-
標高約1000mに位置する筋湯温泉郷。
旅館は30軒弱で、飲食店はなく、商店も1軒のみというこぢんまりとした規模の温泉郷ですが、素敵な共同湯が3軒もあります。
薬師湯さんはそのうちの1軒。
日によって男性専用・女性専用と入れ替わるので、玄関に掛けてある札で確認が必要です。受付は無人でお釣りは出ませんので、小銭の用意が必須です。
建物は2001年に建て直されたらしいのですが、薬師堂に続く路地にまるでずっと以前から存在していたかのように周囲に馴染んだ佇まい。そして、中の造りも昔ながらの共同湯です。
中は脱衣所・浴室一体型。底が石造りの檜の湯舟が1つ。シャワー・カラン・椅子はなし。脱衣スペースには棚と篭があるだけです。
照明はかなり落としてあり、障子のようなデザインのドアと窓から入ってくる外の光が主に室内を照らしていて、ちょっと幻想的な雰囲気でした。
こういう別の世界に迷い込んだような雰囲気の共同湯は初めてです。
筋湯温泉郷らしい独特のツルツル感に加え、柔らかさが感じられるお湯はとても肌触りが良く、時代劇に出てきそうな湯小屋の雰囲気も素敵だったので、じっくりと湯浴みを楽しませて頂きました。やさしいお湯でしたが、身体がよくあたたまり、116mg含まれるメタケイ酸のお陰か、肌もしっとりして気持ち良かったです。
改めて温泉分析書を確認すると、源泉名が「薬師湯」となっていますが、湧出地の住所は八丁原になっていて、源泉名「うたせ湯」及び源泉名「八丁原地熱 熱水」の住所と同一でした。
けれど、分析表の数値はそれぞれ微妙に違っていましたし、ごんごんは薬師湯さんは他の2つより柔らかくやさしい肌触りだと感じました。
筋湯温泉のお湯は成分総量1g以下(薬師湯は0.809g)なので鮮烈な印象が残るものではありませんが、個人的にはほかの温泉では味わえない肌触りの良さがあると感じています。
筋湯温泉郷にはしばらくぶりの訪問でしたが、もうちょっと頻度を上げて来たいなぁと思いました。1人が参考にしています