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妻のにゃん子が飯坂温泉に泊まろうと言い出したとき、ぽん太は正直いって気乗りがしませんでした。だって飯坂温泉と言えば、一時は福島駅に近いという立地を生かした大歓楽温泉街だったけど、いまや衰退の一途をたどっていることで有名なところじゃないですか。
いや~、しかし行ってびっくり泊まってびっくりです。飯坂温泉にこんなすばらしい宿が隠れていたなんて。登録有形文化財の建物は珍しい土蔵造りで、細部まで美しく造りこまれています。
女将の話では、子供の頃は友達からボロ屋敷と馬鹿にされたとのこと。宿として注目されるようになったのはここ数年のことだそうです。ぽん太の推測ですが、まわりの旅館が次々と鉄筋コンクリートならぬ借金コンクリートに建て替えて、社員旅行やら観光バスやらでにぎわっているなか、つらい時代もあったことでしょう。「今はこの建物を残してくれたことに感謝しています」という女将の言葉にぽん太は感動しました。
最近雑誌などで取り上げられるようになってきたものの、まだ宿の価値を十分生かしきっていないようで、「てん」さんがクチコミされたように、いまはすごくお得な穴場の宿といえましょう。二人で泊まって三部屋続きのワンフロアーは大名気分です。
お湯は無色透明ですが、弱アルカリ性でとてもやわらかいお湯です。もちろん源泉掛け流し。
これから名旅館への成長が期待される宿で、文句なし5点です(2006年2月宿泊)。9人が参考にしています