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一般受けするリーズナブルな宿だと思いますが、残念ながら私とは全く相性が合わず、とても残念でした。
この日は久々の温泉宿への宿泊で、しかも初めての内牧温泉郷ということもあり温泉三昧をかなり楽しみにしていたのですが、到着すると「楽しみにして頂いていたとは思うのですが、ポンプの故障で温泉が使えないんです」とのこと。
温泉を汲み上げるポンプは壊れやすいだろうということは重々承知しているので、それ自体は仕方がないことだと思いましたが、その不具合を巡る宿の方の対応に不満がありました。
状況はこちらが訊かないと教えてくれませんし、変に期待を持たせるような説明(「夕食後には湯がたまると思う」「朝には復旧すると思う」など)を繰り返された挙げ句、結局滞在中には貸切露天風呂しか使えませんでした。
貸切露天風呂は自然環境の中に湯舟と簡単な脱衣所と洗い場を作っただけの構造で、排水設備はありません。洗い場は土の上にすのこを置いただけのものなので、掛かり湯や湯舟のオーバーフローの量が多いだけで履き物を脱ぐところまで水たまりになってしまいます。当然、髪や体を洗うのには不向きなので(通常は入浴のみの利用に限定)、ここしか利用出来ないというのは本当に不便だったのです。
そのため、宿泊者はスケジュールや事前計画が狂う羽目になったので、食事の時間や貸切露天風呂の利用時間は柔軟な対応を期待していたのですが、当然のように宿の都合を優先していました。
詫びの言葉を口にしつつも、夕食ではアツアツで頂きたい物(天ぷら・田楽)まで着席5分以内に配膳され、朝風呂にいたっては通常より1時間も遅れての提供だったのに、朝食は通常どおり8時スタートとされたのには、驚き、呆れ、怒りがこみ上げてきました。
不便を掛けたお詫びとして、チェックアウト時に新米と値引きを頂きました。
お値段はもともと九州内でもリーズナブルで、その割に建物は新しく清潔感があり、浴衣や寝具の質も上質で、朝ご飯も充実していたので、一般の宿泊者であれば、それらのサービスでまあまあ満足出来たのではないかと思います。
けれど、温泉を何よりの楽しみとしていた私にとっては、温泉三昧で過ごせるはずだった2日間が台無しになったことの落胆は、値引きや物で埋め合わせが利くものではありませんでした。
宿からの要請で、宿泊予約時に主人と私両方の携帯電話の番号をお知らせしていましたので、いくらリーズナブルな宿とはいえ、せめてチェックイン前に温泉の不具合のことを知らせてくれていれば、内牧温泉街内で湯巡りを楽しんでから宿に入ることができたのにと思います。
お湯は弱アルカリ性単純泉で、「美肌の湯」を前面に出していらっしゃいますが、新鮮さは感じられたものの、癖の余り無いインパクトの弱いお湯でした。3人が参考にしています