処で戴きますが、夕食は和の食材をフレンチ風にアレンジした本格的なコース料理、朝食は和食で、味はもちろん量も結構あり、この価格帯を考えるとかなり高い水準と考えます。一方、布団の上げ下ろしなど宿泊客ができることは自分で行うシステムになっていますが、ある意味気兼ねのいらない気楽なシステムとも言えます。宿の方の応対も素朴ですが気持ちよく必要十分と思いますし、これまでのありきたりの旅館のスタイルから進化し、内装、温泉、食事に重点を置いた小さな宿ならではの新しい工夫は、居心地の面からもコストパフォーマンスの面からも評価できるのではないでしょうか。1人が参考にしています