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2010年8月13日---旅13日目---イーダちゃんは釧路駅前の朝市で勝手丼を食し、広大な釧路湿原をしばし見物したあと、R391をまっすぐ北上して、この一連の北海道旅の大きな目標のひとつであるところの屈斜路湖へと向かいました。
台風4号がすべての雨雲をもっていってくれたせいで、突き抜けるような、恐ろしいほどの晴天です。
カーンと晴れわたった青空。ちょっと指でつまんだら千切れそうな、綿菓子みたいな白い雲……。こんな上天気の北海道道だったら休憩なんか取らずにいくらでも運転できますよ。で、目的地の弟子屈にイーダちゃんは予定よりずっと早いお午すぎにもう着いちゃったのでありました。
予定してた「桜が丘森林公園オートキャンプ場」へ、さっそくいってみます。時刻が早すぎてほとんど誰もいなかったのですが、係のひとにお話したらテント張ってもいいとのことでしたので、お言葉に甘えて木立ちのなかほどの上場所にさっそくマイ・テントを張らせていただきました。
うむ、良い出来なり。で、張り具合をたしかめたら、さあ、屈斜路湖湖畔の温泉巡りに出発です。
僕のこの旅の大きな目的のひとつは、この屈斜路湖畔の温泉、特に「コタン温泉」に入ることなのでありました。温泉の石組のすぐそこまで湖の白鳥が寄ってきてるあの写真は、忘れようったって忘れられるもんじゃありません。
うーむ、いよいよあの「コタン温泉」に入れるのか、と武者震いしたんですが、いざ着いてみると清掃中でお湯を抜いてるというので「コタン温泉」は入浴不可の状態でした。夕方になったらまたおいで、とのこと。がっくし(xox;>
でもまあ気を取り直してネクスト候補に向かってみます。で、辿りついたのが「コタン温泉」からほどない距離にある、こちら「池の湯」さんだったのであります。
思ったより全然でっかいの。温泉、というよりは、ほぼ完璧に池でせう、これは。だって、何より泉面が真緑色だし。それにホラ、このおっそろしいほどの「藻」の繁殖ぶりときたらどーよ? 先客に20代のカップルと家族連れが一組いたんですが、彼等も服来たまま足湯でぱしゃぱしゃ無邪気に遊んでるんで、こりゃあここは入れんな、とイーダちゃんが諦めの微苦笑をほほにたたえようとしたとき、大型バイクの低い排気音と共に救世主が現れました。30代後半くらいの、気さくそうな兄ちゃん。
「お。こんにちはーっ」と何気に挨拶すると、にこやかに彼も笑いかえしてきます。
「いやー、凄い藻ですねー」と彼は笑いながら、「さて。どこから入ろうかなあ?」
躊躇なく脱ぎだします。こちら「池の湯」にはしっかりした着替小屋があるんです。彼、そんなかでズバズバ脱いでいき、家族連れの子供らがそれ見てびっくり顔。僕も彼のあとにつづきます。すると、もう見るまに腰に手拭いを巻いた温泉裸族の誕生です。ふたりして真夏の日差しカンカンの「池の湯」にイン!
池の石底には苔がそーとー繁殖してて、とても滑りやすかった。
藻の影響もあって、お湯もところどころ不可思議玄妙な湯の香りが。しかし、いい湯加減です。肩まで浸かると、おお、なっかなかいい湯だわ、こりゃ(^o^:/
バイク兄ちゃんとお話しします。彼は札幌発のライダーさん、本来なら昨日のフェリーで東北テント旅行にでる予定でいたものの、台風のおかげでそれらの予定が飛んじゃったんですよ、と笑いながら話してくれました。
彼、冒険心も旺盛で腰手拭のまんま、その近辺でぱしゃぱしゃ水遊びしてるカップルに目礼して、池の湯の端から屈斜路湖まで出ていったり---池の湯と屈斜路湖は細い水路でもって直接繋がっているのです---で、しばらくして帰ってきていうことにゃ、
「ねえ、いま湖のほうにつかってたら、なんかドクターフィッシュみたいな小さな魚がいっぱい寄ってきて、足や身体をツクツクつっつくんですよ。面白いですよ」
「ほう」と僕も腰巻き手拭で湖に出てみました。すると彼のいう通り、無数の茶色っぽい小さな魚が脛をちくちくつつくわつつく。うわ。なんだコレ? 面白いですねえ!
新しくやってきたバイク兄ちゃんも仲間に加わります。彼は裸族で手拭なんか巻きません。カップルが見ようが子供が見ようが気にしない豪傑気質の凄い奴。うおー、くすぐってえ! なんてはしゃいでる。いいなー こーゆーの。滅茶苦茶楽しかったですねえ、僕は(^o^)/
あとで聞いたら「池の湯」自体のお湯は、意外にもフツーの単純泉なんだそうです。しかし、藻のまじってる効果のせいか、お医者さんが薦めるほどの療養泉になっているんだとか。実際、こちらのお湯に通って癌を治した病人さんが結構いるんだとも聞きました。Oh! やっぱりタダモノじゃないお湯だったのね。でも、こちらの湯浴みはとにかく楽しかった、そーゆー意味でイーダちゃんにとって実に思い出深いお湯になったのでありました。3人が参考にしています