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スローフードの宿に変わったと聞き、訪れてみた。強風が吹き荒れるとの天気予報でキャンセルが相次いだ日の宿泊。川端康成が名作『雪国』を描いた宿で、その部屋がそっくり保存されている。
ここには露天はなく、大浴場だけしかない。湯殿には大きい湯ぶねと小さな湯船があるが、湯殿の広さに比してはあまりに小さすぎると感じた。小さいほうがヌル湯で大きな方がアツ湯。ほのかにイオウの臭いがして、白い湯の華がたくさん待っている。ここは自家源泉で800年前からこの宿が代々受け継いできたという。
食事はスローフードに変わっていたが、味は今一の気がした。もう少し味付けに工夫が必要だろう。朝食はバイキングスタイル。お漬物に期待したが、それほどでもなかった。
仲居さんの一人によく話しかけてくる人がいたが、ほどほどでもいいのではないかと思ったものだ。自分は特別の存在だと思う人にはふさわしいだろうが、そっとしておいてほしい人には煩わしいだけ。人を見て応対の仕方を考えてほしいと思ったものだ。10人が参考にしています