薫風爽やかな季節になって来た。
渓流釣りの大好きな僕にとっては、1年でも最も好きな季節である。清冽な流れを取り巻く山々は新緑が萌え広がり、人工絵の具などでは決して出すことのできない実に美しい緑色をしている。この季節に渓流を歩いていると実に楽しいものである。そこで今回は、鬼怒川の最源流部に湧く一軒宿の温泉を、のんびり渓流沿いをハイキングしながら訪ねてみようと思うのである。
釣り好きなら必ず道具を持っていくように
栃木県の鬼怒川温泉といえば、首都圏の人は誰でも知っているだろうが、今回訪ねるのは、そこから川をどんどんと遡った源流部である。ここに湧く川俣、平家平、女夫渕(めおとぶち)、八丁湯、加仁湯(かにゆ)、手白沢の各温泉は、奥鬼怒温泉郷と呼ばれていて、とくに女夫渕温泉から先は奥鬼怒四湯といわれ、宿の送迎以外は歩いていくしか交通手段がないという、まさしく秘湯なのである。
今回は女夫渕温泉温泉の駐車場から一番近い八丁湯を目的地としよう。一番近いといっても、駐車場から歩いて1時間ちょっとかかる。だが、道は遊歩道としてきちんと整備されているし、ほぼ平坦でアップダウンの少ないコースなので、誰でも気軽に歩いていくことができる。道は川沿いに続いていて、ところどころ広い河原やベンチなどもあるので、弁当持参でいくといい。また、釣りの好きな人は釣り道具を持っていくといいと思う。
僕は荷物が多くなるのが面倒臭いので、釣り道具は持たずに出掛けたのであった。しかしやがてそれが大きな後悔に繋がるとは、この時点では予想だにしなかったのだが…。
いざ、歩かないと行けない山間の秘湯へ
さて、女夫淵温泉の駐車場に車を置いて、さっそくハイキングに出かけるとしよう。どうしても歩くのが嫌だという人は、この駐車場から12時と3時に宿の送迎バスが出るのでそれを利用するといい。ちなみに八丁湯は日帰り入浴も受け付けているが、入浴のみの客は送迎バスを利用できないので一言注意しておく。
さあ、駐車場のはしっこにある奥鬼怒歩道の看板のところからハイキングのスタートである。ここで重要なのは車道の方に間違えて入っていかないように注意すること。10分ほど歩くと絹姫橋という橋を通過して、ここから遊歩道に入って行くのである。
さらにしばらく行くと「カッタテの滝」という滝があらわれる。なぜカッタテというかは残念ながら知らない。スイマセン。
途中、歩道から平坦な林道に出る。歩道は山裾を巻いて続いているようだが、大半の人はこちらの林道の方へ進むようである。山が歩きたくて仕方がないという人は歩道の方に進んでもイイが、僕は今回は、とある理由で早く宿に着きたくて仕方がなかったので、平坦な道を選ぶことにしたのであった。
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