-
休日の昼下がりでしたが、幸運にも檜張りの素晴らしい大浴場をひとりきりで満喫することが出来ました。
浴槽はふたつありますが、微妙に浴感や感知できる香りが違うことに驚きました。最初は階段を降りて右手にある浴槽。なみなみと注がれた透明感のあるお湯はやや熱めかと最初思いましたが、一度浸かれば熱さは気になりません。軟らかく肌に馴染んでくる気持ち良いお湯で、浴槽の縁に両肘を広げて四肢を伸ばしてリラックス出来る、何とも肌当たりの絶妙なお湯です。
高い天井、鄙びた共同浴場を連想させるその佇まいにすぐに引き込まれました。
しばし温まり浴槽から上がり、ツルツル感がありその感触すら癖になりそうな板の間で休息してから、今度は隣の浴槽へ。
こちらは床のタイルが幾何学模様みたいになっていて、青いそのタイルを通して不思議な安心感が湧き上がってくる、妙に懐かしさを覚える浴槽です。趣のある石臼から流れ出るお湯が印象的で、早速コップを手に飲泉いたしました。
微妙に白い湯花浮かぶ温泉は、ほのかな硫黄臭と魚系薄味のダシ汁を合わせたような温泉。ゆっくりと口に含んで味わうと体の中から何か癒しを得られそうな非常に尊さを感じる名泉でありました。
隣の沢渡温泉共同浴場では、昨年その激熱のお湯に悪戦苦闘しましたが、まるほん旅館のお湯は同じ源泉ながらまた違った体感でした。泉温の違いはもちろんですが、よりまろやかな感じで癒しを存分に得られました。う~ん、素晴らしいですね。
旅館に入った時、ご老人が電話の応対をされていました。
どうやら電車とバスでこちらへ向かうお客さんに案内をされているようでした。その応対がとても親身で暖か味溢れるものだったので、3分ほど玄関口で待たされましたが少しも嫌な気はしませんでした。おそらくこの方がご主人の福田さんでしょう。その後の私への受付も非常に丁寧で、もうそのひとときでこの宿のファンになってしまったのです。
安らぎを与えてくれる素晴らしい温泉宿でした。
今、クチコミしながら思い出し、またあの温泉に浸かりたくなってきてしまいました。9人が参考にしています