口コミ一覧 (口コミ最新投稿日:2018年8月4日)
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島根県のほぼ中央に位置する美郷町、三瓶山西南麓の閑静な湯抱温泉にひっそりと佇む、大正5年(1916年)に開業した木造二階建ての老舗旅館。以前は温泉だけ入れたようですが、今はできなくなったため、平日に一泊二食付で利用して来ました。
この日は、2階奥の12畳和室(トイレ共用)に宿泊。建物の造りが少し変わっていて、中庭を取り囲むように建っています。したがって、窓を開けてみると裏山ですが、反対側の窓からは中庭を見下ろす景色です。
抹茶と饅頭を頂いた後、浴衣に着替えて1階の大浴場へ。浴室は男女別ではなく、1つの浴室を貸切で利用するシステム。棚に籐籠が並ぶ脱衣場には、ドライヤーなし。壁一面の豆タイル模様がレトロな浴室に入ると、左側に2人分のシャワー付カランがある洗い場。ここだけリニューアルされたのか、きれいになっています。アメニティは、一般的な物です。
窓際に2.5人サイズの石造り内湯があり、うっすら黄褐色に濁った含弱放射能ーナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉(源泉名: 湯抱温泉)がかけ流しにされています。泉温30.6℃を、薪で沸かして42℃位で供給。湯口は浴槽内で、上の湯口からはバルブを捻っても湯が出ません。「温ければ、言ってくださいね」と、外から女将さんの声が掛かります。やや肌がスベスベする浴感。湯面に、白い膜のような湯の花が浮いています。
そして、何と言っても圧巻なのは、浴槽の周りの千枚田状に堆積した温泉成分の析出物。溢れる湯が作り出す芸術品を眺めて、しばしうっとり。入浴は夜8時までと早めに終了してしまうので、じっくり浸かりたい方は早く到着した方がいいでしょう。
夕食は、畳にテーブル席の別室で頂きます。お品書きはありませんが、目にも鮮やかな盛付け。先付にモズク酢・らっきょうの酢漬・栗渋皮煮、酢物は蛸と胡瓜が出て、造りは鰤・鯛・サーモンです。焼物にサザエの壷焼と続いて、地酒の「池月」がすすみます。天婦羅は、山菜・茸・野菜・海老の揚げ立てを抹茶塩で、また台物は山鯨(猪)の蒸焼を胡麻ダレで頂き、山海の幸に舌鼓。冷たいトロロ蕎麦が、酒で火照った胃にしみます。茶碗蒸・御飯・香の物、水菓子に葡萄と無花果で、お腹一杯に。器はもちろん、冷酒の徳利やお猪口、冷たい水を入れてきたレトロな瓶など、センスの良い物が使われ満足しました。
翌朝も、起きると早速温泉へ。朝は温めが良かったので、温くしてと頼むと、もう1つの鉄管から炭酸ガスと共に、ジャバジャバと源泉が投入され、やがてオーバーフロー状態に。湯口の湯を口に含むと、旨じょっぱい。程よい湯温になったところで、投入をストップしてもらい、あとはまったりと湯を楽しみました。
朝食は、昨晩と同じ別室で。焼き鮭や目玉焼き等、朝の定番メニューが並びました。出発の際には、宿から少し離れた共同駐車場まで見送りに来てくれる程、古き良きおもてなしをしてくれた湯宿。次回は違った季節に、また訪れてみたいです。
主な成分: ナトリウムイオン3270mg、カルシウムイオン363mg、マグネシウムイオン101mg、ストロンチウムイオン8.8mg、マンガンイオン0.7mg、鉄イオン4.0mg、バリウムイオン0.1mg、フッ素イオン1.0mg、塩素イオン5080mg、臭素イオン15.6mg、炭酸水素イオン2830mg、硫酸イオン476mg、沃化物イオン1.0mg、メタ亜ヒ酸4.5mg、メタケイ酸181mg、メタホウ酸94.1mg、遊離二酸化炭素592mg、成分総計13.248g34人が参考にしています
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湯抱温泉は滅びゆく湯治場かもしれません。
中村旅館は老舗の宿だったのでしょう。大女将と昔なら女中さん
といわれるような方がおられます。宿にに着くと大女将が口上を述べられ、女中さんが薄茶を持って来られます。
建物は古いですが、清潔です。評判の悪かったトイレはキレイに改装されています。
客は一組かせいぜい二組のようです。ごはんは添加物をなるべく使わない地のものをこころがけているそうです。
お風呂は沸かしていますがいい温泉です。析出物がすごいです。奈良の入之波の山鳩湯や鹿児島の城山温泉に似ています。
朝食の後にも薄茶が出されました。大女将はかくしゃくとされていますが、御年84才とのこと。古きよき地方の名旅館を味わいたい方はお急ぎになった方がよいかもしれません。
ただし湯抱温泉には一軒もお店がありませんし、このエリアは食事をする所がほとんどありませんのでお気をつけください。16人が参考にしています
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